日本を代表する4組のカスタムビルダーが競い合った「BMW R12 カスタムプロジェクト」珠玉のカスタムバイクがお披露目！

バイクカスタムの楽しさと魅力を訴求

2024年の春、クラシック・クルーザーの「新型 BMW R 12(アールトゥエルブ)」を4組のカスタムビルダーが各々の世界観とその技術力によって独創的なカスタムを行う。世界初のカスタムプロジェクトが始動した!

今回、カスタムを行った4組のカスタムビルダーは、HAMANS CYCLES、MOONEYES、TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLES、Chirihama Sandflats。

新型のBMW R12 nineTとBMW R12はBMW伝統のボクサーエンジンを搭載し、最新の技術が盛り込まれながらもクラシカルなスタイルのロードスター/クルーザー。必要なもの以外が削ぎ落とされたデザインは、まさにカスタムにおける多様性で自由度の高い選択肢を与えてくれている。

今回の「BMW R12 カスタムプロジェクト」ではバイクカスタムの楽しさを訴求するとともに、カスタマイズ性の高さや製品の魅力を幅広いユーザーに認知させることを目的としている。

では、今回、麻布台ヒルズにオープンした「FREUDE by BMW」のアイコンの1つである 「CAFÉ & BAR B」で行われた「BMW R12 カスタムプロジェクト」でお披露目されたカスタムマシンを紹介しよう。

BMW MOTORRAD R 12 “El Viento”  By HAMANS CUSTOM

HAMANS CUSTOMの松本が生み出した“El Viento”。カフェレーサーというテーマを持ちつつも、既存のカフェテイストとはテイストが異なる、モダンで前衛的なスタイルを表現。

デュアルヘッドライトとハンドメイドのライトカウルが印象的で、ハンドルバーを低くマウント。また燃料タンクからシートカウルを連続的な面構成とした。

また、シートレールをワンオフし、エアクリーナーボックスも新造。ボクサーエンジンの存在感をより際立たせた。前後のホイールは、ペイントを剥離にグレーのセラコートを施工。

エキゾーストや、人気のアースカラーのボディとも相まって落ち着いた佇まいを見せつつも、渾身のメタルワークが光る1台だ。

BMW MOTORRAD R 12 “MOON Arrows” By MOONEYES

Yokohama Hod Rod Custom Showの開催をはじめ、日本のカスタムカルチャーを育て上げてきたMOONEYES。今回、たどり着いたR12カスタムのテーマは、MOONEYESのレーシングマシンが湛えていた「スピード感」であった。

そのハイライトのひとつとなるのはムーンディスクだ。前後のホイールはBMW Kシリーズ用にコンバートしつつ、その両側にはMOONEYESのアイコンとなるムーンディスクをセットした。

パラレバースイングアームのリアエンドに合わせてフロントのブレーキシステムは右側のみとすることで、足元を演出。ブレーキシステムやホイールハブとの干渉を避けるべく、車体右側のムーンディスクは絶妙なアールを描く。

さらに、前後サスペンションは極限までロワードし、それに合わせるように燃料タンクとシートカウルもミニマムな構成としている。

またR 12の空油冷ボクサーエンジンの造形を活かしたフェアリングは、MOON Arrowという車名にふさわしいスピード感を曲面で表現している。

BMW MOTORRAD R 12 “Legal Weapon R 12” By TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLES

TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLESが掲げたテーマは「合法的に楽しめるR 12をTRIJYAらしいアプローチで生み出すこと」。各分野の専門スタッフを擁する制作チームは、車体を丹念に3Dスキャンしながら将来的な市販化を見越してパーツ制作に着手した。

燃料タンクはスタンダードをベースにしつつ両サイドを加工。オイルクーラーの両側のカーボン製ウイングレットは3Dプリントで出力し、インテークマニフォールドもタイトな形状で新造。

サイドカバーやシートカウルもモダンな印象をさらに引き立てつつ洗練されたスタイルでまとめた。前後のホイールはR 12のためにワンオフしたものである。

マフラーは、同社が日本代理店を務めるDr. Jekill & Mr. Hyde製。そのほか、YSS製の特注サスペンションやAELLA製のハンドルなど国内のトップコンストラクターとのコラボによるニューパーツも装備。

すべてのパーツをボルトオンで仕上げているのも見所のひとつである。

BMW MOTORRAD R 12 “R 12 Sand Speeder Mark l. ”  By CHIRIHAMA SAND FLATS

石川県の千里浜にてビーチドラッグレースをオーガナイズするChirihama Sand Flatsが制作したR 12。まさに、サンド・ドラッグマシンに求められるファクターを車体各部に落とし込んだレーシングマシンである。

特徴的なフロントフォークはスタンダードよりも2インチほど長く、上下のステムはフォークに合わせて削り出しで制作。さらにフロントブレーキを排除したフロントエンドにはディッシュホイールをセットしている。

リアエンドはリジッド化によって極限まで車高を下げており、燃料タンクやシートについては、燃料ポンプやバッテリーの移設などによりミニマムな構成にしている。それでいながら、砂浜で暴れるマシンを確実に抑え込めるように、ハンドルやシートなどのライディングポジションもタイトにまとめられている。

Chirihama Sand Flatsのマシンは、R12の基本骨格を活かしつつも効果的なモデファイによってR 12が持つ新たな可能性を提案。

まさに、機能的にもスタイル的にも唯一無二のプレゼンスに仕上げられていた1台だ。