最新技術が生み出す、最良のクラシックフィーリング

ロイヤルエンフィールド コンチネンタルGT650 試乗【ハリスフレームに空冷ツインを搭載した正統派英国カフェレーサー】

カフェレーサーに乗っていることを強く意識させてくれる

走り出すと650cc以上と思わせてくれる豊かなトルクを披露。特に極低速の出だしの良さと、3000〜5000rpm辺りからスロットルを開けた際の過渡特性が素晴らしいのだ。スチールメガホンのメッキマフラーが奏でるパラレルツインサウンドは、どこまでも優しくスロットルを開けた際の気持ちよさに貢献。

加速中に聞こえる音、身体に感じる風や鼓動が、カフェレーサーに乗っていることを強く感じさせてくれる。制御はABSのみだがそのシンプルさが良い。ここにブリティッシュバイクの伝統が宿り、本質が潜む。

市街地を抜け出すように、高速道路に乗ってスロットルを大きめに開ける。100km/hまではあっというま。100km/h巡航はもちろん、そこから120km/hまでの加速も、120km/h巡航も楽勝。ここだけはクラシックスタイルを感じさせない。

高速巡航中、フロントフォークにダイレクトマウントされたハンドルからの振動はやや大きめ。でもそれもコンチネンタルGT650の個性のひとつ。ちなみにアップハンドルのINT650はハンドルがラバーマウントのため、長時間走った際の振動の余韻はかなり軽減されている。

都内の喧騒を忘れさせてくれる早朝の時間を大切に楽しむ。人とクルマが溢れ出す前に都内を散策すると、新しい風景に出会えることが多い。

レンズに膨らみがあるヘッドライトは往年のイギリス車の雰囲気。優しいデザインに癒される。薄型のケースに収められたスピード&タコメーター。近年のデジタルメーターにはない雰囲気が印象的で、もちろん視認性も高い。

ニーグリップ部分が細くなったコンチネンタルGT650専用デザインのタンク。容量は12.5L、ちなみにアップハンドルのINT650の容量は13.7L。

ライダー側とパッセンジャー側で若干の段差を設けたシート。座り心地は硬めで、バイクの挙動を把握しやすいスポーティな味付け。

フロントはシングルディスク+片押しの2ポットキャリパーの組み合わせ。立ち上がりが穏やかな優しいタッチが魅力。ワインディングなどでも扱いやすい。リヤの2本ショックは、プリロードの調整が可能。そこそこしっかりした味付けなので、体重の軽い方は柔らかめにセットしても良いと思う。

コーナリングでフィットするポジション

ワインディングのコーナー立ち上がりでトラクションのかかる感じがたまらなく気持ちがいい。パラレルツインの良いところと、空冷の良いところ、この戦闘的なポジションの良いところすべてが、この瞬間にフィットしたような気持ちになる。

コンチネンタルGT650専用デザインのニーグリップ部分が絞られたタンクは、下半身ホールドしやすく、少し後ろに座ると腕から力が抜けてリラックスしたポジションで乗ることができる。

また、コンチネンタルGT650のエンジンは、こうした開放的なシーンで本領を発揮。コンチネンタルGT650はINT650よりも高回転よりの燃調セッティングで、ライダーにエンジンを回すことを促してくるようなフィーリングを持っている。セパハン×バックステップの前傾ポジションもそんな気持ちを盛り上げる。

ワインディングでは座る場所を変えたり、上半身を起こしたり伏せてみたりすると、ハリス製のダブルクレードルフレームが応えてくれ、曲がり方やトラクションの仕方が変わる。こうした操作が簡単にバイクに伝わるし、ちゃんと答えを返してくれるのもとても良い。

コンチネンタルGT650は、現代の感性でスポーツを楽しめるし、カフェレーサースタイルで英国物語を楽しむこともできる。世界最古のバイクブランドであるロイヤルエンフィールドは、現在もイギリスでR&Dを行なっている。英国カフェスタイルを愉しむにおいて、これ以上の説得力はない。

コンチネンタルGT650は、ロイヤルエンフィールド東京ショールームで試乗が可能。お近くの方はぜひ!

時代の変化に対応しながら、バイクはここ数年で凄まじい勢いの進化を遂げた。その一方で、確固たる信念とスタイルを守りながらプロダクトを具現化する方法があったのだということをロイヤルエンフィールドは教えてくれている。世界最古のモーターサイクルブランドが築き上げてきた歴史へのオマージュ、そこにロイヤルエンフィールドの深化がある。

左右2本出しのスチール製のメガホンマフラー。270度クランクならではのパルス感のあるエキゾーストノートを披露。2022年モデルから採用されたCeat製のZoom Cruzタイヤもフィーリングがわかりやすく、乗りやすさと楽しさに貢献している。

トップブリッジの下にマウントされたセパレートハンドル。パラレルツインの振動が身体にダイレクトに伝わってくる。エンジンの前部にはオイルクーラーを装備。大きすぎない主張しないデザインに好感が持てる。

少し離れてコンチネンタルGT650を眺める。逆光が生み出すシルエットまでが美しく感じる。もはや先見性すら感じさせるシンプルな車体構成。誰もが想像しやすいバイクのカタチだが、今となっては希少なパッケージ。

主要諸元■全長2119 全幅788 全高1120 軸距1405 シート高805(各mm) 車重217kg(装備)■空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 648cc 47.7ps/7150pmm 5.33kg-m/5150rpm 変速機6段 燃料タンク容量13.7L■ブレーキF=φ320mmシングルディスク+2ポットキャリパー R=φ240mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=100/90-18 R=130/70-18 ●価格:87万2300円(ロッカーレッド、ブリティシュシュレーシンググリーン)、88万8800円(ダクスデラックス、ベンチュラストーム)、92万700円(ミスタークリーン)


※本記事は“ミリオーレ”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

最新の記事