
今回は気になる方も多いと思う、白バイのボックスの中身について紹介します。当然、白バイ隊員の仕事に必要な装備が収められているのですが、隊員によって入っている物も異なっています。
●記事提供:モーサイ編集部 ●文:睦良田 俊彦
シート後部、リヤ両サイドにある白バイの計3つのボックス
白バイのボックスは3つあります。荷物を入れるためのサイドボックス、無線機を入れる無線機ボックスがあり、サイドボックスは車両後部の左右に1つずつ、無線機ボックスはリヤシート部に1つの計3つです。白バイといえばこのボックスをイメージする方も多いのではないでしょうか?
各ボックス内には白バイ隊員には、なくてはならない物が入れられております。
【個人的なものも収納する右側サイドボックス】
右側のボックス内には主にバイクを路上に停車する際、事故を防止するためのLED警告灯や警察官の必需品である誘導棒が収められています。ただし、交番のお巡りさんなどが使っている通常の大きさの誘導棒は大きすぎてサイドボックス内には入らないため、白バイ専用の小さめの誘導棒が収められています。また、事故現場等で使用する道路幅員を計測する巻き尺や路面に印を付けるためのチョークも収められています。
そして、余ったスペースには隊員の私物や飲み物等が入っています。警ら先で昼食を取らなくていけない時は、お弁当や軽食を入れていることもあります。私の場合はお米を食べないと力が出なかったので、いつもおにぎりとオカズに魚肉ソーセージを入れていました。隊員によっては栄養補給用のスナックやゼリーなどの軽食を入れている人もいました。
しかし、夏場の白バイのサイドボックス内は高温になります。特に右側のサイドボックスはマフラーの真上にあって熱を持ちやすいので、保冷剤入りの袋に食べ物を入れたりして腐らない工夫が必要でした。
専用のサイドボックスを付けるため、右マフラーのアップ角度も緩くされたホンダ CB1300Pだが、右サイドボックスの中身は夏場などマフラーの熱に影響される模様
【仕事道具一式が入っている左側サイドボックス】
左側のサイドボックス内には、白バイ隊員の仕事道具の一つでもある違反切符が入っています。切符が左側のサイドボックスに入っているのには理由があり、よく使うものなので道路側ではなく、取り出しやすい歩道側のサイドボックスに入れているのです。ほとんどの白バイ隊員は切符を左側に入れているのでないでしょうか。今まで右側のサイドボックスに切符を入れている隊員を見たことはありません。
そして切符にも様々な種類があり、赤切符(交通切符 ※一般的に6点以上の重大な違反を犯したときに交付。免許停止、免許取り消しなどの行政処分が課される)、青切符(反則切符 ※一般的に一発で行政処分を受けることがない5点未満の違反で交付され、指定期日までに反則金の納付が課せられる)、白切符(点数切符※反則金が定められていない、1点の軽微な違反で交付)と分けられ、その他にも作成しなくてはならない多くの書類が、サイドボックス内には入っています。
もちろん、書類をそのままサイドボックス内に入れていては散らばったりと大変なことになるので、各隊員は自分で用意したサイドボックスに入る大きさのバッグなどに書類を収めています。
私は学生さんがよく使っている手提げタイプの学生カバンを利用していました。知らない人が見たら、白バイ隊員が「学生カバンを使っている」と笑われそうですが、実はサイドボックスの大きさにギリギリ収まる大きさのカバンが学生カバンなのです。
しかし、隊員皆んなが同じカバンを使用していると事務所内で間違えそうになってしまうので、色違いのカバンにしたり、キーホルダーを付けたりして自分のカバンとわかる様な工夫をしていました。私は当時の上司に勧められて学生カバンを選びましたが、人によってはスポーツシューズを入れるバッグや、トートバッグを使用している人もいました。
また、車好き、バイク好きな方なら白バイ隊員といえば整備不良の取締りをイメージする方もいるのではないでしょうか。時には白バイのサイドボックス内には整備不良を取締るための機械を積んで取締り活動に出ている白バイもいます。
サイドボックスのフタ上部。HONDAマークにPOLICEステッカーが張られ、ホンダ純正品であることを示している
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
モーサイの最新記事
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
ホンダはEクラッチとDCTの二面展開作戦だ 自動クラッチブームの火付け役として、まず一番目に挙げられるのが今のところホンダCB/CBR650Rとレブル250に採用されている”Eクラッチ”。機構としては[…]
オートバイって何語? バイクは二輪車全般を指す? 日本で自動二輪を指す言葉として使われるのは、「オートバイ」「バイク」「モーターサイクル」といったものがあり、少し堅い言い方なら「二輪車」もあるだろうか[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
白バイ警察官になるためのファーストステップ、必要なのは執拗なアピールや根回し!? 警察官になっても、すぐに白バイ警察官になれる訳ではありません。白バイ警察官になるには、まず「白バイ隊員になりたい」と希[…]
人気記事ランキング(全体)
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
ゼロハンが一番熱かった夏 多くの若者がバイクを愛し、GPライダーが同世代共通のヒーローとなった1970年代後半。 それでもフルサイズの“バイク”は、経済的理由や悪名高い“三ナイ運動”の影響からなかなか[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたヤマハ「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
低く長いデザインが個性マシマシ! レトロモダンなボバークルーザー 中国から新たな刺客がやってきた! ベンダは2016年設立の新興メーカーで、独自設計のエンジンを搭載したクルーザーを中心に、ネイキッドな[…]
既存の常識を打ち破る驚異的な動力性能 昨今ではあまり話題にならないものの、’70年代以降の2輪業界で、もっとも長く”世界最速”の称号を保持していた…と言うより、もっとも世界最速に”こだわっていた”メー[…]
最新の投稿記事(全体)
ハンドルまわりだけでも用語はたくさん 「いつかは旧車に乗り、自分専用のカスタムをしたい」と、憧れを抱いている筆者。その夢を叶えるためには、ひとつの大きなハードルがあったりする。そもそも、各部の名称や役[…]
まめなオイル管理が、良コンディションを維持できる秘訣 新型スーパーカブが発表されて以降、新型のシリーズモデルは、週末に限らず、毎日のように街中で見かけるようになった。軽く気ままに走ることができるモデル[…]
電子制御CVTにより街乗りもスポーティ走りも思いのまま! ヤマハは、インドネシアや日本に続いて新型スクーター「NMAX155」を欧州市場に投入する。これまでNMAX125のみラインナップ(一部地域では[…]
本当に初速でZX-10Rを上回ると感じる加速っぷり エンジンにプラスしてモーターの力で走るハイブリッド(HV)モード、モーターのみで走るEVモード、それに加えて自動クラッチにATミッションと、現在にお[…]
初の2ストGPマシンNS500を応援するホンダファンは3気筒のエンジンのMVX250Fに目が釘づけ! 1979年、ホンダは世界GP復帰宣言で500ccの4ストロークV型4気筒(当初はオーバルピストン3[…]
- 1
- 2