
バイクはスポーツと等しく、プロのレッスンを受けるのが上達の早道といわれます。が、ここで迷ってしまうのはどんなレッスン、スクールを受けるべきなのか? 初心者やリターンライダーといった立場ごとに最適解があるはずですが、メニューやコンテンツを調べただけではなかなか踏ん切りをつけられないのが実情かと。そこで、今回はレベルを問わず、徹底的に基礎から練習し、新たなひらめきやレベルアップにつながることを主目的とした「モトコネ秘密特訓by辻本聡」なるレッスンをご紹介。レンタルバイクのMR150を乗り放題というのも財布とメンタルに優しいものですよ!
●文/写真:ヤングマシン編集部(石橋 寛) ●外部リンク:KURE35.com(MR150レンタル)
茂原ツインサーキットのコース外で基礎練習に特化
そもそもモトコネ秘密特訓は、元全日本シリーズチャンピオンの辻本氏が主催するミニバイクレース「カフェ耐」のエントラント向けに考案されたもの。
このレースに出場する方々は上級者から、それこそ免許取得から半年も経たないという方までライディングスキルはまちまち。
そこで辻本氏にレッスンしてほしいという声が多数あがったことから「一肌脱いだ」とのこと。ちなみに、辻本氏が主体となってレッスンをするのはこれが初めてのことだとか。
会場となったのは千葉県にある茂原ツインサーキット、といってもコースではなく敷地内にある広いスペースです。レッスンの内容はスラローム、8の字、そしてブレーキングといった基礎練習に特化しているので、初めての開催となった今回はあえてコースを使わないことに。
とはいえ、コースと違って生徒と辻本氏の距離がとても近く、細かなところまで目が届き、そのぶんアドバイスもじつに具体的なものになったのでした。
初開催となったモトコネ秘密特訓は、今後さらにトレーニング内容や料金といった細部を煮詰め、2025年10月頃から本格始動する予定です。
「身についたクセや走り方を、プロの目線でよりよい方向へ」
レッスンで乗るバイクは、バイク好きなら注目(?!)のKayo MR150が10台あまり用意されています。レンタル料金はレッスン代金に含まれる予定で、タイヤやオイル代といった負担も気にすることなく乗り放題。
もちろん、過度な破損となった場合は修理代が発生する場合もありますが、レッスン中にそうした事故が起きそうな気配は今回ありませんでした。また、KURE35.comの協力によってメンテナンス状態も万全で、じつに気分良く走れたこともお伝えしておきましょう。
さて、レッスン内容は「カフェ耐」や「辻本聡」といったキーワードから察すると、レーシーでスピードを出して、といったイメージを浮かべがち。ですが、むしろ基礎中の基礎であり、「え? ふだんからやってるけど」と拍子抜けしそうなほど。
ところが、辻本氏いわく「身についたクセや走り方をプロの目線で是正、よりよい方向へ導く」ため、ベーシックな8の字走行でもアドバイスや課題は新鮮で的確なもの。
具体的にはアクセル操作、ステップワーク、そして走りのリズムがチェックされ、できるようになるまで、あるいはできそうなひらめきを得るまで走りこめるのです。
この日は生徒ひとりにつき1台のMR150が用意され、茂原ツインサーキットの特設スペースで思う存分走り回りました。
MR150は、その面白さにハマってしまうこと請け合い?!
この初開催には辻本氏だけでなく、本誌でお馴染みのモリワキのワークスライダーだった今井伸一朗氏も特別講師として参加。辻本氏のチェックに続いて、今井氏からの「こうしたらもっとよくなる」「今の課題は〇〇ですね」などとアドバイスされる、層の厚いレッスンとなりました。
さらに、MR150の乗りこなしについては右に出る者がいないという、KURE35.comの代表、紅林氏もライダーの動きに目を凝らし、ミニバイク攻略法を伝授してくれるという至れり尽くせりなコンテンツというわけ。
ちなみに、MR150のインプレは「本格的で痛快なマシン」。いくらバンクさせてもコケる気配が少なく感じるばかりか、ミニバイク特有のフロントが切れ込んでいくニュアンスも薄く、これならサーキットを思い切り走ってみたくなるというもの。
聞けば、サーキットへ自走で行きたいユーザー向けの保安部品まで用意されているといいますから、本気で練習したい方はぜひチェックをしてみてはいかがでしょう。ミニバイクだと高をくくっていると、その面白さにハマってしまうこと請け合いです。
今回は初回ということで、これから本格的にレッスン内容やコンテンツが詰め込まれていくとのこと。「プロライダーの理にかなった走りにトライして、新たなテクニックの引き出しを増やしてもらいたい」と辻本氏が言うとおり、参加者全員が走らせ方の理解をはじめ、難しささえ体得できるという貴重なレッスン。
速くなりたいという方はもちろん、「自分は間違っていないだろうか」と一瞬でも頭をよぎった方なら、今後の「秘密特訓」を受講してみることもオススメです。
Kayo MR150は空冷4ストローク150cc/12inタイヤのミニバイク専用マシンとして開発されたもの。価格は39万8000円(税抜)と、中古ミニバイクを手に入れてメンテナンスするよりもかなりお得な設定。
別体タンク付きのリヤダンパー、これまたレース仕様なのでセッティングの幅も広いとのこと。
