
ライダーの悩みを解決する、超軽量・高出力バッテリーが新登場。スマートフォンの専用アプリでバッテリー状態をリアルタイムで確認できるだけでなく、突然のバッテリー上がりにも対応する「ジャンプスタート機能」も搭載。バイクライフをより快適に過ごせそうな新型バッテリーは、7月から発売される。
●文:ヤングマシン編集部(ヤマ) ●外部リンク:SECOND(Lead Maxリードマックス代理店)
スマートフォン連携でバッテリー管理が劇的に進化!
名古屋市に本社を置く株式会社SECONDが、LEADMAX-JAPANとの販売代理店契約を締結。2025年7月1日より、日本初上陸となるモーターサイクル用スターターバッテリーの販売を開始した。
その新しい「Lead Maxリードマックス」の最大の特徴は、Bluetoothを内蔵している点にある。これにより、スマートフォンに専用アプリをインストールするだけで、バッテリーの状態を詳細にモニタリングできるのだ。
エンジン停止時はバッテリー単体の状況を、エンジン始動時には車両のオルタネーターからの充電状態をタイムリーに確認できるため、バッテリートラブルを未然に防ぐことも可能だ。
なおアプリのモニタリング画面では、以下の情報がリアルタイムで確認可能となる。
- バッテリーの充電状態(SOC)
- 各セルの電圧状態とバランス
- 充放電サイクル回数
- バッテリーの健康状態
- バッテリー電圧/内部温度/電流値/容量値(エンジン停止時)
7月から国内発売となったLead Maxリードマックス。
非常時用の自動機能「ジャンプスタート」
過放電などで電圧が低下してしまうことも、ライダーの「悩み」のひとつだろう。このバッテリーの「ジャンプスタート機能」では、電圧が規定値まで低下すると過放電保護機能が自動的に作動。
(セルを回すなど)バイクを再始動させたい場合には、アプリ内の「JumpStartスイッチ」をオンにすれば約1分間、シャットダウンが解除される。
ライダーにとっては「お守り」のような機能だ。
また二輪用シリーズとLMS(モータースポーツ)シリーズには「パワーコントロール(シャットダウン)機能」も搭載されている。
スマホアプリからバッテリーのパワーをシャットダウンできるもので、自然放電や長期保管時の劣化を抑えることができそうだ。
高出力化を果たしつつ超軽量な設計に
ほかにもLead Maxリードマックスは、LiFePO4(リン酸鉄リチウム)の高性能パウチセルを採用することで、超軽量化と高出力を両立。
従来の鉛バッテリーと比較すると、50%〜70%程度の軽量化を実現。これにより、バイクの運動性能向上にも貢献する。
パウチセルは、従来のリン酸鉄リチウムよりも高い導電性と急速充放電能力を持ち、高出力を必要とするスターターバッテリーにはより適した選択と言えそう。
リン酸鉄リチウムのプレミアムA123パウチセルを採用。
「リチウム」ながら安全性にもより配慮
リチウムイオンバッテリーの安全性については、多くのユーザーが気になるポイントのひとつだろう。
Lead Maxリードマックスが採用しているリン酸鉄リチウムは、その素材特有の安全性を持っている。
たとえばコバルトやニッケルを使用する他のリチウムイオン電池に比べても熱安定性が高く、発火や熱暴走のリスクが低いのが特徴。
また「釘刺し」や「過充電」、「外部短絡」といった各種の厳しい安全性試験もクリアしており、安心感が高いのも特徴だ。
バッテリーマネージメントシステムは高性能版を搭載(左が高性能なスマートBMS、右は一般的なもの)。
幅広い車種に対応、クルマにもOK
豊富なラインナップにより、ほとんどのバイクに対応可能だというLead Maxリードマックス。
バイク用には約35種類、クルマ用には約15種類のアイテムを用意しており、JIS、DIN規格の標準ケースサイズを採用しているため、多くのクルマ(四輪車)にも加工なしでそのまま装着可能とのこと。
さらにトラクターやコンバインなどの農業用機械、船舶の船外機まで、幅広い車両に対応するようだ。
豊富なラインナップを用意。
バッテリー搭載の一例。
オプションでリチウムバッテリー専用充電器も用意する。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(バッテリー)
