
世界で生産されるバイクの1割弱を生産し、国内ではホンダに次ぐバイクメーカーとして認知されているヤマハ。そんな同社について、2025年6月はどんなニュースがあったのだろうか。ヤングマシンの記事から厳選して注目トピックをお伝えする。やっぱりPG-1欲しい!?
●文:ヤングマシン編集部
購入前に読みたい2025ヤマハMT-07関連記事3選
ヤマハの新型「MT-07」が、フレーム設計から見直され、大幅な進化を遂げて2025年モデルとして登場。その概要やスイングアームのこだわり、Y-AMTのライバル比較などについて伝えた。
2025年モデル最大のトピックは、MT-09に続きクラッチ・シフト操作不要な「Y-AMT」仕様がラインナップされたことだ。
Y-AMTはMT機構をベースに自動化されたもので、手動シフトも可能な画期的なシステム。Y-AMT採用に伴い、シフトダウン時のブリッピングを可能にする電子制御スロットル(YCC-T)が投入され、Y-AMT仕様にはクルーズコントロールも実装されたこともトピックだ。
車体も全面的に刷新され、フレームとスイングアームが再設計されている。φ41mm倒立フロントフォークとラジアルマウントキャリパーを新採用したことで、車体重量の増加を抑えつつ、フレームのねじれ/縦/横剛性が12~13%も向上し、スポーツ性が大幅に強化された。
外装デザインもMT-09に似た新フェイスに変わり、バイファンクショナルLEDヘッドライトや新作の5インチTFTフルカラーディスプレイを採用。スマートフォン連携でナビ機能も利用可能だ。価格はスタンダードの「MT-07 ABS」が96万8000円、Y-AMT仕様が105万6000円となっている。
Y-AMTのホンダEクラッチとの比較では、Eクラッチがクラッチ操作を自動化しつつも手動レバーを残しライダーの介入を可能にするMTベースであるのに対し、Y-AMTはクラッチ操作が完全自動で、シフト操作も自動モードがあるためほぼATに近い(AT免許で運転可)。
楽チンさではY-AMTのATモードが優勢ながら、スポーティーな走りではY-AMTのシャキシャキしたシフトとダイレクトな駆動感が際立つ形だ。
2025新型「MT-07」について概要を知りたいなら… こちらの記事をチェック。2025年モデル最大のトピックといえるのは、MT-09に続きクラッチ・シフト操作不要な「Y-AMT」仕様をラインナップし[…]
ヤマハファクトリー・中須賀克行がJSB1000でダブルウイン!
2025年5月24日・25日に開催された全日本ロードレース スーパーバイクレースinSUGOは、JSB1000以外のクラスも待望の開幕戦を迎えた。最高峰クラスJSB1000では、ドゥカティチームKAGAYAMAの水野涼が事前テストで両肩を負傷し欠場するという波乱があった。
水野はSUGOで全面張り替えられたグリップの高い新路面でのテスト中、ハイスピードで転倒しマシン炎上、さらに翌日にもハイサイド転倒を喫し、全治3カ月の診断を受け、鈴鹿8耐本番への出場も微妙な状況だ。
レースウイークは気温が低く、雨上がりのウエットコンディションが事前テストとは大きく異なり、とくにST1000クラスの決勝では路面が予想以上に乾かず、スリックタイヤを選択したライダーは大きく外れる結果となった。
そんな難しい状況のST1000クラス決勝を制したのは、今シーズンからフル参戦の亀井雄大だった。2位にはMoto3時代からウエットで速さを見せていたナカリン・アティラットブワパットが続いた。
JSB1000クラスでは、絶対王者であるヤマハファクトリーの中須賀克行が強さを見せ、ダブルウインを達成した。レース1、レース2ともに、ポールポジションを獲得したBMWの浦本修充や、Astemo Pro Honda SI Racingの野左根航汰とのバトルを制し、JSB1000クラス通算90、91勝目を挙げた。
レース2では、ウエットパッチが残る中、序盤トップを走っていた野左根が転倒リタイアし、タイトル争いから大きく遅れることになった。一時DUNLOP Racing Team with YAHAGIの長島哲太がトップを走る場面もあったが、中須賀と浦本がレースをリードし、最終的に中須賀が勝利をもぎ取った。次戦の全日本ロードレース選手権第3戦筑波は、6月21日(土)、22日(日)にJ-GP3クラスのみの開催となる予定だ。
水野涼は転倒負傷、鈴鹿8耐に間に合うか?! アッという間に6月ですなぁ。鈴鹿8耐に参戦するチームは、今週、来週のテストに向けて準備に追われているところです。全日本ロードレース選手権は、まだ2戦しか終わ[…]
オフテイストの原付二種 ヤマハPG-1国内導入の可能性
2023年末にタイとベトナムで発表され、国内導入が熱望されているヤマハの「PG-1」は、ホンダのハンターカブやクロスカブの強力なライバルとして今なお注目を集めている。現状では並行輸入車のみが手に入るが、正式な日本市場導入には課題が多いようだ。
2023年モデルのPG-1は、ユーロ5排ガス規制や、125ccクラスに義務付けられるフロントABSまたはコンビブレーキの装着要件を満たしていないため、日本導入にはモデルチェンジによる各種規制対応が必須となる。
国内の原付二種市場は長らくホンダの独壇場であり、ヤマハはXSR125やYZF-R125/150などのギヤ付きモデルを拡充し、この状況を打破しようと躍起になっているのは事実だ。
かつて“オフロードのヤマハ”と呼ばれた時代も今は昔、テネレ700を除けば土の匂いのするモデルは皆無に等しい。「オフロードのヤマハ」復活のためにも早期の国内導入が強く望まれる。
PG-1は、スタイルこそカブに似ているが、車体は予想以上にスポーティーに作り込まれており、“オフロードのヤマハ”らしい工夫も感じられる一台。
諸元を比較すると、PG-1は113.7ccの空冷4スト単気筒SOHC2バルブエンジンを搭載し、最高出力は8.9ps/7000rpm、最大トルクは0.96kg-m/5500rpmを発生。装備重量は107kgで、最低地上高は190mmと、クロスカブ110の163mmやCT125ハンターカブの165mmを上回り、オフロード性能の高さがうかがえる。
また、前後タイヤサイズが90/100-16である点も特徴だ。ホンダのライバルたちと並び、国内市場に新たな風を吹き込むことができるか、ヤマハの動向に注目が集まっている。
PG‐1の国内導入がオフロードのヤマハを復活させる!? 国内の原付二種市場は、スーパーカブやモンキーなどのギヤ付きクラスはもちろん、PCXなどのスクーターを含めて長らくホンダの独壇場となっている。そん[…]
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