
ドゥカティのパニガーレV4Rが、ユーロ5規制をクリアしつつ待望の復活。ドゥカティの歴代スーパーバイクのRシリーズは、常にレースを戦うことだけを考えて作られた、ラインナップでもっともレーシーなモデルだ。2022年シーズンのスーパーバイク世界選手権(WSB)でも、アルバロ・バウティスタがランキングトップ(10月15日現在)を快走中だ。
●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:ドゥカティ ●外部リンク:ドゥカティ
V4Rは、どこまでもリニアに応えてくれる生粋のレーシングマシン
ドゥカティがMotoGPマシンで培ってきたノウハウで開発したV4エンジンを搭載した初の市販量産車であるパニガーレV4シリーズは、2017年のEICMAで登場。ドゥカティのレーシングDNAを感じさせてくれるマシンとして、毎年アップグレードを重ねている。
最新のパニガーレV4Sの排気量は1103ccで、215.5ps/13000rpmを発揮。市販スーパースポーツの中でもそのスペックはトップエンドである。
そんなパニガーレV4シリーズをベースにスーパーバイク世界選手権(WSB)を戦うホモロゲーションマシンとして、2018年のEICMAに登場したのがパニガーレV4Rである。エンジンは、排気量をレースレギュレーションに合わせた998ccとし、大幅にチューニングが施された。
パニガーレV4Rは、ユーロ5規制などもあり、しばらくラインナップから消えており、それが2023年に待望の復活となった。
『This is Racing』のタイトルが発表されていたエピソード4は、多くの人の予想通りパニガーレV4Rだった。『これがレーシング!』そのタイトルにふさわしいスペックが与えられている。
240.5ps! このスペックのバイクが普通に購入できることが凄い!
パニガーレV4Rの排気量は998ccで、218ps/15500rpmを発揮。排気量はパニガーレV4Sよりも小さいのにパワーが勝っているスペックを見ると、エンジンの中身がいかに特別かがわかるはず。また、レーシングエキゾースト装着で237ps、さらに専用オイルを入れると240.5psを発揮。6速で16500rpmまで回るエンジンは脅威でしかない。
乾燥重量は172kg、レーシングエキゾースト装着で167kgとなっている。
エンジン内部は、MotoGPマシンのノウハウを注いだチタンコンロッドや専用ピストンを初め、各部にスペシャルパーツが採用されている。
レースを戦うことに特化したパニガーレV4Rは、どこまでもリニアに応えてくれるレーシーなエンジンとハンドリングを持つ。そんなパニガーレV4Rは、MotoGPマシンにもっとも近い市販車といって間違いないだろう。
カウリングは比較的ワイド。ただタンクエンドはスリムで、バイクとライダーの一体感と空力を両立したデザインであることがよくわかる。
パワーモードは「フル」「ハイ」「ミディアム」「ロー」の4段階。メーターは「トラックEVO」レイアウトでは、水平基調のタコメーターが上段に配置され、ギアポジションを中央に表示。右側には、異なる色の4つのセクターがあり、それぞれが電子制御のDTC、DWC、DSC、EBCに対応している。トップブリッジにはシリアルナンバーも入る。
コンロッド内のピストンとクランク支持部をオイル流路として貫通させた新たな形状を採用。これにより信頼性が大幅に向上しているのだという。
レーシングマフラーを装着したパニガーレV4R。レーシングスタンドで佇む姿も美しい。
サーキット専用のレーシングエキゾースト+シェルとドゥカティが開発した専用エンジンオイルを使うことで240.5ps!を発揮する。
【’23 DUCATI PANIGALE V4R】主要諸元 ■軸距1471 シート高850(各mm) 車重193.5kg(装備) ■水冷4ストL4気筒 998cc 内径81×行程48.4mm 圧縮比14:1 最高出力218ps/15500rpm 最大トルク11.4kg-m/12000rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■キャスター24.5°/トレール100mm ブレーキ形式F=φ330mmWディスク+4ポッドキャリパー R=φ245mmディスク+2ポッドキャリパー タイヤサイズF=120/70-17 R=200/60R17 ●499万円
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