
2010年のデビュー以来、ベストセラーとなっている「PCX」。その歴史を振り返りたい。年々高まっていく完成度を追っていくと、原付二種の定番スクーターという現在の地位にも納得がいくぞ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:ホンダ
2010年モデル:ワンランク上の次世代125ccスクーター
初代となる2010年モデルが発売されたのは、2010年3月30日のこと。水冷単気筒125ccエンジン、フューエルインジェクション、アイドリングストップ、前後連動のコンビブレーキなど、当時のスクーターに求められる機能を満載して登場した。
【HONDA PCX[2010 model]】主要諸元■全長1915 全幅740 全高1090 軸距1305 シート高760(各mm) 車重126kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc 11.5ps/8500rpm 1.2kg-m/6000rpm 燃料タンク容量6.1L■タイヤサイズF=90/90-14 R=100/90-14 ●価格:29万9250円 ●色:白、赤、黒 ●発売日:2010年3月30日
2014年モデル:高級感ある外観とタンク容量アップ
初のフルモデルチェンジが行われた2014年モデルは、2014年4月25日発売。ヘッドライト、テールランプ、ウインカーランプ、ライセンスランプの全灯火器にLEDを採用したほか、新設計のフロント・リアカウルを採用するなど、さらにスタイリッシュで高級感のある外観となった。
装備面では、燃料タンク容量が増加。給油の頻度を低減し、航続距離を高めるなど、使い勝手の向上が図られた。
【HONDA PCX[2014 model]】主要諸元■全長1930 全幅740 全高1090 軸距1100 シート高760(各mm) 車重130kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc 12ps/8500rpm 1.2kg-m/5000rpm 燃料タンク容量8.0L■タイヤサイズF=90/90-14 R=100/90-14 ●価格:32万9400円 ●色:白、赤、黒、銀 ●発売日:2014年4月25日
2018年モデル:「美しさと力強さ」がコンセプト
2018年モデルが発売されたのは、2018年4月6日のこと。フルモデルチェンジだったこともあり、外観からして第2世代とは異なることが明らかだった。
一方のエンジンはスクーター用の「eSP(イーエズピー)」を一部変更して、中高回転域の出力を向上、同時に平成28年排ガス規制にも対応していた。車体はフレームをアンダーボーンタイプからダブルクレードル構造に変更。タイヤのサイズアップやリヤサスのストロークアップも実施していた。装備面ではスマートキーと電源ソケットを採用するなど充実の内容となり、価格は34万2360円~の設定だった。
【HONDA PCX[2018 model]】主要諸元■全長1925 全幅745 全高1105 軸距1315 シート高764(各mm) 車重130kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc 12ps/8500rpm 1.2kg-m/5000rpm 燃料タンク容量8.0L■タイヤサイズF=100/80-14 R=120/70-14 ●価格:34万2000円~ ●色:赤、黒、白、銅 ●発売日:2018年4月6日
4年ぶりのフルモデルチェンジだった 2018年モデルが発売されたのは、2018年4月6日のこと。フルモデルチェンジだったこともあり、外観からして第2世代とは異なることが明らかだった。これは、2017年[…]
2020年モデル:限定SPバージョン追加
2018年にフルモデルチェンジを受けてフレームもエンジンも刷新、走りと質感がともにワンランクアップし、通勤快足などさまざまなシーンで多くのライダーの支持を集めた、ホンダPCX。その高評価を受けて、2020年モデルでは、受注期間限定でスペシャルカラーモデルが発売された。カラーリングはマットイオンブルーメタリック、マットギャラクシーブラックメタリックの2種類。受注期間は、2020年2月14日~5月31日までとなっていた。
【HONDA PCX[2020 model]】主要諸元■全長1925 全幅745 全高1105 軸距1315 シート高764(各mm) 車重130kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc 12ps/8500rpm 1.2kg-m/5000rpm 燃料タンク容量8.0L■タイヤサイズF=100/80-14 R=120/70-14 ●価格:35万2000円 ●色:青、黒 ●発売日:2020年2月28日
スペシャルカラーは受注期間限定 2018年にフルモデルチェンジを受けてフレームもエンジンも刷新、走りと質感がともにワンランクアップし、通勤快足などさまざまなシーンで多くのライダーの支持を集めた、ホンダ[…]
2021年モデル:トラコン/USBソケットで利便性UP
