
ASAを搭載するR1300系モデルの5機種をテスト。エンジンスペックは一緒だが、シフトタイミングなどは機種ごと、走行モードごとに違うぞ!
●試乗・文: 谷田貝洋暁 ●写真: 長谷川 徹 ●BRAND POST提供:BMW Motorrad
BMWのATはスポーツできる!
オートシフターの延長技術として長年ASAに取り組んできたBMW
近年、国内外のバイクメーカー各社から次々登場しているのが、ギヤ付きのMTエンジンをオートマチック(以下:AT)化したモデル。スクーターなどの多く見られるCVT系のオートマチックモデルは昔からあるが、ギヤ付きの二輪用MTエンジンをAT化したモデルとなると意外に歴史は浅い。
2006年にヤマハがクラッチ操作を自動化するYCC-Sを高速ツアラーFJR1300ASに搭載し、その後ホンダが2組のクラッチユニットを使うデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)をVFR1200Fで実用化。クラッチレバーはもちろん、シフトペダルの操作も必要ない完全なATモデルというとこの2010年モデルのVFR1200F DCTがそのパイオニアであり、MTエンジンのAT化モデルというとホンダのDCT一強の時代が長らく続いた。
BMWのラインナップでASA 機構を搭載できるのは、今のところR1300 系のエンジンを搭載するモデル。ヤマハのY-AMTと考え方はよく似ているが、“ クラッチ・アクチュエーター” と“ シフト・アクチュエーター” をクランクケースに内蔵するのがBMW・ASA の特徴。
そんな流れが変わったのが、DCTの登場から15 年近くを経た2024 年。ヤマハはMT-09 系のモデルにY-AMT を搭載。BMWもお家芸であるボクサーエンジンモデルのR 1300 GS アドベンチャーにASAを搭載。これにKTM(国内未導入)やカワサキ(開発中)が続くという状況になっている。なぜ近年になっていきなり各社からAT化モデルが登場するに至ったか? それにはやはり電子制御スロットル技術の練成が大きい。BMWではクイックシフターの延長線上の技術としてASAを位置付けており、電子制御スロットルによるシフトダウン対応型のクイックシフターの実用化がASA開発での大きなターニングポイントになったとか。
その仕組みは、クラッチ操作とシフト操作を別系統のアクチュエーターで操作してAT化するというもの。仕組みとしてはヤマハのY-AMTが最も近いが、大きな違いはヤマハのY-AMTはAT化のための機構をエンジン外付けしているのに対し、BMWのASAはエンジン内蔵型としているところだ。
各社のMTエンジンAT化技術の違い
運転操作は意外と簡単!? クラッチレバーがなくてもすぐ慣れる!
5機種の比較試乗をして感心したのは、それぞれキャラクターに合わせたASAのシフトタイミングが作り込まれていたこと。
機種それぞれの走行モードでもASAの設定は異なるが大まかなキャラクターで言えば3タイプ。ロードスポーツ色の強いR1300RとRSがほぼ一緒。スポーツ走行に向く軽快なシフトフィーリングで、割と高いエンジン回転数まで使う印象だ。一方、高速ツアラーである
【R1300R ツーリング(ASAモデル)】
クラッチ操作がなくても十分スポーティ!!
■仕様:ASAモデルはACCなどのレーダー装備やセミアクティブタイプの電サスを追加装備。 ●価格:257万1000円~
【R1300RS ツーリング(ASAモデル)】
スポーツも旅もクラッチレス!!
■仕様:ASAモデルはACCなどのレーダー装備や電サスがグレードアップ。 ●価格:280万5000円~
R1300RTは疲れにくさを求めてだろう、低いエンジン回転数でシフトアップしていく。アドベンチャーバイクであるR1300GSと同アドベンチャーは、旅とオフロードという対極の走行状況を想定してのことだろう、ライディングモードによってシフトスケジュールが大きくこと異なっている印象だ。
【R1300RT(ASA モデル)】
ASA搭載モデル中 最強の高速巡航性能
■仕様:ACCなどは標準装備でASAモデルにはASA 機能が追加。 ●価格:381万5000円~
5機種全てに言えることは、乗り出しの瞬間こそ“ クラッチレバーがない” ことに戸惑いを覚えるものの、ものの数分走ればそんなことなど忘れてしまうくらい自然なクラッチ操作をASAが入れてくること。シフトショックがないわけではないが、気にならないレベルに抑え込まれており不快感はない。微妙なクラッチ操作を必要とする微速前進、Uターンでも、慣れてしまえばフロントブレーキもしくはリヤブレーキを軽く引きずりながらスロットルを操作すれば思いのほか自在にコントロールできることにびっくり。むしり余計なクラッチ操作から開放される分、マシンコントロールに集中できるというメリットすら生まれている。
【R1300GSツーリング(ASAモデル)】
アドベンチャー比-34kgの軽快感!
■仕様:ツーリングパッケージのACC、車高調整機能などに加え、ASA モデルにはASA 機能が追加。 ●価格:349万1000円~
【R1300GS ADVENTUREツーリング(ASAモデル)】
ASAモデルでもオフで遊べる!!
■仕様:ツーリングパッケージのACC、車高調整機能などに加え、ASAモデルにはASA機能が追加。 ● 価格:353万3000円~
シフトスケジュールに関しても、ツーリングレベルの走行状況では“ 今、シフトアップしないでっ!! ” なんて大外しすることもない。まぁ、スポーツ走行やオフロード走行などの突き詰めた走行状況では、乗り手による好みが出るのは当たり前。ASAが秀逸なのはATモード時もシフトペダルによるオーバーライドが可能なところ。シフトチェンジを待つくらいだったら、自分のタイミングで操作してしまえばいい。この辺りの使い勝手や操作感はオートシフターを搭載したモデルと何ら変わらないので、長年ギヤ付きに慣れ親しんだライダーであっても違和感なく自然に使いこなせる。
ASA はACC との組み合わせが最強!!
自動変速のASAと高い親和性をみせるのが、前走車を追従するクルーズコントロールシステムであるACC だ。高速道路などでは、ASA をオートにしてACC をセットしたら、あとはバイクが設定速度に合わせて速度調整し、ギヤも自動変速。前走車さえいればETCレーンの通過もバイク任せでOK!
高速道路では車速&車間距離調整のACCと、ギヤ自動変速のASA で快適にクルージング。(R1300RT(ASAモデル))
特に体力を極力温存したいロングディスタンスな旅では、ASAとACCのコンボが最強だと感じる。BMWでは完全停止まで行えるACC に関しても研究はしているそうだが、実用化はまだまだ先になりそうとのこと。
※本記事はBMWが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
















