
趣味と実益を兼ねるのは難しい。かつての筆者は、ツーリングバッグに対してそんな印象を抱いていた。とはいえ、タナックスが2023年から各種ツーリングバッグに「ヘリテイジエディション」を設定したことで、心境はガラリと変化。クラシックバイクとロングランが大好きなライダーにとって、同社の製品は理想的な資質を備えていたのだ。
⚫︎文/写真:中村友彦 ●BRAND POST提供:タナックス
他の積載方法とは異なる、シートバッグの利便性
2輪でツーリングをする際の荷物の積載方法は、①ストレッチコード/ネット、②タンデムシート上部に装着するシートバッグ、③後輪左右に設置するサイドバッグ、④車種専用ステーを用いるトップケース、⑤車種専用ステーを用いるサイド(パニア)ケース、という5種類に大別できる。それらの中から当原稿を書いている筆者、バイク歴38年でツーリング大好きライダー中村の近年の定番は、②のシートバッグだ。
ストレッチコードを用いて荷物を積載。簡便な手法ではあるけれど、ツーリング途中の荷物の出し入れは面倒。
その理由は、①と比較すれば荷物の出し入れが格段にイージーで、③のように車幅が広がらず、車種専用品になる④⑤とは異なり、さまざまなバイクで使い回しが利くから。
トップ/サイドケースはとても便利な装備だが、使い回しが難しいし、車種によってはルックスはイマイチになることも…?
もっとも僕がそう感じる背景には、メディアの仕事で多種多様なバイクでロングランに出かけるうえに、複数の車両を所有しているという事情があるので、理想の積載方法は人によって異なるだろう。とはいえ、シートバッグを抜きにして、現在の僕のツーリングは考えられないのである。
シートバッグの美点は利便性と汎用性の高さ。車両を乗り換えても継続して使用できる。
20年以上にわたってタナックスのシートバッグを愛用
では、そういった意識を持っている僕が、常日頃からどんな製品を愛用しているのかというと、タナックスがMOTOFIZZブランドとして販売していたWデッキシートバッグだ(すでに生産は終了したが、現時点では市場にまだ在庫がある模様)。
筆者が20年ほど前から愛用している、タナックスのWデッキシートバッグ。表面に適度な退色が見られるが、実用面での性能劣化は一切ナシ。
この製品の美点は、固定ベルトを引っ張った際に本体がほとんど変形しないこと(インナーフレームがしっかりしている)、底面に走行中のズレを防止するノンスリップ素材を採用していること(固定ベルトの設置位置が絶妙なこともあって、装着時は抜群の安定感が得られる)、容量拡張機能が有効に使えること、ジッパーが理想的な位置に設置されていること、持ち運びに便利な取手が付いていることなど。改めて文字にしてみると、それって普通じゃないの? と感じる人がいそうだが…。
必ずしもそうではないのである。じつは僕はWデッキシートバッグの美点を認識しながら、もっといい製品があるんじゃないかと考え、これまでに数種類の他社製を購入して試しているのだが、タナックス製を超えるシートバッグに出会ったことは1度もない。具体的な話をするなら、固定ベルトを引っ張ると本体が歪んで容量が減ったり、走行中の安定感がいまひとつだったり、容量拡張の手法やジッパー/取手の位置に疑問を感じたり、という事態に直面することが少なくなかったのだ。
近年の筆者のメインの愛車は、1974年型モトグッツィV850GT。
“我が意を得たり!”と感じたヘリテイジエディション
いずれにしても、僕はタナックスの製品にかなりの好感と信頼を抱いているのだが、同社のツーリングバッグにあえて異論を述べるとすれば、ルックス的に旧車との相性がいまひとつ…なことだろうか。まあでも、それは昔からいろいろな旧車を愛用してきた僕の主観だし、世の中にはタナックスの製品を普通に使っている旧車乗りが数多く存在するのだが、車両とバッグの統一感を意識したい僕は、以前からクラシックテイストのシートバッグを物色していた。
そんな僕にとって“我が意を得たり!”と言いたくなる製品が、タナックスがネオクラシック系モデルをおもな対象として2023年から販売を開始した、各種ツーリングバッグ「ヘリテイジエディション」である。
モトグッツィV850GTにミニフィールドシートバッグ・ヘリテイジエディション(2万2880円)を装着。
各部に導入されたブラウンのPVCレザーが、クラシックテイストに大いに貢献。
さまざまな場所に設置されたジッパーの引き手も、クラシックな雰囲気を意識している。
左右に備わるファスナーを開いて、容量を19→27Lに拡大したところ。
シートバッグのヘリテイジエディションには、バタツキを抑制するノーブローレインカバーが付属。
と言っても、既存のWデッキシートバッグが気に入っていただけに、即座に購入とはいなかったのだけれど、半年前にミニフィールドシートバッグEXのヘリテイジエディションを入手した僕は、同社ならではの良好な使い勝手に改めて感心し(前述したWデッキシートバッグの美点がそのまま当てはまる)、リアルなクラシックバイクとも相性が抜群なことを実感。最近は愛車でツーリングに出かけた際の休憩時に、統一感が取れたルックスを見て、ニンマリする機会が増えているのだった。
タナックスが展開するツーリングバッグのヘリテイジエディションには、容量が異なる4種のシートバッグに加えてサイドトランクケースも存在。
※本記事はタナックスが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。