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サビの実態を研究し、サビキラープロやサビトルキラーを製造するBAN-ZIが、長期防錆を目的に開発した「サビンラップ」。金属表面に強力な防錆被膜を作る特殊シリコーンゴムは、樹脂パーツにもメリットがあり、多機能性が注目される。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃)●外部リンク:株式会社BAN-ZI
透明シリコーンゴムで強力防錆。樹脂にも使えるサビンラップ
金属パーツをサビから守るには、水分を近づけないのが最善だが、屋外で使用するバイクやクルマはそうもいかない。ワックスやコーティングは、美観向上に加えて撥水性能によるサビ防止効果も期待できるが、その膜厚は極めて薄い。
BAN-ZIの「サビキラーサビンラップスプレー」は、透明シリコーンで金属表面をラッピングするという発想から誕生した、独創的なスプレー塗料である。ボディの塗装面用ではないが、バイク/自動車のメッキ部品や門扉など、さまざまな鉄部にスプレーするとシリコーンゴム被膜ができ、防錆効果は数ヶ月にわたって持続する。
つや出し/離型/防錆を目的としたシリコーンスプレーは世の中に数多くあるが、サビンラップは塗膜に厚みがあり、“塗った感”が出る。今回塗装したクロームメッキ仕様のマフラープロテクターの場合、サビンラップがクリアー塗装代わりとなって光沢がアップした印象だ。
金属部品のサビ防止に加えて、樹脂パーツの防汚/撥水効果や白化した未塗装樹脂の光沢復活にも使用できるのが、サビンラップのもうひとつの特徴である。この場合、スプレー後にクロスなどで素早く塗り広げることで薄いシリコーンゴム被膜となり、汚れが付着しにくく水玉がコロコロ転がる撥水性の高い表面に仕上がるのだ。
新品部品をサビから守り、サビの再発を予防し、樹脂パーツのメンテナンスにも使えるサビンラップは、メンテナンス好きはもちろん、すべてのライダーにとって役立つはずだ。
【BAN-ZI サビキラー サビンラップスプレー】 特殊シリコーンゴム塗膜によって、自動車/バイク/自転車/機械/門扉など鉄部全般に透明なラッピング被膜を形成して、サビを予防するサビンラップ。スプレー後にクロスなどで塗り広げると、防汚/撥水効果を発揮し、未塗装樹脂に施工すれば深いツヤがよみがえる。ホームセンターなどで販売されている一般的なシリコーンスプレーに比べて、塗布後に“濃さ”を感じさせる。●価格:5654円(420ml) 2618円(100ml)
メッキパーツの表面は薄塗り。未塗装樹脂パーツはクロスで擦り込む
クロームメッキ表面には目に見えないクラックや穴が無数にあり、そこから浸入した水分によって内部からサビが進行する。そのため表面のケアが重要なのだ。
マフラープロテクター裏側は過去に補修塗装してあったが、塗装面の下からサビが発生している。サンドブラストで剥離すれば完璧だがメッキも剥がれてしまう。
このような場面に最適なのが、サビの上から塗装できるサビキラープロ。進行性の赤サビを不活性な黒サビに転換すると同時に、上塗り塗装ができるので最適なのだ。
サビンラップを塗装するプロテクター表面は入念に脱脂洗浄を行い薄く塗り重ねる。メッキパーツは塗装面がくもる場合もあるが、光沢のある仕上がりとなった。
未塗装のサイドカバーは、スプレー後に間を置かずクロスでムラなく塗り広げる。サビンラップの乾燥が始まる前に、シリコーンゴムを素材にすり込んで光沢を出すのだ。
耐熱塗料ではないが、約200℃の耐熱性があるため、マフラープロテクター程度の温度ならまったく問題ない。防水性の高さとスプレーで施工できる扱いやすさが魅力。
スクリーンに塗布すれば、小傷が目立たなくなり撥水性アップ
鉄部のサビを防止するスプレーを樹脂に使って大丈夫なのか? と不安になるが、主成分はシリコーンゴムなので、コーティングと撥水性能は樹脂にも通用する。
シリコーンで滑ると困る部分は事前にマスキングしておく。スクリーン表面のホコリや汚れは傷の原因となるので、中性洗剤で清掃してからサビンラップをスプレーする。
乾燥すると塗膜になるため、樹脂部品の防汚/撥水目的で使用する際は、スプレー後すぐにクロスで塗り広げる。最初は油膜が張ったように見えるが、すり込むと目立たなくなる。
サビンラップを伸ばすとシリコーンゴム被膜が薄くなるが、このように撥水効果はバッチリ。ヘルメットのシールドや帽体の防汚撥水にも有効(コーティングシールドやマットカラーを除く)。
白化した未塗装黒樹脂パーツも自然なツヤで質感向上
紫外線で白化した未塗装樹脂パーツは、洗車しても改善せず、注意していても進行する。これは避けられない劣化なので、多くのメーカーから光沢復活剤が販売されている。
上のスクリーンと同様に、脱脂洗浄後にサビンラップをスプレーしてすぐにクロスで塗り広げる。シリコーンゴム成分を樹脂にすり込むようなイメージで作業すると良い。
テカテカに塗り込むと質感を損なうので、半ツヤ程度にした方が自然に仕上がる。タイヤに付着するとスリップの原因になるので、新聞紙を被せるなどマスキングをしておこう。
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