廃油漬け以上の効果あり!?
[DIY整備の裏技]カチカチ硬化ゴムの柔軟性を復活させるオイル×灯油ヒミツのレシピ

オイルに浸け込んで「古くなって硬化してしまったゴム部品」の柔軟性を取り戻せるテクニックの続編です。今回は灯油との混合で試してみました。うまくいけばめっちゃ有用なゴム部品のレストア。予想を上回る結果なのでこれからも試行錯誤は続きますよ~!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
硬化したゴムを復活させる計画に更なるアドバイスが!
以前「古くてカチカチに硬化してしまったゴム部品も、一か月廃油につけ込めば柔らかくなる」という内容の記事を皆様にシェアしたところ、後日こんなメッセージをいただきました
キャブ周りのゴム、灯油にオイル混ぜた初期温度45℃位に数日漬け込んで、中々良い具合に復活しました。サラサラ灯油でOIL成分が浸透するみたいです。定期的にクレのラバープロテスタントを湿布して、2年後も弾力保ってます。参考までに~。
ナヌ! 灯油と混合とな??
「サラサラ灯油でOIL成分が浸透するみたい」という一文にめちゃくちゃ惹かれますが、肝心の灯油とオイルの混合比は伏せているあたり、試行錯誤の楽しみを残してくれるこの気遣い(笑)、なんという心遣い! 痛み入ります~!
やってみない手はないでしょう~ってことでトライしてみた
今回のターゲットゴム部品はこちら。
キャブレターのインシュレーターです。
これもカチカチになると非常に困るアイテムの代表格。前回はジョイントチューブで全体がゴムなだけに多少硬化しても大丈夫だったのですが、今回のインシュレーターはベースの金属と繋がっているので、ちょっとした硬化でも著しく整備性が悪化します。
ていうか、気温が低いとキャブレターが取り付けられないのですよ~・・・。
ちなみに初期状態はこんな感じ。かなり思いっきり指で押さえても、これぐらいしか潰れない硬さです。夏場だったらもうちょっと柔らかいのですが、冬になるともうダメですね~。
オイルと灯油を混合してみる。3:1でレッツトライ
灯油とオイルを用意しました。廃油を使えればアドバイス通りでベストだったのですが、溜まっていた廃油をちょうどリサイクルに回してしまった後だったので、今回は新品のエンジンオイル(10W-30)と灯油を、約3対1の割合で混合してみることにします
灯油を先に入れて、そこにオイルを注いでかき混ぜます。
ぐるぐる掻き混ぜると均一に混ざりました
加熱は超音波洗浄機の加温機能で
最初の加温をどうやってやろうかと思ったのですが、手持ちの超音波洗浄機に加熱機能があったので、これを使って約55度に加熱します。
中にインシュレーターを入れて…
オイルと灯油の混合油を入れて、
加熱した状態で一晩置いておいて、その後3日間常温で放置してみました。
そしてその結果は・・・
取り出してみますよっと。
お、
おおっ・・・!!
明らかに柔らかくなってる!! お世辞にもぐにゃぐにゃとは言えませんが、でも間違いなく最初の状態とは全然別物。写真を重ねてみたらその違いが一目瞭然です。
左:初期状態 右:浸け込んだあと
ちなみにこの日は冬の朝。気温7°cだったのでゴムが固くなってしまうところですが、新品には及ばないまでもキャブレターをちゃんと取り付けることができました。
たった3日でここまで変化があるとは思わなかったのでこれは驚き。面白い実験結果ですね~!!
最後になりましたが、情報提供ありがとうございました。非常に興味深い結果になったのでまたこれからも試行錯誤してみたいと思います。浸け置きする時間、オイルと灯油の混合比率、ついでに言うとオイルが新品か廃油か。まだまだ試す余地はいくらでもあるので、硬化してしまったゴム部品を見つけたらまたトライしてみたいですね~。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
フレーム/スタンドの別体構造と自在キャスター装備で自由に移動できる 向山鉄工のオリジナル製品である「ガレージREVO」は、バイクスタンドに自在キャスターを取り付けることで、スタンドアップしたバイクを前[…]
やっぱり「素手」が好き! いきなりですが、筆者はかなりの作業を素手で行っています。ていうか、素手が大好きです。ボルトを回すにしても、工具を持って締め付けるにしても、とにかく手先にダイレクトに伝わる感覚[…]
オークションで購入したシート、2~3cmの裂けたようなキズが… 筆者が某大手オークションサイトで購入した、純正コブラシート。「これでイメージチェンジするぞ! 」と思っていたのだが、購入前に気になってい[…]
ポータブル電源で作動する充電器が登場! いつでも必要な時に走行できるよう、常に意識しておかなくてはならないのがバッテリーのコンディション。「そんなの面倒」と思うかもしれないが、バッテリーは時間の経過と[…]
システムキャビネットSC198:アストロプロダクツ収納アイテム史上最大サイズ。ガレージの演出にも効果的なシステムタイプ 工具や道具類の収納に便利なツールキャビネットと勝手が良いワークベンチ、さらにロッ[…]
人気記事ランキング(全体)
従来の理念をさらに深化させた「Emotional Black Solid」 今回注目したのは、新たなステップワゴン スパーダ専用に用意された、これまた新たなアクセサリー群です。その開発コンセプトは、従[…]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。 FXに遅れること約1年、1980年6月に発売され[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
レストア/整備/カスタム/販売など絶版車に関するすべての分野でサービスを提供 古いバイクを海外から輸入して販売する場合、車両によって程度の違いはあれ必ず整備が付随する。 元々のコンディション次第ではレ[…]
最新の投稿記事(全体)
B+COM専用キャリングケースをプレゼント! 株式会社サイン・ハウスは、オートバイ用インカム「B+COM SB6XR/ONE」を全国の2輪用品店で購入された方にかぎり、持ち運びに便利なサイン・ハウスの[…]
なぜ大型シートバッグが必要なのか? バイクには様々な種類のバッグを取り付けることができるが、大型シートバッグには、他のバッグにはない魅力がある。 高い積載能力 大型シートバッグは、その名の通り、非常に[…]
Honda E-Clutchに興味津々 バイク漫画『トップウGP』で知られる漫画家の藤島康介さんは、さまざまなバイクを乗り継いできたライダーです。 スポーツバイクを中心にいろいろなバイクを所有していま[…]
フレーム/スタンドの別体構造と自在キャスター装備で自由に移動できる 向山鉄工のオリジナル製品である「ガレージREVO」は、バイクスタンドに自在キャスターを取り付けることで、スタンドアップしたバイクを前[…]
36年の“時間”を感じる仕上がり カウルが紫外線で退色し、くすんだトーンだが、じつは緑青を用いたペイント。擦れて色が剥げ落ちた箇所も塗装だ。車体右側のエンジンケースカバーやサイドカバー、マフラーには転[…]
- 1
- 2