絶版車のエアクリーナーが欠品? 実はDIYできるよ!【スズキRG400ガンマ復活作戦】

絶版車のエアクリーナーが欠品? ならばDIYしよう!【スズキRG400ガンマ復活作戦】

古いバイクに乗ってると避けて通れないのが「部品の欠品」問題。エンジン絶好調! マフラーもヨシ! 外装もピカピカ!・・・なのに、「エアクリーナーがない」ってだけで走れない。そんなトホホな場面に遭遇したこと、ある人も多いはず。たったスポンジ一個のために復活できないって理不尽すぎる。もうこうなったら作るしかない!ってことで、エアクリーナーエレメント自作に挑んでみました~!


●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)

ガンマのエアクリーナーがない!?

今回の主役は、伝説的な2ストマシン「RG400ガンマ」。最大排気量クラスの2ストで、今ではもう絶対に作れないような“傑作”です。

キャブは大掃除して組み立て完了。エンジンもオーバーホール済みでバッチリ!

いざ仕上げに取りかかったところで、異変に気づきました。

「エアクリーナーエレメントが無ぇ!」

もちろん純正はとっくに廃番。頼みのリプロ品も存在はするけど、お値段がなかなかエグいことになってます。正直、スポンジにこの価格!?って目を疑いたくなるレベル。ないと走れないので買うしかないのかと悩みまくりましたが、そのリプロ部品の画像を眺めているうちに・・・「あれ、コレって作れんじゃね?」って思っちゃったわけです。

よくよく考えてみたら、スポンジを切って貼って立体的に組めばいいわけで。・・・うん。これならいけるでしょ? ヨッシャ「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」だっ!!

材料は安価な“汎用フィルター”と“スポンジ用ボンド”

というわけで、まず用意したのが汎用エアフィルター。

サイズが合えばOK!ってノリで、大きさに余裕あるやつをチョイス。お値段もメーカーによる差異があるものの、300円から500円程度ととてもリーズナブル。リプロ部品と比べると実に20倍近い差がある。これで自作できたらマジでめっけもんです。

接着には、シート加工でも使える定番のスポンジ用ボンドを用意。・・・でもここで一点、気になるのが耐油性。昔の2ストって、フィルターにオイル染み込ませて使ってたわけで。あのオイルでボンドが溶けたら…目も当てられません。走行中に分解してそのままキャブレターに吸い込まれるなんて想像もしたくない(ブルル!)。そんな事態に備えて、先に実験で確かめておきました。

スポンジを小さく切って、ボンドで貼り付け。赤で囲ったとこのスポンジを使ってます。

2ストオイルに一週間浸して様子を見てみました。そして、くっつけたスポンジ同志をつまんで引っ張ってみると・・・。

むぎぎぎ・・・ミリミリミリッ! お、剥がれない! いやむしろ、接着されてないトコのスポンジの方が破けた!

これだけ強度があるならこれはイケる! ということで、本番スタートです。

型紙を起こして、スポンジをカット

まずは、フィルターのフレームに合わせて型紙を作成。

現物あわせで、しかもフレームを動かしながら「立体を平面に」書き出すなんて初挑戦なものだから、線は踊るし、形は歪むしで一苦労。

でもなんとか型が取れました。

型紙をハサミで(これまた歪みましたが)切り出して。

汎用フィルタースポンジにマジックで転写をします。

思ったより面積大きかったですが、汎用フィルター一枚で十分足りました。そして、汎用フィルターの線に沿ってエレメント材料を切り出し!

よし、これで材料の準備は整いました。

ボンドでスポンジを立体的に組み立てるのだ

まずは「輪っか」になるパーツを組み立てます。自然な楕円になってほしいので2ピース構造にしたのですが、これをボンドでくっつけて強度を確保できるのか? 不安を残しつつも接着したところ・・・

30分もすれば十分な強度を発揮!

ちゃんとフレームに装着できました。おっかなびっくりだったけど、予想外の強度に幸先明るいです。これで外れなきゃ、ちゃんとエアクリーナーエレメントとして機能してくれることでしょう! 強度に確信持てたわけだし、組み立て作業はサクサク進みます。

ボンドをたっぷり塗って、ベースと輪っかを接着。

ラストの天板部分はフレームを接着される可能性があったので、離型剤がわりにマスキングテープ+シリコングリスを塗布してくっつくのを回避。

最後の天板パーツを接着!!

乾燥を待って、恐る恐るフレームから外してみたら・・・

完成しました~!!

ボンドがはみ出してたり、形がいびつだったりはするけども・・・まぁそれはDIYの醍醐味ってことで。

だけどそのぶん接着はしっかりしていて、内側から引っ張ってみても隙間はナシ。ちゃんとエアクリーナーエレメントとして仕事をしてくれそうですッ!

見た目気にしないなら“全然アリ”なDIY!

改めてフレームに組付けた状態がコチラ(↓)

やっぱりハミでた接着剤とか、イビツな切り口とか気になるポイントはいっぱいあれども・・・。まあ、取り付ければ見えないパーツだし!性能的には問題なさそうなので(初回としては)上等ではないでしょうか?

むしろ、もしダメだったとしても「何回でも作り直せる安心感」があるのがGOODなのです! 汎用品のフィルターは安価だし、慣れれば製作時間もグッと短縮できるはず。最初こそ手こずったけど、2回目ならたぶん半分以下の時間でいけると確信しています。

しかも・・・ 自分で作ったってだけで愛着マシマシなのです。コレが一番大事!

まとめ:チョイ手間で愛着マシマシ

・エアエレメントが欠品でも自作で対応できる!
・使用するボンドの事前テストは必須!
・型紙づくりは慎重に。でも多少いびつでも問題ナシ!
・くっついちゃ困るところはマスキングテープ+シリコングリスで対応可能

古いバイクを維持するうえで、こういうチョイ手間DIYってホント大事だなと実感しました。部品を自作して乗る旧車ってちょっと誇らしくないですか?まさに「愉快愉快♪」って心持ちなのです。

今後エアクリーナーエレメントの欠品に出くわしたら、今回のノウハウを活かしてDIYに挑戦してみたいと思います。この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!

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