2021年モデルが発売されたのは、2021年1月28日のこと。エンジンをはじめ、車体、外観と全面リニューアルし、4世代目に進化。エンジンは新設計の水冷4ストロークSOHC4バルブ。また、待望の前後ディスクブレーキ(従来は前ディスク/後ドラム)を採用するとともに、フロントのみ作動する1チャンネルABSを標準装備した。
さらに、スリップしやすい路面での安心感に寄与するトラクションコントロールを新採用。また、容量を30Lへと拡大したシート下ラゲッジボックス内には、USBソケット(TYPE-C)を標準装備していた。
【HONDA PCX[2021 model]】主要諸元■全長1935 全幅740 全高1105 軸距1315 シート高764(各mm) 車重132kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc 12.5ps/8750rpm 1.2kg-m/6500rpm 無段変速 燃料タンク容量8.1L■タイヤサイズF=110/70-14 R=130/70-13 ●価格:35万7500円 ●色:灰、白、赤、黒、銀 ●発売日:2021年1月28日
フルモデルチェンジで、乗りやすさ使いやすさともにアップ 2021年モデルが発売されたのは、2021年1月28日のこと。エンジンをはじめ、車体、外観と全面リニューアルし、4世代目に進化。 エンジンは新設[…]
2022年モデル:シックな新色追加
2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピープラス)」と呼ばれるものとなり、前輪のみ作動するシングルチャンネルABSやホンダセレクタブルトルクコントロール(いわゆるトラコン)を採用するなど、走りの性能を高めていた。
さらにカラーラインナップを変更。「マットギャラクシーブラックメタリック」と「フォギーブルーメタリック」の2色が追加され、全5色となった。価格は前モデル同様、35万7500円という設定だった。
【HONDA PCX[2022 model]】主要諸元■全長1935 全幅740 全高1105 軸距1315 シート高764(各mm) 車重132kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc 12.5ps/8750rpm 1.2kg-m/6500rpm Vベルト無段変速 燃料タンク容量8.1L■タイヤサイズF=110/70-14 R=130/70-13 ●価格:35万7500円 ●色:黒(新色)、青(新色)、白、黒、灰 ●発売日:2022年6月23日
新5色ラインナップとなった2022年モデル 2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピ[…]
2023年モデル:排ガス規制適合+ニューカラー
2023年モデルが発売されたのは、2023年1月26日のこと。2021年のフルモデルチェンジした2021年モデルをベースとしながら水冷4バルブ単気筒エンジン「eSP+(イーエスピープラス)」を令和2年排出ガス規制に適合させた。令和2年排出ガス規制に適合したが、出力スペックに変更はなく、WMTCモード燃費は47.4km/L→48.8km/Lと低燃費化が進んだ。車重は1kg増の133kgとなっていた。
カラーは新色が2色追加。このほか、シート表皮のカラーがブラックとなり、より引き締まった印象となった。
【HONDA PCX[2023 model]】主要諸元■全長1935 全幅740 全高1105 軸距1315 シート高764(各mm) 車重133kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc 12.5ps/8750rpm 1.2kg-m/6500rpm Vベルト無段変速 燃料タンク容量8.1L■タイヤサイズF=110/70-14 R=130/70-13 ●価格:36万3000円 ●色:青(新色)、銅(新色)、白、黒、灰 ●発売日:2023年1月26日
パワーそのままに排ガス規制適合 2023年モデルが発売されたのは、2023年1月26日のこと。2021年のフルモデルチェンジした2021年モデルをベースとしながら水冷4バルブ単気筒エンジン「eSP+([…]
2025年モデル:新ヘッドライト採用でスタイリング向上
2025年モデルが発売されたのは、2025年2月6日のこと。おもな変更点は外観デザインで、前まわりでは新形状のヘッドライトの採用やメーターの装飾変更、シルバーのハンドルカバーを新採用したことが挙げられる。また、リヤまわりでは発光部を新デザインとしたテールランプを採用し、スタイリング全体をアップデートしていた。
【HONDA PCX[2025 model]】主要諸元■全長1935 全幅740 全高1125 軸距1315 シート高764(各mm) 車重133kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc 12.5ps/8750rpm 1.2kg-m/6500rpm Vベルト無段変速 燃料タンク容量8.1L■タイヤサイズF=110/70-14 R=130/70-13 ●価格:37万9500円 ●色:青、灰、白、黒 ●発売日:2025年2月6日
