
味わい深い空冷バーチカルツインを搭載し、名機WシリーズのDNAを今に伝えるカワサキの人気ヘリテイジモデルW800シリーズ。現行のモデル展開の基礎となった2019年モデルも、登場からすでに6年近く経つこともあり、手頃な価格の出玉も増えている。中古車としての注目度も高いので、この機会に各年式の違いをおさえて、自分に最適な一台を選んでみよう。この記事では2019年モデルから最新2025年モデルまでの変遷について紹介する。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:カワサキ
2019年モデル:2本立てで復活
一時は2017年モデルのファイナルエディションを最後に、一部マーケット(インドネシア等)向けを除き、生産が終了していたが2019年モデルから国内でも復活。
空冷773ccのままでユーロ4に対応し、リヤブレーキをドラム→ディスクとしてABSも新装備。スタンダードスタイルのW800ストリートとビキニカウル付きのW800カフェ、2モデルにラインナップが拡大され、2019年3月1日に発売された。
2017年モデルまでのフロント19インチから、フロント18インチに変更されたこともトピック。W1もフロント18インチホイールを採用していたため、原点回帰を目指したと思わせるこだわりだった。
【KAWASAKI W800 STREET[2019model]】主要諸元■全長2135 全幅925 全高1120 軸距1465 シート高770(各mm) 車重221kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:99万3600円 ●色:黒×灰 ●発売日:2019年3月1日
【KAWASAKI W800 CAFE[2019model]】主要諸元■全長2135 全幅825 全高1135 軸距1465 シート高790(各mm) 車重223kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:111万2400円 ●色:灰×銀 ●発売日:2019年3月1日
2019年モデル概要:WのDNAを今に伝えるモデルが再始動 1966年当時、カワサキブランド初の大排気量4ストロークマシンとして登場したW1が背負った最速という使命は、今なお続くニンジャやZシリーズが[…]
2020年モデル:3ラインナップ化
W800ストリート/カフェといったモデル展開でモダンさが増したものの、従来通り往年のW1を思わせる、よりクラシカルな「W」を求めていたファンも多かった。
そんな声に応え、2020年モデルから正統派と呼ぶべき無印のW800が2019年12月1日に復活。メッキを多用したスタイルは、まさしく1966年にデビューした元祖650-W1がモチーフといえるもの。前後フェンダーやシルバーのバーチカルツインが眩しい。さらにストリート/カフェのF18インチに対し、19インチとすることで外観も走りもレトロ風に。ハンドルはストリートより低く、カフェより高い設定だった。
【KAWASAKI W800[2020model]】主要諸元■全長2190 全幅790 全高1075 軸距1465 シート高790(各mm) 車重226kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:110万円 ●色:緑 ●発売日:2019年12月1日
2020年モデル概要:スタンダードモデルが堂々の復活 排ガス規制の影響により2016年7月発売のファイナルエディションで生産終了したW800が、W800ストリート/カフェとして復活したのは、2019年[…]
2021年モデル:モダンなニューカラー
2020年10月1日に発売。主要諸元や価格は2020年モデルを踏襲しつつ、カラー&グラフィックの変更が実施されていた。
無印のW800は、モダンなブルーを基調としたカラーに。さらにストリートは、タンク上部にツートンラインを引き、シンプルなデザインの中にポップさを表現。残るカフェは、シートの表皮をはじめとしたポイントごとに施されたグリーンが目を引くカラーに改められた。
【KAWASAKI W800[2021model]】主要諸元■全長2190 全幅790 全高1075 軸距1465 シート高790(各mm) 車重226kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:110万円 ●色:青 ●発売日:2020年10月1日
【KAWASAKI W800 STREET[2021model]】主要諸元■全長2135 全幅925 全高1120 軸距1465 シート高770(各mm) 車重221kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:101万2000円 ●色:灰×黒 ●発売日:2020年10月1日
【KAWASAKI W800 CAFE[2021model]】主要諸元■全長2135 全幅825 全高1135 軸距1465 シート高790(各mm) 車重223kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:113万3000円 ●色:灰×黒 ●発売日:2020年10月1日
2021年モデル概要:シリーズ3種カラーを一新 カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載。360度クランクによる鼓動感や等間隔爆発ならではの整ったエキゾー[…]
2022年モデル:令和2年排出ガス規制に対応
2022年モデルの発売日はすべて2021年12月17日。カラー&グラフィックの変更とともに、新たにカワサキケアモデルの設定、新排出ガス規制への適合を果たした。価格は3種いずれも7万7000円アップ。令和2年排出ガス規制への適合にともない、WMTCモード燃費は21.1km/L→20.9km/Lと、わずかに数値が減少したこともトピックだった。
