レジェンドライダーが製作 56デザイン ライディングジャケット パンツ4選 2022秋冬
●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行
モトGPなどのレースが好きだという方も多いと思います。
筆者はレースは興味がないのですが、それでも「中野真矢」と聞けば有名なレーサーという事を知っています。
そんな日本人レーサーとしてはレジェンド級の知名度を誇る中野真矢さんが、モータサイクルファッションブランドをプロデュースしている事をご存じでしょうか?
2008年千葉県に56デザインをオープン。ライフウィズモーターサイクルをコンセプトに、街にフィットするカジュアルライディングウェアを開発しています。
今回は2022秋冬の新作中から4着のライディングウェアをご紹介します。
エクストラウォームフーディ
- 価格:4万9500円
- カラー:ブラック・レッド・ネイビー・イエロー
- サイズ:S・M・L・XL
エクワックス(ECWCS)をご存じでしょうか?米軍が極寒地用に開発したコーディネートシステムで、防寒レベル1~7まで一着ずつ設定され、任務に合わせて組み合わせるというシステムです。
その中でもレベル7は中綿入りジャケットで、重ね着できるようにゆとりのあるシルエットなので「マシュマロスーツ」とも言われています。
エクストラウォームフーディはレベル7のマシュマロスーツをモチーフにしつつも、バイクで使いやすいようにシルエットや素材を調整しています。
まず表地に関しては強度や耐久性に優れたコーデュラを採用。引き裂き強度に優れているため、万が一転倒してしまった際にアスファルトとの摩擦で怪我しにくいように配慮されています。
更に生地表面には撥水加工が施され多少の雨では濡れません。
ポケットやメインファスナーには止水タイプを採用。タンクを傷つけないようにメインファスナー下部にはタンクガードがついていますが、基本的にはファスナーはむき出し。
止水ファスナーは水や風を通しにくい特徴がありますが、更にファスナー裏には立てが一枚装備されているので雨風対策はバッチリ。
表と裏地の間には防風フィルムを挟みつつ、軽量で暖かいシンサレート中綿を採用しているので保温性に優れています。
プロテクターは肩、肘、背中にソフトパッドを標準装備し、胸部プロテクターも追加可能。
オリジナルのマシュマロスーツ同様に大きめのフードがついていてカジュアルな印象を強めていますが、ファスナーで取り外しが可能。またフードがついている状態でもバタつきを緩和するためにフードの真ん中を襟に固定できるようにもなっています。
着丈は前傾姿勢を取った際に邪魔にならないようにミドルにするなど、オリジナルのマシュマロスーツに比べると、かなりスマートな印象です。
ポケットは腰二か所と内ポケットが一か所。全て止水ファスナーが装備されていて容量も多めなので使い勝手は良好です。
最後にサイズ感ですが、オリジナルのマシュマロスーツと比べてボリュームは抑えられていますが、普段通りのサイズ着用で厚手のフリースやトレーナーも着用できる余裕がありました。
ウインターサファリジャケット
- 価格4万9500円
- カラー:ブラック・ネイビー・ダークブラウン・チャコールグレイ
- サイズ:WM・S・M・L・XL
エクストラウォームフーディがカジュアルなのに対して、ウインターサファリジャケットはややフォーマルに寄せています。
表地、中綿の素材、防風フィルムが入っている点や、肩肘背中のソフトパッド、標準で胸部プロテクターを追加できるなど機能面は共通です。
サファリジャケットは名前の通り、アフリカのサファリに出掛ける目的に考案されたもので、折り襟の開襟仕立て、素材はコットンを採用していることが多いですが、素材やデザインはバイク用に調整されています。
またベルトや肩章も省かれていますが、ジャケット内を見てみると腰部分にはゴムストラップが採用されていて、引っ張ることでシルエットの調整ができます。
カラーは4色展開されていますが、左胸の黄色いポケットは共通となっていて、遊び心を感じますが、リフレクター等がついていないので視認性も高くなりそうです。
袖の縫い付けはエクストラウォームフーディが肩や腕が動かしやすいラグランスリーブなのに対して、ウインターサファリジャケットは一般的なセットインスリーブですが、背中にアクションプリーツが設けられており動かしにくいことはありません。
ポケットは外側には四か所。どれもボタン付きフラップが採用されているので飛び出す心配もありません。
腰回りのポケットは横からポケットの裏側に手を入れることが可能で、裏起毛になっているのでハンドウォーマーとしても使うこともできます。フラップを開けると入り口にはゴムがついていて容量が多いのもポイント。
またエクストラウォームフーディと同じ位置に内ポケットがついていますが、更に上部にマジックテープで開閉可能な小さなポケットが追加されています。
着丈はこちらもミドル丈ですが、裾裏に縦に開閉するファスナーが二か所設けられていて、シートに座った際に邪魔に感じる際やサイズの調整などに使うことができます。
細かい点でいうと、ボタンは全て56オリジナルが使われており、首周りにはストレッチニットなど質感の高さを感じさせるジャケットです。
今回エクストラウォームフーディはS、ウインターサファリジャケットはMサイズをお借りしましたが、サイズ的には同じぐらいに感じました。
