
ライダーの数だけバイクに対する向き合い方も、バイクライフの楽しみ方も違うハズ。そんな一人ひとりのこだわりをリレー形式で語ってもらう連載企画。第14回は、サーキットへの憧れを叶え、本格的に楽しんでいる北海道在住のゆーまさんだ。
●文:[クリエイターチャンネル]ゆーま ●編集:ヤングマシン編集部(石川)
みなさま初めまして。北海道は江別市在住の道産子ライダー、ゆーまです! 元々は某バイクディーラーにて勤めておりました。バイクが生活の一部になっている私のバイクライフについて、綴らせていただきます。
バイクとの出会いはテレビのF1観戦時
今でこそ乗り物中心の生活ですが、大学生になるまでは、まったく興味関心がありませんでした。休みの日は、家で読書をしたり、音楽を聴いたりする超絶インドア性格な学生だったからです。そんな私がバイクと出会うきっかけをつくってくれたのは、父でした。
父は生粋のF1好き。レースウィークになると、家のリビングでフリー走行から決勝レースまでF1しか流れない家庭で育ちました。ある日、いつものように父と一緒にF1を見ていたときのこと。「同じコースを何周もグルグル回って何が面白いのだろう」と疑問に思いながらテレビを眺めていたところ、CM中になにげなく父がチャンネルを変えたのです。
そのとき、衝撃的な光景が目に飛び込んできました。それは、白赤のゼブラゾーンすれすれを、膝を擦りながら物凄いスピードでカッ飛んでいく、蛍光オレンジの「26」のマシン。2017年当時、バイク世界選手権「MotoGP」にレプソルホンダから参戦していたペドロサでした。
それまで見たことも、想像したこともないスピードでコーナーを駆け抜けていく姿を見てからというもの、「自分もそんな風にサーキットを走ってみたい」と、日々憧れを募らせるようになったのです。
私を変えたバイク尽くしの日々
クルマの免許を所持していたこともあって、始めに手にしたバイクは、父親が所持していた「Honda Solo」でした。HONDAが2003年から2007年まで4年間生産されていた、少しマニアックな50ccのバイク。各種パーツのカラーオーダーが可能だったこともあって、個性的でお洒落な雰囲気がお気に入りでした。
それから1年後には、普通二輪免許をGet。サーキットへの憧れもあって、速攻で契約しに行ったバイクは、カワサキのスーパースポーツNinja250でした。しかも、「30th Anniversary」が札幌市内のバイク屋で在庫しているのを、インターネットの検索で見つけて。「これしかない!」と、すぐに契約に向かっていましたね(笑)。 初めて乗る、正真正銘、自分名義のバイク。
「50ccとはまったく別物の加速感と重量感、スタイリング!」と、大興奮していたことを今でも鮮明に思い出せます。Ninja250を手に入れてからというもの、インドア派だった自分はどこへやら。毎晩友人と走り回り、休日はロングツーリングへと、バイク尽くしの毎日。交友関係も広がり、私の人生そのものが大きく変化した時期でした。
憧れの場所へたどり着くまでのステップアップ
元々レースが好きだったからか、私のまわりにはレース好きやスーパースポーツ乗りが多く、600ccや1000ccの大型スーパースポーツたちのエキゾーストノートや、性能追求からくる造形美を、目や耳で体感することができました。そのためか、ステップアップへの気持ちもどんどん大きくなっていって。
Ninja250に2年間乗り、自分でも「運転に慣れてきたな」と思えたところで、「サーキットを走ってみたい」という最初の思いを叶えることにしたのです。そんな時に、ふと立ち寄ったバイク屋で真っ赤なトライアンフDaytona675に一目惚れ。やっぱりすぐに契約していました(笑)。
Daytona675は、鋭い目つきに3気筒ならではのスリムなボディ、そしてセンターアップマフラーにレーサー直系のスパルタンなテール形状。まさに私が思い描く、レーシングバイクそのものでした。
初めてサーキットに連れて行ってくれたのも、このバイク。公道とは違った開放感のある広々としたコースを目にして、「やっと、憧れのスタートラインに立てた」と感動しきりでした。
本格的にサーキットが楽しめるようになった
その後、リッタークラスにも慣れてみたいと手にしたのが、現在の愛車であるドゥカティSS1000DSです。でも、初めてサーキットで乗った時の感想は「全然曲がらない、止まらない」と最悪でした。
Daytona675とはまるで違って。正直なところ、乗り換えてすぐはラップタイムが7秒も遅くなってしまいけっこう凹みました…。でも走れば走るほど、SS1000DSは面白く感じられるようになってきて。「どうせならこの大好きなバイクで速く走りたい!」と修行の日々が始まりました。
それからというもの、これまで以上に十勝スピードウェイや札幌スポーツランドへ走りにいくように。多いときには、毎月のように通っています。
加えて、ミニバイクをはじめとしたレース参戦経験のある先輩ライダーたちに、話を聞きに行き、ときには眼の前でライディングの指導をいただいたりと、スキルアップのために、考えうる限り自分でできることをするようになりました。
その甲斐もあってか、自分でも明らかに走りが変わってきたことを最近感じています。「しっかりと荷重移動を意識しつつ、サスペンションの動きを考えながら乗るとメチャメチャ曲がる」といった、これまで頭ではわかっていてもなかなか実践できなかったことが、できるようになってきたのです。また一歩、理想に近づいてきた気がしています(笑)。
加えて、SS1000DSの印象もだいぶ変わってきました。正しい乗り方をするととても素直に走ってくれる、ライダーを成長させる先生のようなバイクだとようやく気づけたのです。
ドゥカティが誇るL型ツインの鼓動、乾式クラッチのメカメカしい形状や音。美しいイタリアンレッドのトレリスフレーム。乗って操る楽しさはもちろんですが、ガレージで鑑賞して楽しむという、これまでのバイクにはなかった楽しみ方も、このバイクに教えてもらった気がしています。このバイクとの付き合いは、まだまだ長くなりそうです。
私が思うバイクの魅力
身体全身で季節を感じる。春は、桜並木の木漏れ日を走る。夏は、海沿いを走り潮の香りと感じる。秋は、紅葉に染まった山森を駆け抜ける。冬は、澄んだ空気を駆け抜ける。
そんな風に、走る場所によって、肌に感じる気温や香り、景色を五感でダイレクトに感じることができる。これはバイクでしか体験できないことだと、私は思います。サーキットで、タイムを突き詰めるも良し。クラシックバイクで、お洒落にツーリングも良し。ライダーそれぞれに十人十色のバイクライフがあるし、それを認め合えるから、仲間意識も芽生えていく気がしています。
最近は仕事の忙しさもあって、あまり仲間たちとも会えていませんでしたが、2025年となった今年こそ、大好きな北海道を、大好きな仲間たちと走り回って、バイクの楽しさを再確認したいなと思っています!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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