
いよいよ開催が近づいてきた「2025 FIM世界耐久選手権 “コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会」。今回は、あと1週間後に迫った鈴鹿8耐の事前情報をお届けします。観戦に向けた予習用にどうぞ!
●文/写真:ヤングマシン編集部(佐藤寿宏)
Team HRCからHonda HRCへ
いよいよ鈴鹿8耐ウイークが近づいてきました。昨年は、パリオリンピックの影響で7月21日に決勝が行われていました。今年は、8月3日が決勝なのですが、事前テストが6月の中旬までに2回行われ、本番までは1カ月半もインターバルがありましたが、もてぎでARRCもありましたし、何だかんだアッという間に過ぎてしまいましたね。一時は、暑さが収まりましたが、また猛暑が戻って来ちゃいましたね。暑さ対策にウォーキングなんぞしておりますが、一部、天気予報だと曇りで、それほど暑くないというのも出ていますが果たして本番はどうなるのでしょうか?
今年も本命中の本命と言えるHRC。ヤマハワークスの復活、DUCATIやBMWも速い。昨年よりライバルは多く速くなってきているが、だからこそ勝利の価値が上がると言える。
前置きはさておき、今年も本命はHRCですね。今年はチーム名がHonda HRCとなりました。日本郵便が外れたこともありますが、Team HRCの方がいいのになぁ、と思うのはボクだけでしょうか? あ、この辺も確認してきますね。昨年、最多勝利記録となる6勝を記録し、最も鈴鹿8耐を勝ったライダーとなった高橋巧を中心に、MotoGPライダーのヨハン・ザルコ、そしてスーパーバイク世界選手権(SBK)からイケル・レクオーナを招集し、強力なライダーラインナップが出来上がりました。
2022年から連勝を続けているHRCですが、今年は、サスペンションがSHOWAからオーリンズに変わったことが大きな出来事でした。そのため「Honda HRC Test Team」という名で全日本ロードレース選手権開幕戦もてぎ2&4レースに高橋がスポット参戦。事前テストでシェイクダウンし「思っていた以上に難しかった」と語るように、決勝での走りは厳しい内容となったが、全日本JSB1000クラスにHRCが戻って来てくれたことは大きな出来事でした。
HRCを牽引する高橋巧。個人としては、最多勝記録を更新する7勝目へのチャレンジとなる。
HRCはその後、何度か鈴鹿でプライベートテストを行い「2分04秒台で高橋が走っている」といううわさも流れて来ていました。ルカ・マリーニもテストに招集され、転倒負傷してしまったこともありました。とにかく安定した速さを見せているのがHRC。今年も序盤からレースを引っ張って行きそうです。
マリーニと言えば、異母兄弟のバレンティーノ・ロッシにヤマハから出て欲しかったものです。やはりコロナ禍で、もてぎラウンドを走らずに引退しているので鈴鹿8耐を走ってもらう構想はあったようです。ただ、あれからVR46との関係性が変わってしまったため実現は難しくなってしまいましたね。創立70周年記念参戦となるヤマハレーシングチームは、絶対王者・中須賀克行を中心にMotoGPライダーのジャック・ミラー、いまやSBKのエースとなったアンドレア・ロカテッリという、こちらもHRCに引けを取らないメンバー。ロカテッリが初めての鈴鹿8耐となるところが、不安要素になるかもしれませんが果たして?
ホワイト&レッドのカラーリングでチーム名も「YAMAHA RACING TEAM」としてエントリー。創立70周年を記念した鈴鹿8耐参戦というが、来年以降も続けてもらいたいものだ。
YARTは、ニッコロ・カネパが引退し、ジェイソン・オハローランになりましたが、マービン・フリッツ、カレル・ハニカは相変わらずEWCレギュラーでは突出したスピードを見せています。去年は2位に入っていますし、こちらも表彰台候補ですね。
今年は黒船が一隻じゃないぞ!
EWCレギュラーと言えばBMWのワークスチーム、#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは今年は悲願のブリヂストンにスイッチ。事前テストでは、家庭の事情で欠席したシルバン・ギュントーリの代役としてBMWのSBKチームのマイケル・ファン・デル・マークが来ていましたが、後日、正式にマイケルが出場することになり、Hondaで2勝、ヤマハで2勝しているマイケルが鈴鹿8耐5勝目を目指すことになりました。
鈴鹿8耐で4勝を挙げているマイケル・ファン・デル・マークが招集された。SBKでは来シーズンのシート確保は不透明だけにEWCに活路を見出すか!?
ファクトリースペックのBMW M1000RRを走らせる#76オートレース宇部もエースの浦本修充を中心にロリス・バズ、ハネス・スーマーが速さを見せました。初めてBMWを鈴鹿で走らせた浦本に聞いてみても「バイクが速いですね」と、そのポテンシャルに驚いていました。全日本の前半戦でも速さを実証しているだけに十分優勝を狙えるレベルにあると言っても過言ではなさそうです。
昨年までの鈴木GSX-R1000RからBMW M1000RRにスイッチした#76オートレース宇部。
外車勢で忘れてはならないのが#3 SDG DUCATI Team KAGAYAMAです。昨年はスタート直後に水野涼がトップ争いを繰り広げ、バックストレートで一気に2台抜きを見せたのは記憶に新しいですね。今年は、さらなるパワーアップを図っていますが、水野の負傷、マシンの損傷など、超えなければならないハードルがありましたが、支援の輪も広がり準備も整ってきているそうです。あとは、水野がどこまで回復しているかですね。レースウイークぶっつけになりますが、レオン・ハスラム、マーセル・シュロッターと共にどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみなところです。
DUCATIで2年目の鈴鹿8耐となるKAGAYAMA。MotoGPライダーとも交渉したが今年は実現せず。それよりもチーム存続の危機にも見舞われ、クラウドファンディングで応援を募っている。
スズキ勢は、ゼッケン1をつける#1 YOSHIMURA SERT MOTUL、2年目を迎える#0 Team SUZUKI CN CHALLENGEが安定した速さを見せています。また、今シーズン限りで現役を退く意向を発表した生形秀之率いる#95エスパルスドリームレーシングは、ジョナス・フォルガーと濱原颯道を起用し、最後の鈴鹿8耐に挑みます。
Hondaのサテライトチーム勢は、#17 Astemo Pro Honda SI Racing、#73 SDG Team HARC-PRO. Honda、#71 桜井ホンダ、#40 Team ATJ with docomo business、EWCレギュラーのFCC.TSR Honda Franceと実力派ぞろい。今年はEWCレギュラーも増え、昨年の46台から55台で争われます。Honda、YAMAHA、BMW、DUCATIとワークスマシン同士の戦いやSSTクラスの争いも激しくなりそうです。2025年の鈴鹿8耐は、どのチームが制することになるのでしょうか。
2024年にはスズキファクトリー復活として話題になった#0 Team SUZUKI CN CHALLENGE。カーボンニュートラルを目指しサステナブルアイテムを用いながら上位を狙う。
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