[工賃いらずのバイク修理]レストア時にぽっきり折れた旧車のウィンカーだってDIYで直せる!
![[工賃いらずのバイク修理]レストア時にぽっきり折れた旧車のウィンカーだってDIYで直せる!](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
古いバイクの「純正パーツ」は廃番になっていたりプレミア価格になっていたりと入手困難になりがちなもの。てことで今回は「ぽっきり折れたウィンカー」を直してみます。目指すは「なんちゃって鉄骨構造!」 強引な補修方法ですが意外な仕上りになったので見てやってください♪
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
古いバイクのレストアの鬼門といえば「廃番部品の破損」
古いバイクをレストアしていて困るシーンといえば「もう手に入らない部品が壊れた」というシチュエーション。これが困る、ホントに困る。純正パーツはとっくに廃番になってるし、稀にオークションに出品されていたとしても、とんでもないプレミア価格になっていたりするし。
ヤマハDT50(初期型)のレストアをしているのですが、
外したウィンカーが
不自然に曲がってる?
「ビニールテープ巻かれているし、なんか曲がってるな?」と思ったら・・・
コチコチに劣化したビニールテープは何重にも巻かれていて、前オーナーさんの執念ともいえる鬼の巻きっぷりのその下に隠されていた事実は・・・
ぎゃーす!!!
ぽっきり折れてました~!!
もともとDT50のウインカーは長めに飛び出ているので、多少の柔軟性はあるものの砂利道などで90度フルバンク(転倒)をかましちゃうとほぼ間違いなく折れちゃう仕様。このDTもおそらく林道かなんかで転倒しちゃったのでしょう。
それにしても見事な折れっぷりですな。勢いよくいったのか、躊躇なく真っ二つ。それにしてもビニールテープだけであそこまで補強していた前オーナーもすごいですが。
見た目よりも「使える」ことを優先して直してみたい
てことで、このウィンカーを直します。
筆者は幼少期から壊れたものを捨てられないタチでしてね。なんかこう「可哀そう」と思ってしまうんですよね~。今回もこの折れたウインカーそのものを何とか使える状態に直してやりたいのですよ。
本当ならここまでの破損の場合はお金を積んででも純正部品を探すか、より高度な方法を持ってして部品のリメイクをするべきなのでしょうが、そんなお金のかかる方法はやりません。
多少見た目が悪くなろうが、ゴツくなろうが、とにもかくにも「使える」状態を目指すのです!
まずは分解、そして復活への道を探る。
とはいえ、ぽっきり折れた状態のウインカーを直したことはないので、直し方を考えつつ、まずは部品単体になるまで分解してきます。
そして完全に分解したウインカーがこちら。
思ってたより細かく分解することできました
これが折れた部品。中空ネジが中まで通ってるのかと思いきや金属部分は両端だけで、あとは硬質ゴムでできている構造でした。なるほど、ここで柔軟性を持たせた構造になっているようですが、ある一定以上の衝撃には耐えられずに折れてしまうようですね。
で、ここからが本題。これをどうやって直すか?ですよね~・・・
さあ、直してみよう!
繊細かつ大胆に! というとちょっとカッコつけですが、思いついた方法で一気に直してみましょう。
まず用意したのが部品よりも長い全ネジボルト。
そして、靴の修理に使う「黒ゴム接着剤」。これは、接着した後もゴムとしての柔軟性を保ってくれる接着剤でゴム部品の補修などに使える逸品。バイクのレストアに役立つので買っておいて損はないです。
そんなわけで、まず折れた部品にゴム接着剤を塗布しまして、中に全ネジを通して両端からナットで押さえつけます。
かなりの力で押さえつけることができるので、ぶっちゃけこれだけでもまっすぐな状態での接着補修が可能となります。普通に走る分にはこれだけでも十分かもしれませんが、やっぱり決定的に強度不足なのでちょっとぶつけただけでまた折れそうなのですよ。
そんなわけで、これも使ってみよう(ここらへんから強引になってきますよ?)
「木ネジ」!!
もうお分かりかもしれませんが、この木ネジを部品の中に通してなんちゃって鉄骨構造にしてしまおうという暴力的な作戦です。
いくぜ!「なんちゃって鉄骨構造」
部品をバイクで固定して。
電気ドリルを用意しまして。表面に突き出さないように、角度に気をつけながら下穴を開けます。
今回は2箇所穴を開けましたが、3箇所開けた方がもっと強度は出たかもしれませんね~。
そしてすかさずその下穴に「木ネジ」をねじ込んでいきます。かなり強引ですが、意外と目立たないので愉快、愉快♪
はい、木ネジ補強が入った「なんちゃって鉄骨構造」出来上がりました~!!
ちょっと失敗点
作業終わった後に気づいたのですが、下穴を開けた段階で木ネジの頭が沈み込むスペースの凹み(ザグリ)を入れておくべきだったとちょっと後悔。というのもウインカーを取り付けた時に位置決めのポッチがあるのですが、目的の頭が邪魔してうまく位置決めができない場合があります。
いや~、失敗しっぱい。だけどこれはこれで次回の教訓になりました。
復活したウインカー! どれが補修品かわかりますか?(笑)
さぁさお立合い。4つ並べたウインカーのうち、どれが補修したウインカーか分かりますでしょうか?