ウインターサファリの方が少しタイトな印象です。冬場に厚手のセーターやトレーナーを着用するなら1サイズアップで選んだ方が良いでしょう。
カラースリーブジャケット
- 価格:5万2800円
- カラー:ブラック/ホワイト・ブラック/レッド・ブラック/グレイ・ネイビー/グレイ
- ネイビー/レッド・ネイビー/キャメル
- サイズ:WM・M・L・LL
2020年の秋冬モデルからコンスタントにリリースされている56デザイン×クシタニのコラボモデルがこちら。
近年のクシタニ秋冬モデル主力となっている、中綿入りインナーと防水透湿性に優れたアウターがセットになった製品です。
特徴としてはとにかくインナーの中綿量が多く、中綿の種類も保温性に優れたシンサレートが採用されている点です。
これを着て風を通さないアウターを重ね着すればインナーはTシャツでも大丈夫なくらい暖かいですが、中綿量が多く嵩張るので一般的な3シーズンジャケットを重ねるならオーバーサイズでなければ難しいでしょう。
インナーとアウターは袖口と首元にフラップで固定することもできますが、インナー単体でも使いやすいので固定しない方がお勧め。
インナーにも腰左右にファスナー付きポケットが装備されているので、アウターを脱いで行動する際にも便利です。
アウターの生地は軽くしなやかでストレッチしますが、肩回りにはシャーリングが配されておりライディングを邪魔しません。またインナーに関しても肩回りはストレッチ素材でした。
裏地はメッシュが採用されており、二の腕、脇、背中の合計5か所にベンチレーションが採用されているので蒸れ対策はバッチリ。二の腕ベンチレーションを開けて走れば走行風もしっかり取り込むことができます。
表生地はTPUラミネート処理されていて、防水透湿性がありますが性能としては初期耐水圧10,000mm,透湿性5,000g/㎡/24h)といったところ。簡単には浸水しませんが、気になったのは前ファスナーと裏側に貼られた立てです。
ファスナーは一般的なものが採用されているため、おそらく雨天時には浸水します。後ろ側の立てがありますが淵に折り返しがないので、大雨が降ると体が濡れてしまうと思われます。
フードは取り外しできませんが、フラップで背中に固定できます。
ポケットは両腰と左胸に一か所。全て容量的には多めなので使い勝手はバッチリ。濡らしたくないものがある場合には内ポケットが一か所あります。
クシタニの製品に関してはプロテクターが別売りの製品が多いですが、こちらは肩肘にCE LV2プロテクター、背中にはソフトベンチレーションパッドが標準で、胸部プロテクターは別売りですが装着可能です。
なおカラースリーブジャケットと同時にスラッシュジャケットという製品もリリースされていますが、配色やワッペンの位置など細かい違いはありますが同型となります。
クシタニのサイズはMでSサイズ相当という印象がありますが、こちらのジャケットも同様です。着こむなら中綿入りインナーの下になると思いますが、薄手のトレーナーぐらいなら着れそうですが、厚手のk重ね着しようとするときついかもしれません。
インナーの保温性が高いのであまり重ね着する必要もないように思いますが、重ね着する前提なら2サイズアップで選んだ方が良いでしょう。
エドウィンコラボ 3Dフィット ワイルドファイヤーデニムコーデュラ
- 価格:1万8150円
- カラー:ワンウォッシュ・ダメージウォシュド
- サイズ:XXS・XS・S・M・L・XL・3L
老舗のデニムメーカーエドウィンと56デザインのコラボジーンズがこちら。エドウィン冬の定番デニムワイルドファイヤーに56デザインのエッセンスが追加されています。
表地には強度に優れたコーデュラを採用していますが、ストレッチ生地が混紡されており、動きやすさを追加。更にバイク専用の立体裁断パターンが採用されています。
裏地には暖かく肌触りの良い起毛が採用されていますが、更に表と裏地の間に防風フィルムが挟み込まれており風を通しません。
ニープロテクターが装着できるポケットが装備されていてミシン糸を切ることで位置調整もできるのですが、プロテクターポケットをつけるために追加された生地のステッチが肌に当たって多少ごわつくのが気になりました。
冬場はタイツを履くので気にならないと思いますが、ちょっと寒くなってきた時期などに直履きすると気になる人もいるかもしれません。
ディテール面はかなり拘って作られています。通常コインポケットは右側にありますが、車体を傷つけないように左側に移され、頭無しリベットが採用されています。
見た目に関しては右腰とポケットには56デザインオリジナルのレザーワッペンが貼られ、ステッチの色は場所によって4色も使われています。
また筆者のように低身長だとロールアップするか裾上げしないと履けませんが、ロールアップした際に見えるオレンジのステッチもポイントです。
普段デニムは28インチ、パンツはSサイズを使っていますが、こちらの製品もSサイズでピッタリ。太もも太めですが、ストレートなのできついと感じることもありませんでした。
街に溶け込むデザインが嬉しい
以前56デザインのデザイナーと話をした際に「バイク用のウェアは決して安くはないから普段から使えるような製品を作りたい」と言っていたのが印象的でした。
今回紹介したものは、まさにその思想を体現したような製品だと感じました。
街に溶け込むデザインのライディングウェアをお探しなら、56デザインをチェックしてみてください。
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