バイク エンジン かからない原因を症状別に解説 さあ、ツーリングに出かけよう! 荷物をシートにくくりつけ、ヘルメットとグローブを装着してキーをシリンダーに差し、セルスイッチをプッシュ……え、エンジンが[…]
車両メーカーの純正バッテリーとしてもシェアを拡大 リチウムバッテリーは、同程度の容量の鉛バッテリーと比較すると、性能の指標であるCCA(コールドクランキングアンペア)値は2倍程度、寿命は3倍程度と、そ[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
開放式/MF式/リチウムイオン式が揃うBSバッテリー。充電電圧を管理して優位性の高いリチウムを活用したい 市販車の一部にも純正採用される例はあるが、リチウムバッテリーは鉛バッテリーに比べるとまだまだ少[…]
たしかな選択と工夫でシート下スペースを拡大! バッテリーを交換する際には、車両に適したバッテリー容量(10時間率容量)とともに、物理的な寸法を合わせる必要がある。そのためカスタムにおいては、大きく重量[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
ユーザーからのリクエストで開発! ホイールの鉄粉をスプレーひと吹きで溶解 バイク/クルマを問わず、ディスクブレーキでもドラムブレーキでも発生するブレーキダスト。制動時にブレーキローターやブレーキドラム[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
タイヤの内圧規定ってなんだ? 今シーズン、MotoGPクラスでたびたび話題になっているタイヤの「内圧規定」。MotoGPをTV観戦しているファンの方なら、この言葉を耳にしたことがあるでしょう。 ときに[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回はホンダCL250を洗車します。 洗車ポイントは“黒い部分をしっ[…]
燃料キット開発時は現物確認と現物採寸が大前提 キースターでは、原付からオーバー1000ccモデルまで、500車種以上のキャブレターに対応した燃調キットを開発してきました。現在でもコンスタントに新製品を[…]
人気記事ランキング(全体)
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
PROUDMEN. グルーミングシートクール 16枚入り×3個セット PROUDMEN.のグルーミングシートクールは、横250×縦200mmの大判サイズと保水力約190%のたっぷり液で1枚で全身を拭け[…]
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
二輪史に輝く名機「Z1」 いまだ絶大なる人気を誇る「Z1」こと、1972年に発売された900super4。後世のビッグバイクのベンチマークとなる名機は、いかにして世に出たのか──。 1960年代、カワ[…]
最新の投稿記事(全体)
第1特集「駆け抜けろ! スーパースポーツ」 その時代の最先端技術を詰め込み、空気抵抗を減らすためのカウルを全身にまとい、メーカーの威信を賭けて開発されたスーパースポーツ(以下、SS)。『R★B』最新号[…]
新たな時代の「角Z」:スタイルと操案の狭間で揺れたZ1-Rの人気 Z1からZ1000までリファインを重ねて完成度を高めた“丸Z”だが、1970年代後半にはスズキのGS750/1000のようなライバル車[…]
BMCがあり得ない“2026年空冷式ジーンズ”を制作しているらしい BMCといえば、“風を取り込む空冷式”を掲げたライディング用の涼しいジーンズ/グローブ/シャツなどを展開している…のだが、先日編集部[…]
1位:気化熱式クールベストがデイトナより登場 デイトナから登場した気化熱式クールベスト「DI-015 ウェットクールベスト」を紹介する暑さ対策記事だ。水を含ませるだけで走行風を利用して冷却する電源不[…]
愛され続けるのも納得な魅力満載のスーパーカブ スーパーカブには世界中で愛されるだけの様々な魅力がある。まず挙げられるのが、その特徴的なデザイン。丸みを帯びた優しさすら感じるフォルムは、一度見たら忘れら[…]
- 1
- 2