●文:モーサイ編集部(山本晋也)
“都道最狭”155号線は、東京都八王子市と町田市をつなぐ道
「酷道」や「険道」といった言葉を聞いたことはないだろうか?
国道や県道といった、いかにも“整備されているはず”の道なのに、離合(すれ違い)が困難なほど狭かったり、舗装がされていなかったり、はたまた階段状になっていて車両の通行が不可能な道のことを指すスラングだ。
そんな酷道や険道をツーリングの途中で楽しむという趣味を持つライダーも少なくない。クルマでは離合が難しい道でも、バイクであれば気にならないし、軽量な原付クラスであれば人力で押さないといけないシチュエーションでもクリアすることができるからだ。
そんな険道といえる道が、じつは日本の首都・東京都にもある。厳密に言うと東京都の場合は“都道”なので、趣味人の間では「険道」ではなく「屠道」といった当て字のスラングで呼ぶこともあるが、はたしてそれが都道155号線である。
東京都八王子市と町田市をつなぐ155号線は、場所によっては中央分離帯のある片側2車線になっているほど整備された道だが、今回紹介したいのは、その中でも町田市と多摩市の境あたりにある「都道最狭」と呼ばれる区間だ。
上の写真は町田市のほうから向かったときのものだが、曲がり角の目印となるのは「正山寺」という寺院の看板。その横には「2.0m以下通行可」の標識と「2.0t以上通り抜けできません」という注意書きがある。このあたりは通常の住宅街のような道に見えるが、その先ははたしてどれほど狭くなっているのだろうか?
車同士のすれ違いが不可能な区間も多い
ゆるい坂道を上がって右に曲がると、いきなり左右に高木が生い茂った状態になり、まるで舗装林道のよう雰囲気。ガードレールのようなものはなく、ワンミスで落ちてしまいそうな恐怖感がある。
その先は農村集落といったエリアになるが、ところどころに離合用スペースはあるものの、基本的には4輪車がすれ違うのは困難な道幅。実際、ワンボックスカーとすれ違ったときは、こちらが原付スクーターだから難なく離合できたが、クルマであれば軽自動車同士でも難しい道幅なことは、写真からもわかるだろう。
のどかな農村風景を見ながら走っていくと、再び木が生い茂ったエリアが目に入る。
そこは両サイドが土壁の切通しで、登りながら右左と切り返すシケインとなっている上に、舗装がかなり荒れていて、10インチタイヤのスクーターはステアリングを取られるほどスリリング。当然、対向車が来る可能性もあるのでカーブミラーで確認しながらの走行だ……
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