
●記事提供:モーサイ
都市部では今や日常的に見かける「特定小型原動機付自転車」
運転免許不要で公道上を走ることのできる新カテゴリー「特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)」が注目されて久しい。
2023年の法改正で特定小型原付が生まれた当初は電動キックボードを対象にした新しいカテゴリーという印象が強かったが、ボディサイズや出力などのレギュレーションにおいてタイヤの数やシートの有無は規定されておらず、自転車のような形状や3輪の特定小型原付も登場してきている。
6km/hの速度リミッターが付いているものは「特例特定小型原付モード」とすることで自転車走行可の歩道であれば走行できる。
しかし、その特徴を活用しようと思うと、自転車や小型バイクのようなスタイルでは低速時の安定性に関して向いていない面もある。また、歩行者との共存性を考えると「電動キックボード」という言葉から想像するような小さなボディがマッチすると言える。
都市部でおなじみの電動キックボードシェアリングサービス「LUUP」の車両。6km/hの速度リミッターが付き、「特例特定小型原付モード」にも対応している。
スノーボードやスキーに近い感覚で体重移動するとイイ感じ
ただし、バイク乗りからすると電動キックボードのような立ち乗り系モビリティというのは不安定に感じる面があるだろう。バイクのような「ニーグリップ」はできず、そのために加減速で体を支えるのは腕だけになってしまうのも心許ないかもしれない。
日常的に3輪の特定小型原付「ストリーモ」に乗っており、なおかつ他の電動キックボードの試乗経験もある筆者からすると、そうした心配は無用だと感じる。立ち乗りモビリティは「ヒザで乗る」というイメージを持つべきで、車体をホールドして一体感を求めるのはちょっと違うように思う。
いわゆる電動キックボードと呼ばれる特定小型原付は、基本的に足を前後に置いて乗るわけだが、スノーボードのようなイメージを持ってヒザで体重移動をうまくコントロールすると気持ちよく運転できる印象がある。
電動キックボードの運転に慣れてくると、コーナリングでは頭をイン側に入れるような姿勢を取ることで安定感が出てくることに気付くのではないかと思う。
バイクでもレーサーではライダーを高い位置に座らせることで、ライダーの体重を利用してコーナリング速度を高めるというのは知られているが、電動キックボードもどこか似たようなイメージで乗ることにより、ファン・トゥ・ライドを楽しむことができる。
恐る恐る乗っているよりも、ヒザを曲げるなどの体重移動を積極的に行うほうが安定して走ることができる、というのが電動キックボードに対する筆者の印象だ。
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