積載マシマシバイクトラック/掃き掃除マシンetc…バイク天国ベトナムで見つけた面白すぎるバイクたち[海外バイク旅]

  • [CREATOR POST]Matt RiderJapan

電動バイクも日本より多く走っているぞ!

実はベトナム国内では電動バイクも数多く走っています。バイクの母体数が多いので当たり前と言えば当たり前ですが、日本よりもはるかに見かけます。特に多いのが水色の車体が映える某イタリアメーカーのようなデザインのスクーター。こちらはベトナムの大手EVメーカー「Vinfast(ビンファスト)」の電動スクーターです。

Vinfastはクルマとバイク両方を製造しているメーカーでベトナム国内の最大財閥である「Vinグループ」傘下のメーカーでもあります。そのVinグループが運営するバイクタクシーの車両です。僕はバイクタクシーではGrabを利用していましたが、この電動バイクタクシーを利用する現地の方も多く見かけました。

Vinグループのバイクタクシーと待機中のドライバー。この水色のバイクは全てEVスクーターです。

また繁華街で働く現地の人が、ちょっとした移動の際に電動小型スクーター系のバイクを使っていたり、若い現地の女性が可愛いデザインの電動小型バイクでお店に出勤しているのを見かけました。またヤマハの現地ディーラーでもメインの展示スペースには電動バイクが展示してあったりするなど、世界的なEVムーブメントはベトナム国内にいても感じる事ができました。

欧州で発表されたヤマハ NEO’S(ネオス)は製造がヤマハのベトナム法人という事もありヤマハのディーラー店内の一番目立つ所に展示してありました。

中型以上のバイクが少ない!? その理由は…!?

ベトナムでは100cc〜150ccぐらいのアンダーボーンバイクやスクーターといったバイクが圧倒的に多く走っていて、日本国内で言われる中型〜大型のMT車(ミッション)を見かける事はあまりありません。経済的な理由が主かなと思いましたが、実際に自らバイクに乗って公道を走った事で「別の理由もあるのでは?」と思うようになりました。それは中型以上のMT車では「圧倒的に日常の使い勝手が悪い」からという理由です。

都心部ではカオスな道路事情と交通量の多さで左右からくるバイクやクルマに即座に対応し、その間をスリ抜けていかなくてはいけません。小排気量の軽いAT車両を選択すると、より目の前の状況に集中できます。この状況中、大型バイクでスリ抜けて行くのはちょっと難易度が高いですよね。

買い物先や飲食店では店先の限られたスペースに所狭しとバイクが並べられています。基本的にはバイク駐輪用の係員が、どの店にも常駐していて車体をチェックしてくれているのですが、店内に入っている間に勝手に移動・整理されます。中型以上のモデルでこれをやられると「ちょっと嫌だな」と感じますよね。

都心部では上の写真のようにカオスかつ交通量が多い中、運転に集中しなくてはいけません。この大渋滞の中を大型バイクなどで抜けないといけないと…と想像すると、東京の通勤ラッシュにハマっている以上に「厳しいな」という感想を持ちました。

軽くて小回りが利き、さらにミッション操作がないモデルを運転すると目の前のカオスな交通状況に全集中できるので、こういった点において小排気量の運転しやすいモデルが重宝されるのだなと再認識しました。

また店先の駐輪場では所狭しとバイクがぎゅうぎゅうに押し込まれて駐輪させられます。基本的に係員が後からバイクを動かして整理する所が多いので、中型以上のモデルを駐輪するのは少し厳しいかなという印象を持ちました。場所を取るので、駐輪場の係員によっては駐車を断られるかもしれませんね。

大きい幹線道路では片側4車線もありますが、基本的にはバイク走行車線は一番右側で制限速度は50km/hです。

左側の車線にはバイク進入禁止の標識が。クルマ専用車線は制限速度が80km/hとバイクとクルマで制限速度が違っています。

制限速度がバイクとクルマで違っているのも理由のひとつかもしれません。バイクの制限速度は基本的には50km/hです。50km/hだと中型以上のバイクを気持ちよく走らせるには、もちろんモデルにもよりますが少し速度が足りないかなという印象です。

こういったバイクの制限速度などの観点からも中型以上のモデルが少ない理由のひとつかもしれませんね。クルマの話になってしまいますが、日本国内で大きいアメリカ車がイマイチ売れず軽自動車がヒットしている理由と同じく、ベトナム国内では中型以上のモデルは「使い勝手が悪い」のであまり流行らないのではないか…という個人的な結論に行き着きました(あくまでこれは僕個人の考察です)。

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