利便性そのままにさらにスタイリッシュに 2025年モデルが発売されたのは、2025年2月6日のこと。おもな変更点は外観デザインで、前まわりでは新形状のヘッドライトの採用やメーターの装飾変更、シルバーの[…]
HONDA PCX最新相場情報
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 新型スクーター)
原付免許で乗れる『新しい区分の原付バイク』にHondaが4モデルを投入! 新たな排ガス規制の適用に伴い2025年10月末をもってHondaの50cc車両は生産を終了しますが、2025年4月1日に行われ[…]
X-ADVの兄弟車として欧州で販売される「フォルツァ750」 ホンダは欧州でフォルツァ750(FORZA 750)の2026年モデルを発表した。主要諸元に変更はなくカラーバリエーションの一部変更でイリ[…]
3.7kWのパワートレインに14インチホイールやコンビブレーキを組み合わせる ホンダが新基準原付モデルを一挙発表。10月末をもって生産できなくなる現行50cc原付を代替するモデルとして、市民の足を担っ[…]
地面を感じる直進安定性で日常の移動を安心快適に 決勝レース1で自己最高となる2位を獲得した第3戦を終え、全日本ロードレース選手権は8月下旬まで約2ヵ月間の夏休み。その間もいろいろと忙しいのですが、やっ[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
最新の関連記事(PCX[125])
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
スマホ連携TFTやスマートキー装備のDX ホンダがミラノショーで発表した2025年モデルのPCX125(日本名:PCX)。2023年には欧州のスクーターセグメントでベストセラーになった同車だが、日本で[…]
WMTCモード燃費×タンク容量から航続距離を算出してランキング化 この記事では、国内4代バイクメーカーが公表しているWMTCモード燃費と燃料タンク容量から算出した1給油あたりの航続可能距離を元に、12[…]
原付スクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があ[…]
ホンダPCX/160(2020/2021)比較試乗レビュー この記事では、ユーロ5に対応するため全面的に刷新し、第4世代となった2021年モデルと前年にあたる2020年モデルについて比較して紹介するぞ[…]
人気記事ランキング(全体)
マニア好みのボルドールカラーが映える! アクティブが手掛けるCB1000Fカスタムだが、まずはカラーリングがインパクト大! CB-Fといえば、純正カラーでも用意されるシルバーにブルーのグラフィックの、[…]
シグナスシリーズ、20年の歴史を背負うニューフェイス 以前は空冷エンジン搭載のコンパクトな原付二種スポーツスクーターとして人気を博した「シグナスX」だが、水冷の新世代「シグナス グリファス」に交代した[…]
気鋭のクルーザー専業ブランドによるカスタムクルーザー 以前に試乗記事などをお届けしたBENDA(ベンダ)がいよいよ本格上陸する。日本での輸入販売を手掛けるウイングフットより取り扱い開始が発表されたのだ[…]
軽量で扱いやすい定番ジェット TE-1はスポーティな印象を残しつつ、重量は抑えめで日常使いに適したジェット型ヘルメットです。対応は全排気量対応で、あごひもは操作しやすいラチェット式バックルを採用。Am[…]
原付免許で乗れる『新しい区分の原付バイク』にHondaが4モデルを投入! 新たな排ガス規制の適用に伴い2025年10月末をもってHondaの50cc車両は生産を終了しますが、2025年4月1日に行われ[…]
最新の投稿記事(全体)
CB1000Fをレジェンド、フレディ・スペンサーが試乗 Hondaホームカミング熊本にて、レジェンドライダーのフレディ・スペンサーがCB1000Fをサーキットでガチ走行。彼は「ビッグバイクでありながら[…]
憧れはあるけれど… 先日、周りのバイク好きの仲間から「旧車って今凄い高くなってるよね~」という話を聞きました。少し調べてみると、絶版車が増えてきている流れで、旧車の需要が高まっている様子。 …と偉そう[…]
1.生徒にアンケート調査!<免許取得と車両の購入> 坂本先生は、本年7月に北杜高校の生徒を対象に安全意識に関するアンケート調査を行った。対象は原付免許を持つ2.3年生の生徒100名と、小学校時に自転車[…]
背中が出にくい設計とストレッチ素材で快適性を確保 このインナーのポイントは、ハーフジップ/長めの着丈/背面ストレッチ素材」という3点だ。防風性能に特化した前面と、可動性を損なわない背面ストレッチにより[…]
防寒性能と動きやすさを両立させたライディングジャケットを探しているなら、コミネ(KOMINE)の「ソフトシェルウインターパーカ MJ-005」を選択肢に入れておきたい。1947年創業の国内メーカーらし[…]
- 1
- 2

















