W800は黒を基調としつつも、キャンディーカラーのタンクが目を引くパッケージに、ストリートはタンク上部にはツートンラインが引かれ、シンプルなデザインの中にポップさが表現された。カフェはシートのツートンが黒×茶の組み合わせに。さらに全体は黒を基調としつつ金と白のラインが映えるイメージとされた。
【KAWASAKI W800[20model]】主要諸元■全長2190 全幅790 全高1075 軸距1465 シート高790(各mm) 車重226kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:117万700円 ●色:赤 ●発売日:2021年12月17日
【KAWASAKI W800 STREET[2022model]】主要諸元■全長2135 全幅925 全高1120 軸距1465 シート高770((各mm)mm) 車重221kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:108万9000円 ●色:黒×灰 ●発売日:2021年12月17日
【KAWASAKI W800 CAFE[2022model]】主要諸元■全長2135 全幅825 全高1135 軸距1465 シート高790((各mm)mm) 車重223kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:121万3000円 ●色:黒 ●発売日:2021年12月17日
2022年モデル概要:令和2年排出ガス規制に対応 カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載。360度クランクによる鼓動感や等間隔爆発ならではの整ったエキゾ[…]
2023年モデル:シックな3種展開
2022年モデルで新排出ガス規制への適合を果たしたこともあり、2023年モデルではシリーズ各車にニューカラーの設定のみを実施。価格は各数万円アップで、W800は2022年8月10日発売、W800ストリート/W800カフェは9月15日発売となっていた。
W800はキャンディーカラーのタンクが目を引く前モデルから打って変わって、落ち着いたトーンのブルーに。タンク上部にツートンラインが引かれ、シンプルなデザインの中にポップさが表現されたストリートは、グレータンクのシックなイメージに変化。
カフェはシートがそれまでのツートンから黒のワントーンに。さらに全体は黒を基調としていることは変わらないものの、金のラインと格子模様があしらわれ車体の魅力を高めていた。
【KAWASAKI W800[2023model]】主要諸元■全長2190 全幅790 全高1075 軸距1465 シート高790(各mm) 車重226kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:119万9000円 ●色:青 ●発売日:2022年8月10日
【KAWASAKI W800 STREET[2023model]】主要諸元■全長2135 全幅925 全高1120 軸距1465 シート高770(各mm) 車重221kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:99万3600円 ●色:黒 ●発売日:2022年9月15日
【KAWASAKI W800 CAFE[2023model]】主要諸元■全長2135 全幅825 全高1135 軸距1465 シート高790(各mm) 車重223kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:111万2400円 ●色:灰×銀 ●発売日:2022年9月15日
2023年モデル概要:シブいイメージが増した新カラー カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載。360度クランクによる鼓動感や等間隔爆発ならではの整ったエ[…]
2024年モデル:ストリート/カフェが廃止
2024年モデルは、それまでバリエーションの豊富さを支えていたストリートとカフェが廃止。無印W800のみのラインナップとなった。こちらは2023年モデルのスペックや装備をそのまま受け継ぎつつ、カラーリングを一新。初のツートーンカラー2色となり、カラーリングによって発売日が異なっていた。価格は3万3000円上昇し、123万2000円となった。
【KAWASAKI W800[2024model]】主要諸元■全長2190 全幅790 全高1075 軸距1465 シート高790(各mm) 車重226kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:123万2000円 ●色:赤×黒、灰×黒 ●発売日:2023年9月22日(赤×黒)/2024年1月20日(灰×黒)
2024年モデル概要:ストリート/カフェが廃止 カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載。360度クランクによる鼓動感や等間隔爆発ならではの整ったエキゾー[…]
2025年モデル:インパクト大なシリーズ初カラー
2024年モデルでストリート/カフェが廃止されたこともあり、2025年モデルも無印W800のみが2024年9月1日に発売。主要諸元や装備に変更はなく、カラーリングの変更だけが実施された。新色はツートーンカラーで、ゴールドみのあるダーク系ブラックとメタリックブラックを掛け合わせ、シンプルなゴールドストライプを差し色としていた。物価高もあり、価格は1万1000円上昇して124万3000円となった。
【KAWASAKI W800[2025model]】主要諸元■全長2190 全幅790 全高1075 軸距1465 シート高790(各mm) 車重226kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:124万3000円 ●色:黒×金 ●発売日:2024年9月1日
KAWASAKI「W800シリーズ」最新相場情報
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