
●記事提供:モーサイ編集部 ●文:睦良田俊彦
1998年登場のロングセラーモデル、ホンダCB1300シリーズの魅力とは?
2003年に登場の2代目CB1300スーパーフォア(SF)の型式はSC54。エンジン単体で8kg、全体で20kgの軽量化を果たして乗りやすさとパフォーマンスを向上。
今回は、私が白バイ隊員として約10年間、ホンダ CB1300に乗ってきた経験や感想を交えて、CB1300シリーズをお勧めする理由を解説していきたいと思います。
初代CB1300(SC40)が発売されたのが1998年、2003年に(SC54)へとフルモデルチェンジし、現在に至るまで熟成を重ねてきたモデルです。20年以上、大きな変更もなく作られてきたバイクですし、今なおホンダの主力モデルであることは言うまでもありません。
また、白バイとして日本全国の警察に採用されていることからも、信頼性の高さを伺う事が出来るバイクです。オーソドックスなネイキッドデザインのCB1300SF(スーパーフォア)、カウルの備えられたCB1300SB(スーパーボルドール)、同じスペックで2種類のデザインから選ぶことが出来るのもCB1300の良さだと思います。
ちなみに白バイはCB1300SBをベースとしたCB1300Pです。
白バイ仕様CB1300Pのベースとなったのが、2005年に派生モデルとして登場したCB1300スーパーボルドール(SB)。
1998年に登場の初代CB1300(SC40)。同車が登場当時に配備された白バイはVFR800Pで、CB1300Pが白バイに配備されたのは2009年、2代目のSC54をベースとするモデルからだった。
初代BIG1ことCB1000スーパーフォア(SF)の登場は1992年。大柄なボディを強調したデザイン、硬派な乗り味で注目を集めたが、その後同シリーズは大きく重くても乗りやすい方向へと進化。
最新鋭でなくても、実感できる圧倒的なパワー感とボリューム
現在販売されている新型の大型バイクと比べると、CB1300のパワーや車体の大きさなどは決してすごいと言えるレベルではありません。むしろ、至って普通の大型バイクというイメージもあり、車両スペックを見ても決して最新の高性能と言えるものでもありません。
熟成を重ねマイナーチェンジ等を行なっていくうちにサスペンションやブレーキ、電子制御など細かな変更点は多々ありましたが、基本設計の古さもあり最新式のバイクと比べると見劣りしてしまうのも事実です。しかし、スペックや数値だけでは感じることが出来ないCB1300の気持ち良いエンジンフィーリング、太いトルク、年式により異なる排気音、圧倒的なパワー感など、乗ったことがある人じゃなきゃわからない魅力があります。また、一見車体の重さや大きさから乗りにくそうに見えますが、一度走り出してしまえば圧倒的なトルクと車体バランスの良さにより安定した走りを体感出来ます。
そして、1300ccという大排気量からくる余裕のパワーは、長距離運転が非常に楽です。白バイ隊員時代に仕事で毎日のように100km以上走り、長距離移動が伴うイベント等の際は1日に300km以上走ることもありましたが、当時白バイとして現役で残っていたホンダ VFR800やスズキのGSF1200と比べても圧倒的に楽でした。操作しやすいスイッチ類、楽なシートポジション等、バイクの優等生と呼ばれるだけの操作性を備えていました。
大排気量なので長距離運転が楽なのは当然ですが、実は、街乗りも比較的楽なバイクとなっています。その理由として、乗車姿勢が非常に楽なことがあります。ハンドルの高さなど日本人が好むネイキッドタイプのお手本のような乗車姿勢となっており、多くの教習所で使用されている教習車もネイキッドタイプとなっていることから、大型バイクの免許を取得してすぐにCB1300に乗ったとしても、さほど違和感はないと思います。
白バイ仕様のCB1300Pはアップハンドルになっているものの、市販車もさほど低くないハンドルが装着されており、どちらも乗車姿勢は非常に楽なものです。また、低速時に多少ラフにクラッチを繋いだとしても太いトルクのお陰でエンストしにくく、街中でストップアンドゴーを繰り返しても小排気量モデルのようにエンストを気にせず走ることが出来ます。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
バイクはお兄さんの影響 メグミさんは昔からバイクに興味があったのだと言います。 「兄が二人いて、どちらもバイクに乗っていたんです。小さいときからその様子を見ていたので、自然に自分も乗りたいと考えるよう[…]
400で初のV4でもホンダ・ファンは躊躇なく殺到! 1982年12月にリリースされたVF400Fは、このクラスでは12,500rpmの未経験な超高回転域と0-400mを13.1secという俊足ぶりもさ[…]
