緊急車両が来たらどうする!? 一般道路と高速道路の違いにも要注意!
道路を走行中、救急車や消防車などの緊急車両に遭遇することがあります。後方から緊急車両が迫ってきたらどのように道を譲るのが良いのでしょうか?
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
一般道路での緊急車両への道の譲り方、覚えてますか?
道路を走行していると、救急車や消防車といった緊急車両に遭遇することがあります。そうした緊急車両がサイレンを鳴らしながら走行している場合は急を要する業務のための緊急走行中で、一般車両は進路を譲らなくてはいけません。
緊急走行中の緊急車両には“優先通行権”があり、例えば、赤信号でも交差点に侵入できたり、中央線をはみ出て走行できたりと、スムーズに現場まで向かえるようなルールが定められています。また、一般道路では80km/hまで速度を出すことも可能です。
道路交通法第40条には“緊急自動車の優先”が定められており、バイクやクルマのドライバーには次のような行動が義務づけられています。
「交差点またはその付近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両は交差点を避け、かつ道路の左側に寄って一時停止しなければならない」
こうした行動は、ライダーの多くが当然のごとく意識していることだとは思いますが、マナーの問題ではなく義務なので、確実に行う必要があります。
その一方で、これは“交差点またはその付近”に限ったルールであり、それ以外の一般道路では、道路の左側に寄って走行することのみが定められています。
無理な車線変更や一時停止によって、ほかの交通と事故を起こしてしまっては元も子もないので、緊急車両が迫ってきても焦らず、しっかりと周囲の安全確認を行ったうえで、左側に寄るようにしましょう。
また、バイクはクルマに比べて車体が小さく、クルマの死角に入ってしまいがちなので、緊急車両を避けようとして焦って動いたクルマと接触してしまう可能性もゼロではありません。この場合、バイクのライダーに落ち度はないのですが、トラブルを避けるためにも、周囲のクルマの動きにいま一度注意を払うのが良いでしょう。
高速道路では無理に譲らず、安全な走行を
一方で、高速道路では一般道路と道の譲り方が異なります。
先で述べたように、緊急走行中の緊急車両には優先通行権があり、一般道路では一般車両に比べて速い速度で走行することが可能です。ただ、高速道路では、緊急走行中の最高速度が100km/hまでとなっており、一般車両と基本的に速度域が変わりません。
そのため、一般車両をどんどん追い抜いて走行、というわけにもいかないのが実情です。
しかし、高速道路では、一般車両には50km/hの下限速度が定められていたり、急ブレーキの使用や本線上での停車自体が禁止されていたり、一般道路とは違う制約があるため、緊急車両が迫ってきたからといって、一時停止などをすることはできません。
また、速度域も高いため、むやみな車線変更や減速は周囲の交通との事故につながるリスクがあります。
高速道路では、追越車線走行中は走行車線に戻り、加減速などは行わず、そのままの速度や車線をキープして緊急車両の導線を確保することがもっともベストと言えます。
緊急車両って結構いろんな種類があります!
そんな緊急車両には、救急車や消防車に加えて、実はかなりの種類があります。
緊急車両には大きく分けて、“公共の緊急車両”と“民間の緊急車両”のふたつがあり、例えば、わかりやすいところで言えばパトカーも緊急車両のひとつで、公共の緊急車両に当たります。
公共の緊急車両には、自衛隊の警務車両や化学防護車両、皇宮の警察車両、高速道路のパトロール車両(かつての道路公団車両)などに加え、各自治体の救援活動車両などが挙げられます。
また、民間の緊急車両には、電力会社/ガス会社/水道会社の緊急作業車両、レッカー車両などに加え、ドクターカー/輸血や臓器の搬送車両といった医療関連の車両が挙げられます。
緊急車両と言えば、救急車や消防車、パトカーをイメージする人が多いかもしれませんが、このようにさまざまな車両が活用されているので、実際に遭遇したときのために把握しておくのが良いでしょう。
ちなみに、これらの緊急車両の優先通行権が効力を持つのは、緊急走行時のみとなっており、緊急走行時以外の緊急車両には進路を譲る必要はありません。緊急車両がサイレンを鳴らしている+回転灯(パトランプ)が光らせているときは、先に述べた方法で速やかに進路を譲りましょう。
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