とか言ってみたものの近くで見たらすぐ分かりますよね(笑)
だけどウインカーそのものが太くなったり何かを巻いているわけではないので、ちょっと接着剤を塗った程度にしか外観が変わってないのがミソ。ましてや鉄筋が入ってるとは思わないでしょう(多分)!
今回は行き当たりばったりの補修となりましたが、筆者が考えていた以上のクオリティになって大満足な結果になりました。
ちなみに、内部に挿入されている木ネジが強度を保持しているので、もし再び曲がったり降りたりしたとしても、曲がった木ネジを抜くことさえできれば、再び復活させることが可能ということですね。
何事もやってみなければわからないもの今回は筆者にとっても大きな学びとなりました。
いや~、やっぱり「修理」って楽しいですね。この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
動画解説はこちら↓
(↓)YouTube動画のほうでは映像付きで解説しているのでよかったら参考にしてください♪
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
エンジンオイルにとって過酷な時期 オイル交換のタイミングって、地味に悩みますよね。「走行距離3000km~5000kmで交換が目安」とか「半年ごとに交換を!」なんて、よく聞くけれど、あくまでそれは“目[…]
メッキのプロが開発したクロームメッキ専用品!! 鉄素材のさまざまな表面処理の中で光沢や質感、高級感のいずれにおいても秀でているのがクロームメッキだ。しかしながら近年では、メッキ工程で使用される六価クロ[…]
スマートフォン連携でバッテリー管理が劇的に進化! 名古屋市に本社を置く株式会社SECONDが、LEADMAX-JAPANとの販売代理店契約を締結。2025年7月1日より、日本初上陸となるモーターサイク[…]
収納しやすく持ち運びやすいカード型くもり止めスプレー これからの時期、急に雨に降られて走行する際にシールドが曇りやすくなる。雨の中でシールドが曇ると余計に視界がなくなり、安全運転を阻害する要因となりか[…]
論より証拠! 試して実感、その効果!! 1947年カリフォルニア州ロングビーチで創業し、これまでにカーシャンプーやワックスをはじめ、さまざまなカー用品を手がけてきた「シュアラスター」。幅広いラインアッ[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
いい加減さがいい塩梅!? ダートで遊べるPG‐1 「個人車両なので頼むから無理はしてくれるな…」という編集担当の目を盗んでダートセクションにPG -1を連れ込んでみたら、これが何だか楽しくて仕方ない([…]
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
後方排気はYZR500の後ろバンク、ただ一般公道で前方吸気は容易くなかった! ヤマハは1980年、レーサーレプリカ時代の幕開けRZ250をリリース。排気ガス規制で2ストロークは終焉を迎える寸前だったの[…]
国内のカウル認可後に生まれた、1980年代半ばのネイキッドたち オンロードモデルの中で、定着して久しいネイキッド(英語のNAKED=裸という意味)というカテゴリー名。今では「カウルの付かないスタンダー[…]
スズキGSX-R250:過激さ控えめ“アールニーゴー” 1983年のGS250FWでクラス初の水冷DOHC4気筒を開発したスズキ。 しかし、4バルブエンジンの投入は遅れを取り、1987年のGSX-R2[…]
人気記事ランキング(全体)
森脇護氏が考案した画期的なアルミフィン構造 画期的なアイデアマンとしても有名なモリワキエンジニアリングの創始者・森脇護氏。そんな氏が数多く考案した製品群の中でも代表作のひとつに挙げられるのが、1980[…]
MotoGP黎明期のレプリカマフラーだ このマフラーは4スト990ccが導入されて、世界GPがMotoGPに代わった翌年の2003年に、ホンダRC211VエンジンのモリワキMotoGPレーサー・MD2[…]
勝手に妄想、クーリーレプリカ! スズキの『8』プラットフォームに新顔の「GSX-8T」と「GSX-8TT」が登場した。まずは欧州や北米で発売され、順次日本にも導入の見込みだ。 この新型については以前ヤ[…]
1位:ワークマン「ペルチェベストPRO2」使用レビュー ワークマンの「ペルチェベストPRO2」を猛暑日で徹底検証。最新モデルはペルチェデバイスの数が昨年モデルの3個から合計5個に増加し、バッテリーもコ[…]
美しい孔雀の羽根の色味が変わる特殊ペイントで仕上げた新グラフィック 『エクシード-2』は、カブトがラインナップするオープンフェイスの上級モデルで、赤外線(IR)と紫外線(UV)を大幅にカットしつつ、空[…]
最新の投稿記事(全体)
いい加減さがいい塩梅!? ダートで遊べるPG‐1 「個人車両なので頼むから無理はしてくれるな…」という編集担当の目を盗んでダートセクションにPG -1を連れ込んでみたら、これが何だか楽しくて仕方ない([…]
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
エンジンオイルにとって過酷な時期 オイル交換のタイミングって、地味に悩みますよね。「走行距離3000km~5000kmで交換が目安」とか「半年ごとに交換を!」なんて、よく聞くけれど、あくまでそれは“目[…]
後方排気はYZR500の後ろバンク、ただ一般公道で前方吸気は容易くなかった! ヤマハは1980年、レーサーレプリカ時代の幕開けRZ250をリリース。排気ガス規制で2ストロークは終焉を迎える寸前だったの[…]
ケーヒン/ショーワ/ニッシン/日立を統合した“日立Astemo(アステモ)”が4月より“Astemo”へ 自動車業界で「100年に一度」と言われる変革期を迎えるなか、キャブレターや電子制御スロットル、[…]
- 1
- 2