問い合わせ先
- モトコネ(電話: 046-854-7009)
- KURE35.com
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(イベント)
地域の課題をライダーが解決 舞台となるのは、兵庫県北部の養父市と朝来市にまたがる日本遺産「鉱石の道」だ。ここは、かつて日本の近代化を力強く支えた鉱山の史跡群が点在する、歴史ロマンあふれるエリア。しかし[…]
世界初公開のプロトタイプ&コンセプトモデルも登場予定! ホンダが公式素材として配布した写真はモーターサイクルショー展示車および鈴鹿8耐時点のもの、つまりミラー未装着の車両だが、JMS展示車はミラー付き[…]
ふだんは走れないマシンで、絶景ロードを独り占め 「クラシック&原付・スペシャルバイク走行撮影会」は、伊勢神宮への参拝をゴールとする「おかげ参りツーリングラリー2025」のスペシャルイベントという扱いだ[…]
東京ビッグサイトのような会場が熱気に包まれる 日本のお隣であり、スクーターが一大人気を誇ることでも知られる台湾にて例年開催されている「台湾モーターサイクルショー」を取材してきたのでレポートをお届けした[…]
EXILEの本格再始動をライブスタッフユニフォームでワークマンが応援! 9月25日、都内において、株式会社ワークマンと株式会社LDH JAPANとのコラボプロジェクトである【EXILE×WORKMAN[…]
最新の関連記事(レース)
レース以前にサーキット入りで苦戦 前戦モビリティリゾートもてぎで見せた劇的な4位から3週間、9月12日と13日に全日本ロードレースの第5戦が大分県のオートポリスで行われた。 結果はレース1が7位、レー[…]
ヤマハが6年ぶりにファクトリー復帰! ホンダHRCが迎え撃ち、スズキCNチャレンジが挑む! 2025年8月1日~3日に開催された「”コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会」では、4連[…]
今のマルケスは身体能力で勝っているのではなく── 最強マシンを手にしてしまった最強の男、マルク・マルケス。今シーズンのチャンピオン獲得はほぼ間違いなく、あとは「いつ獲るのか」だけが注目されている──と[…]
本物のMotoGPパーツに触れ、スペシャリストの話を聞く 「MOTUL日本GPテクニカルパドックトーク」と名付けられるこの企画は、青木宣篤さんがナビゲーターを務め、日本GP開催期間にパドック内で、Mo[…]
欲をかきすぎると自滅する 快進撃を続けている、ドゥカティ・レノボチームのマルク・マルケス。最強のライダーに最強のマシンを与えてしまったのですから、誰もが「こうなるだろうな……」と予想した通りのシーズン[…]
人気記事ランキング(全体)
フレディ・スペンサー、CB1000Fを語る ──CB1000Fのインプレッションを聞かせてください。 とにかくすごく良くて、気持ちよかったよ。僕は何年もの間、新しいバイクのテストをしてきた。HRCのテ[…]
お手頃価格のヘルメットが目白押し! 【山城】YH-002 フルフェイスヘルメットが38%OFF コストパフォーマンスと信頼性を両立させた山城の「YH-002」フルフェイスヘルメット。大型ベンチレーショ[…]
後発のライバルとは異なる独創的なメカニズム 近年では、日本製並列4気筒車の基盤を作ったと言われているCB750フォア。もっとも細部を観察すると、この車両のエンジンには、以後の日本製並列4気筒とは一線を[…]
まさかのコラボ! クロミちゃんがホンダバイクと出会う ホンダがサンリオの人気キャラクター「クロミ」と、まさかのコラボレーションを発表した。クロミがバイクに乗りたくなるというストーリーのオリジナルアニメ[…]
世界初公開のプロトタイプ&コンセプトモデルも登場予定! ホンダが公式素材として配布した写真はモーターサイクルショー展示車および鈴鹿8耐時点のもの、つまりミラー未装着の車両だが、JMS展示車はミラー付き[…]
最新の投稿記事(全体)
スマホ連携機能で魅力を増した、ボッシュ製ARASを備える最高峰ツアラー カワサキは「ニンジャH2 SX SE」の2026年モデルを11月1日に発売する。カラー&グラフィックの変更およびスマートフィンア[…]
地面を感じる直進安定性で日常の移動を安心快適に 決勝レース1で自己最高となる2位を獲得した第3戦を終え、全日本ロードレース選手権は8月下旬まで約2ヵ月間の夏休み。その間もいろいろと忙しいのですが、やっ[…]
ゼファーとは真逆のコンセプトで独り勝ちを掴む! 1989年のカワサキZEPHYR(ゼファー)をきっかけに、カウルのないフォルムをネイキッドと呼ぶカテゴリーが瞬く間に人気となった。 続いて1991年に、[…]
フレディ・スペンサー、CB1000Fを語る ──CB1000Fのインプレッションを聞かせてください。 とにかくすごく良くて、気持ちよかったよ。僕は何年もの間、新しいバイクのテストをしてきた。HRCのテ[…]
まさかのコラボ! クロミちゃんがホンダバイクと出会う ホンダがサンリオの人気キャラクター「クロミ」と、まさかのコラボレーションを発表した。クロミがバイクに乗りたくなるというストーリーのオリジナルアニメ[…]
- 1
- 2