2024年11月:V3エンジンコンセプトが世界初公開 ホンダが、約40年ぶりとなるV型3気筒エンジンを搭載した「new ICE concept」を世界初公開したのはEICMA 2024でのこと。このコ[…]
共通の仕様変更はわずかだがその効果は想像以上だった 2017年4月に発売され、翌2018年から軽二輪クラスのベストセラー街道をばく進中なのが、ホンダのレブル250だ。今年は一部の仕様変更とともに、待望[…]
出力調整を極限まで最適化&他技術との連携で相乗効果 キャブやFIスロットルボディの吸気量を決めるバタフライの開閉をワイヤーで繋がったスロットルグリップで人間が直接調整していたのが旧来の方式。これに対し[…]
最新の関連記事(CB1300シリーズ)
BIG-1が培った価値はホンダのヘリテイジになる ’91年の東京モーターショーに忽然と姿を現したCB1000スーパーフォア。現在のようにネットやSNSもない時代で、事前情報などは一切なく、まさに突然の[…]
CBで戦うことにロマンがあった ’91年の東京モーターショーに参考出品されたCB1000SFのプロトタイプを見たときは、純粋に「カッコイイ!」と衝撃を受けた。そして’92年に市販版が出るや早速手に入れ[…]
デカいバイクに挑むロマンがここにはある これまで何度か噂には上っていたが、遂にそのときがやってきてしまった。’92年の初代BIG-1ことCB1000SFから30年以上の長きに渡り、ビッグネイキッドのみ[…]
ホンダ CB1300スーパーボルドール(2018)試乗レビュー この記事では、平成28年度排ガス規制に対応しモデルチェンジを行った2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年6月公開時の内[…]
ホンダの大排気量並列4気筒エンジンをジェントルかつスポーティーに TSRは鈴鹿のマフラーメーカー「アールズ・ギア」とともに世界耐久選手権(EWC)を戦い、リプレイス用のマフラーも同社と共同開発していま[…]
人気記事ランキング(全体)
最新の安心感と46worksテイストを両立した「究極のコンプリートモデル」 この『#02』は、2024年に限定販売された初代モデルに続くコンプリートカスタムモデル。今まで46worksが得意としてきた[…]
スズキCNチャレンジのファクトリーマシンと同じウイングを装着(一部地域でオプション設定) スズキは今回、初代GSX-R750から40周年にあたる今年、「GSX-R1000」「GSX-R1000R」の復[…]
鮮やかなブルーでスポーティな外観に グローバルサイトでの2026年モデル発表、北米での正式発表に続き、英国でもスズキ「ハヤブサ」の2026年モデルが正式発表された。2026年モデルとしてレギュラーカラ[…]
距離もブランドも関係なし!50人同時通話を実現 EVA Rモデルは、EVANGELION RACINGをモチーフとした特別デザイン(初号機A/B、2号機A/Bの全4モデル)をまとい、ナイトランでも存在[…]
3気筒と変わらない幅を実現した5気筒エンジンは単体重量60kg未満! MVアグスタはEICMAでいくつかの2026年モデルを発表したが、何の予告もなく新型5気筒エンジンを電撃発表した。その名も「クアド[…]
最新の投稿記事(全体)
まずは「ふるさと納税」の仕組みをざっくりと ふるさと納税の仕組みに関して筆者はどうも多くの勘違いをしていたので、そんな自分でも理解できるようにまとめてみました。おさらいしておこう、自分! ふるさと納税[…]
バイクはお兄さんの影響 メグミさんは昔からバイクに興味があったのだと言います。 「兄が二人いて、どちらもバイクに乗っていたんです。小さいときからその様子を見ていたので、自然に自分も乗りたいと考えるよう[…]
エンジンみたいな気持ちよさはないでしょう? って、確かに違う乗り物だけど…… 2023年にホンダが同社初のパーソナル向け電動バイク「EM1 e:」を発売し、2024年にはカワサキが国産初のスポーツタイ[…]
400で初のV4でもホンダ・ファンは躊躇なく殺到! 1982年12月にリリースされたVF400Fは、このクラスでは12,500rpmの未経験な超高回転域と0-400mを13.1secという俊足ぶりもさ[…]
インホイールモーターなど車体のベースはホンダ製 ヤマハが原付一種の電動スクーター「JOG E」を市販する。2002年に量産初の電動二輪車「パッソル(Passol)」を日本国内で発売して以降、原付一種E[…]
- 1
- 2










































