BMW4気筒vs2気筒! 2大ロードスター試乗インプレッション【S1000R/F900R】

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BMWの4気筒のS1000R、そして2気筒のF900Rと2大ロードスターを一般道で乗り比べてみた。2台の排気量はわずか12%差、パワー差57%の違いやはいかに!

●文:ヤングマシン編集部 ●BRAND POST提供:BMW MOTORRAD

最先端SS由来の直4をふだん使いできる愉悦 vs 孤高の逆回転クランク。公道でこそ持ち味発揮!

BMWが、ネイキッドではなくロードスターと呼称するこのセグメント。直訳するなら「道を往く者」だろうか。4輪なら2シーターのオープンカーが該当し、運転手が風を感じながら走るという点では、2輪のネイキッドに通じる部分は多い。

[4気筒]S1000R

BMWの数あるロードスターの中から、今回は直4のS1000RとパラツインのF900Rを、本来のステージである一般道で乗り比べてみた。この2台、生い立ちが違う上に価格も大きな開きがあるが、じつは排気量と車重がかなり近いのだ。具体的には、排気量は12%差、車重は5%差でしかない。

[2気筒]F900R

なお、最高出力は57%もの開きがあるが、この差が公道においてどれだけ有利、もしくは不利になるかを確認するのも、今回のテーマのひとつでもあるのだ。

軽快な身のこなしと、マシンとの一体感が魅力のロードスター。街の遊撃手にふさわしいのはどっちだ⁉

両車とも電子制御サスペンションの設定なし。キャラは違うが本質は共通

スーパースポーツS1000RRのロードスター版であるS1000R。これに対しF900Rは、GSやXRといった数あるFシリーズの中のロードスターという位置付けであり、素性がまったく異なる。ちなみに以前は、両モデルともセミアクティブサスのDDCや、ダイナミックESAといった電子制御サスの設定があったが、現在はそれらが消えている。とはいえ、その分だけ価格が下げられたり、車体が軽くなることを考えれば、とくにロードスターの場合は大きな不利にならないだろう。

【BMW S1000R】上品さの先に怪力あり。ハンドリングは自然だ。

アルミツインスパーフレーム、999cc水冷直4ともS1000RR由来だが、エンジンはシフトカムを省略し210psから165psへ。DTCやウイリー制御、DBC、クルコンなどSS譲りだ。

【ライディングポジション】身長175cm 体重68kg

シート高は830mm。身長175cmのライダーで両かかとがわずかに浮く程度だ。ハンドルは意外と低めで、アグレッシブなライディングポジションに。

灯火類はオールLED。’21年型でヘッドライトは2眼からこの単眼に。

テール&ストップランプはリヤウインカーと一体化される。

φ45mm倒立式フォーク、リヤショックともマルゾッキ製のフルアジャスタブル。

キャリパーは前後ともブレンボ製で、これにABSプロを組み合わせる。試乗車の装着タイヤはBS・S22だった。

燃料タンクの容量は16.5L。

ライダーシートは座面が広く、ハングオフ時のフィット感も優秀。

青いカバーの中に鍵穴があり、キーロックを解除するとタンデムシートが外せる。

クラッチ操作なしでシフトアップとダウンが可能な、ギヤシフトアシスタントプロを標準装備。ステップはラバーのないタイプだ。

クランプを180度反転させることで、ハンドルバーの位置を前後させることが可能。左側には使いやすいマルチコントローラーと、クルコン用のスイッチあり。標準装備のグリップヒーター用のスイッチは右側に設けられる。

さて、この2台。顔付きこそ似せてはいるが、エンジンもシャーシもまったく異なるので、キャラクターは別物だ。まずはエンジンについて言及すると、最高出力はSの165psに対してFは105psと大きな開きがある。だが、3000rpm付近でクラッチミートしてからの出足ならFの方が明らかに速く、270度位相クランクの蹴り出し感を伴いながら、まるで脱兎のごとくダッシュする。

これに対してSは、低回転域でのトルクこそFにおよばないが、決して遅いわけではない。緻密な燃焼フィールに上品さが漂う一方で、回転上昇の先に恐ろしいほどのパワーが控えていることがひしひしと伝わる。これこそが、SS由来のロードスターの醍醐味と言えるだろう。

