
量産史上初のスーパーチャージャー搭載バイク、Ninja H2シリーズをはじめ、現行車で唯一の250cc4気筒を積むNinja ZX-25Rなど、独自路線を追求し続けているカワサキ。そんな同社に関連して、2025年5月はどんなニュースや記事が注目を集めていたのだろうか。ヤングマシンの中から厳選して注目トピックをお伝えする。
●文:ヤングマシン編集部
ビモータ「KB998 Rimini」を日本導入
イタリアが誇るモーターサイクルブランド ビモータは、カワサキとの連携による最新モデル「KB998 Rimini」を2025年9月1日に日本で発売すると発表した。価格は693万円だ。このモデルは、同名のスーパーバイク世界選手権参戦マシンのストリート向けモデルで、カワサキ Ninja ZX-10RRの並列4気筒エンジンを搭載している。
新生ビモータとして日本導入4機種目となる。シャーシはクロームモリブデン製メインフレームとアルミプレートのハイブリッド構造だ。サスペンションはSHOWA製を採用している。
最大の特徴は、速度やブレーキに応じて角度を調整する可動式ウイングレットを装備したカーボンファイバー製フェアリング。これにより、ダウンフォースやドラッグを最適に制御する。豪華な足まわりやブレーキシステム、豊富な電子制御も備えており、2025年内の世界生産は250台限定と、希少性の高いモデルだ。
ビモータの工房があるイタリアの都市「リミニ」をその名に冠する Ninja ZX-10RRのエンジンを搭載したビモータ製スーパーバイクが、ついに正式発表された。すでにスーパーバイク世界選手権を走っている[…]
Z900RSの対抗馬となるか。ホンダ「CB1000Fコンセプト」徹底比較
ホンダが2025年のモーターサイクルショーで初公開した「CB1000Fコンセプト」は、ネオクラシックを牽引してきたカワサキZ900RSシリーズの対抗馬ともいえるモデルだ。この両者を比較した。
Z900RSが名車Z1をモチーフにした「丸くてレトロ」なスタイルを強調する一方、CB1000FコンセプトはCB750F/900Fをオマージュしつつも、「旧さ」ではなく「新しさ」を前面に出している。
これはかつてのZ1対CB-F、ゼファー対BIG-1といった両社のライバル関係の再来と言える。CB1000Fコンセプトは、ベースとなるホーネット譲りのスーパースポーツ由来エンジンと、豊富な電子制御が特徴だ。
メーターも5インチ液晶ディスプレイでスマホ連携に対応するなど、デジタル要素が強い構成。対するZ900RSはアナログメーターでレトロ感を演出している。国内小型二輪市場で7年連続トップのZ900RSの牙城に、CB1000Fコンセプトがどう挑むか注目が集まる。
ネオクラシックながら”新しさ”で対抗 ヘリテージやネオクラシックと呼ばれるカテゴリーで、登場以来絶対的な人気を誇るカワサキのZ900RSシリーズ。現代スポーツネイキッドをベースに、名車Z1を絶妙にアレ[…]
カワサキ2ストローク「トレールTR」シリーズ振り返り
カワサキはロードスポーツ並みの動力性能を持つ2ストロークオフローダー「トレールTR」シリーズを展開したのは、1970年代のこと。250-TRバイソン、350-TRビッグホーンなど、野生動物や軍隊に由来するたくましい車名を持ち、国内オフロード市場での遅れを取り戻すべく1970年に国内4機種などを一気に投入した。
とくに350ccビッグホーンは33ps、250ccバイソンは23.5psを発揮し、オフ車としては異例の高出力をアピールした。全車にロータリーディスクバルブ式エンジンを採用し、低回転の粘りと滑らかな吹け上がりが特徴だった。
ビッグホーンには世界初のスティール製ロータリーディスクバルブや国産初の21インチ前輪を採用した。また、ブレーキ・チェンジペダル先端には「草切り用チェーン」を装備するなど独自性を見せた。TR-250ではオフロード系初のリヤカウル導入もあった。荒々しく甲高い2ストサウンドも当時のカワサキらしさだった。
アメリカの野生動物や軍隊に由来する車名 「最強」「最速」そして「独自のルックス」をイメージするカワサキブランドのルーツといえば2ストロークマシンの怪物500SSマッハⅢと4ストローク4気筒キングZ1を[…]
カワサキ ゼファー[1989-2009] 振り返り
1980年代後半、高性能を追求するレーサーレプリカが市場を席巻する中、カワサキは時代と逆行するような普遍的なスタイルの「ゼファー」を1989年4月に投入した。剥き出しの空冷直4エンジン、アップハンドル、丸目ヘッドライト、リヤ2本サスといった姿は、当時のフルカウル全盛にあって異色だった。
最高出力も400ccクラスの常識59psに対し、46psにあえてダウンさせた。価格も当時のレプリカの70万円前後に対し、52万9000円と破格だった。当初は「ファッションバイク」「時代遅れ」と揶揄されたが、一般ライダーの「シンプルでカッコよく、自由に乗れるバイク」というニーズを鋭敏に捉え、爆発的な人気を獲得した。
1989年は販売期間が短かったにもかかわらずクラス2位、翌1990年にはクラストップを記録し、1990年末までに2万台以上を販売した。ゼファーの成功がレプリカ市場を縮小させ、ネイキッド時代の幕開けとなった。
バイクは性能だけじゃない。大胆に温故知新を貫いた 1馬力でも高く、0.1秒でも速く…。1980年代後半、そんな熱狂にライダーは身を焦がしていた。レースでの勝利を至上命題にしたレーサーレプリカが世に溢れ[…]
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