ハンドリングも対照的だ。意外にも取っ付きやすいのはS1000Rの方で、前傾姿勢の深いライディングポジションや前後重量配分などもあってか、常にフロントの接地感が高く、スロットルを戻すだけでコーナーへスッと進入できる。加えて、前後サスはやや硬めながらも作動性が良く、旋回中のギャップの吸収性も良好だ。

[F900R]

【BMW F900R】信号ダッシュならS1000Rに勝てる!長距離も守備範囲

S1000Rのアルミに対し、こちらはスチール製のシェル構造ブリッジフレームを採用。エンジンは894ccの水冷並列2気筒で、クランクは270度位相の逆回転型。最高出力は105psだ。

【ライディング ポジション】身長175cm 体重68kg

シート高は815mm。S1000Rより15mm低いが足着き性としては同等だ。ハンドルはやや高めで快適だが、膝の曲がりが窮屈に感じる。

灯火類はオールLED。現状、S1000RやR1250Rらが同じタイプのヘッドライトを持つが、初採用はこのF900Rだ。

43mm倒立式フォークは非調整式。リンクレスのリヤショックはプリロードと伸び側減衰力が調整可能だ。

キャリパーは前後ブレンボで、これにABSプロを組み合わせている。装着タイヤはBS・S21。

軽量なプラスチック溶接式タンクを採用する。容量は13Lを確保。

シートは前後一体式で、キーロック解除にて取り外し可能。グラブバーは握りやすい形状となっている。

S1000Rと同様にギヤシフトアシスタントプロを標準装備。その他の電子制御系は、ライディングモードプロやDTC、DBCなどがある。

かつてはタイプによってクルーズコントロールやダイナミックESA、キーレスライドなどが採用されていたが、現在はこれらがなくなり、左スイッチボックスがややシンプルに。S1000Rと同様にグリップヒーターを標準装備。

これに対してF900Rは、ライダーが何かしらきっかけを作ることで旋回を始めるタイプだ。スロットル操作でうまく車体をピッチングさせられないのは、もしかすると逆回転クランクの影響かもしれない。加えて、キャスター角は29・5度とかなり寝ており、ホイールベースはSより70mmも長い。

結果、街中や峠道で積極的に向きを変えるタイプではないが、高速コーナーでの安定性は抜群といっていい。前後サスの作動性は価格なりだが、それをしなやかなスチールフレームが補っている印象だ。

両モデルとも、4つのモードが選べる「ライディングモードプロ」をはじめ、DTCやDBC(エンブレ制御)などを搭載しており、とくにDTCはABSプロと合わせて安心感が大きい。エンジンフィールはもちろん、ハドリングにも大きな違いがあることが判明したが、街の遊撃手というロードスターとしての本質部分は互角といっていいだろう。

両モデルとも6・5インチTFT液晶ディスプレイを採用。上はバンク角などが表示できる画面で、下は車両の状態を確認する際に重宝。

BMW S1000Rスペック

  • 全長×全幅×全高:2075×815×1050mm
  • 軸距:1450mm
  • シート高:830mm
  • 装備重量:204kg
  • エンジン形式:水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ
  • 総排気量:999cc
  • ボア×ストローク:80×49.7mm
  • 圧縮比:12.5:1
  • 最高出力:165ps/11,000rpm
  • 最大トルク:11.62kgm/9,250rpm
  • 燃料タンク容量:16.5L
  • WMTCモード燃費:16.12km/L
  • ミッション:常時噛合式6段リターン
  • フレーム形式:アルミニウム製ブリッジタイプ フレーム
  • ブレーキ前/後:Wディスク/ディスク
  • タイヤ前/後:120/70ZR17 /190/55ZR17
  • 価格:198万7000円〜

BMW F900Rスペック

  • 全長×全幅×全高:2140×815×1135mm
  • 軸距:1520mm
  • シート高:815mm
  • 装備重量:215kg
  • エンジン型式:水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ
  • 総排気量:894cc
  • ボア×ストローク:86×77mm
  • 圧縮比:13.1:1
  • 最高出力:105ps/8.500rpm
  • 最大トルク:9.38kgm/6,500rpm
  • 燃料タンク容量:13L
  • WMTCモード燃費:23.8km/L
  • ミッション:常時噛合式6段リターン
  • フレーム形式:シェル構造スチール製ブリッジタイプフレーム
  • ブレーキ:前/後Wディスク/ディスク
  • タイヤ前/後:120/70ZR17 /180/55ZR17
  • 価格:119万円〜

※本記事はBMW MOTORRADが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。