
3月28~3月30日まで開催された東京モーターサイクルショーでは、数々の新商品も展示。その中で本誌取材班が見かけたヘルメット装着アイテムのユニーク商品×2点を紹介だ。
●文:ヤングマシン編集部(ミヤケン) ●写真:荒木優一郎、真弓悟史 ●外部リンク:addSound(KIJIMA)、BRAKE FREE
ヘルメット自体が鳴る! 後付けスピーカーがキジマ扱いに
addSound[KIJIMA] ●価格:4万2900円
これまでヘルメットにスピーカーを仕込むときは、内装を外してうまく位置を合わせたり配線処理も行わなければならないなど、何かと大変だった。しかも、フルフェイスとオープンフェイスなど複数のヘルメットを使い分けている場合は、その取付の面倒さから各々のヘルメットにスピーカーを取り付けざるを得ず、コスト的にも嵩んでしまうこととなっていた。またヘルメットとの相性によってはスピーカーが耳に当たって被り心地が気になってしまうなんて場合も…。
そんな煩わしさと一切おさらばできる新アイテムが、“風とナビよ音楽ともっと楽しく走る”をキーワードにキジマが新発売したバイク用Bluetoothサウンドシステム「addSound(アド・サウンド)」だ。
addSoundはヘルメット内部にスピーカーを取り付けるのではなく、エキサイター(振動型スピーカー)でヘルメット本体をスピーカーにしてしまうという新発想の商品。ヘッドフォンと違って耳を塞がないから、カーオーディオと近い音楽環境を作り上げることができるのも特徴だ。
エキサイター(振動型スピーカー)がヘルメット本体を共鳴させて音を出すという仕組み。骨伝導スピーカーの技術を応用したものだ。
風圧で邪魔にならなず安全性にも問題になりにくい後頭部に装着。事故など大きな衝撃が加わった際は外れて飛んでいくので安心だ。
取付はとにかく簡単。ヘルメット後部にリング状のベースを貼り付け、その上にユニット本体をワンタッチで装着するだけでOK。ヘルメット内部にスピーカーや配線を取り付ける必要は一切無い。取り付けた後は手持ちのスマートフォンとBluetoothで接続し、音楽アプリや各種音楽配信サービス、インターネットラジオ、GoogleMapなどのナビゲーション音声などを聞くことができるようになる。また、別売の専用マイクを接続すれば電話や音声コマンドへの対応、LINEやFacebookメッセンジャーなどでのグループ通話といったものも可能になってくれる。addSoud本体の重量は198gと軽量なので、被っていてもあまり重さは気にならない。もちろんIPX5相当の完全防水で激しい雨に濡れても大丈夫だ。
想像以上に自然に聞こえるのと、耳元で大きな音が鳴るわけではないのでとても快適。周囲の音も素のヘルメットと同じように聞こえる。
addSound(アドサウンド)は耳を塞がない仕組みなので音楽や音声ナビを聞きながら周囲の音が聞こえるというのもポイント。緊急車両の接近など聞き逃してはいけない音にもバッチリ対応してくれる。音質はヘルメット素材に共振しやすい周波数をカットするなど工夫しているほか、カーボンやFRPなど異なる素材のヘルメットに合わせて数種類のモードを用意したという。
音量調整はaddSoundが走行状態や周囲の音の状態を判断しながら自動で行ってくれるというのも何気に賢い! 賢いと言えば、加速度センサーを内蔵しているので音楽の再生・停止はヘルメットをポンッと叩くだけでOK。今までのように操作ボタンを手探りする必要が無いから、非常に使いやすい!!
以前はクラウドファンディングで販売されたが、今年からキジマの取り扱いで全国に展開される。
取付ベースを後から購入すれば、複数のヘルメットを使い分けている場合も本体は1台で済むのも嬉しい。ヘルメット外部に突起物が付くということで、いざというときの心配をする人もいるかと思うが、ある程度のショックが加わるとaddSound本体はヘルメットから外れるようになっていると言うから、そちらについても安心だ。バッテリーは1000mAで連続再生時間は無風状態の40km/h走行時で約18時間、100km/hだと約5~6時間で、満充電しておけばほぼ1日もつ容量を確保。その充電は約2時間で満充電となっている。カラーバリエーションは「オフホワイト」と「マットブラック」の2色だ。
アメリカのTV番組でブレイクしたアイテムが日本上陸
BRAKE FREE[ADELIC商事] ●価格:2万9980円
ヘルメットに装着するアイテムで気になったアイテムがもうひとつ。それが日本への正式導入がスタートした「BRAKE FREE」だ。BRAKE FREEは’17年にクラウドファンディングのIndieGOGOでスタートアップした企業で、米国のTV番組で紹介されてから向こうでは大ブレーク。こちらもベースを介してヘルメットにワンタッチで本体ユニットを取り付けるだけの簡単システムとなっている。
クルマでいうところのハイマウントストップランプのような位置で光るため安心感がありそう。
で、こちらは何なのかと言うと、後続車から追突される危険性を大きく減らしてくれるスマート・ワイヤレスブレーキライト。加速度センサーとジャイロセンサーによって、通常ブレーキや緊急ブレーキはもちろん、エンジンブレーキやシフトダウンといった減速状態を高精度で感知。それによって100個に及ぶ超高輝度LEDが点灯して後続車に知らせてくれるというものだ。
ドライバーの目線の高さで光ってくれるので視認性は大きく向上。バイク本体のテールランプが低い位置にあったり荷物満載でテールランプが隠れがちな長距離ツーリングの車両ほど、その恩恵は大きいと見た。また、バイク本体のブレーキランプが点灯しないエンジンブレーキでもBRAKE FREEはしっかり光ってくれるというところが強調しておきたいポイントだ。
重量は200gで防水仕様はIP65。バッテリー持続は8~12時間と、やはり満充電にしておけば1日を通して使用することが可能となっている(充電ポートは防水仕様のUSB-Cで充電時間は1.5時間)。カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色。追加ヘルメットマウントは2個セットで1580円だ(SHOEI Z-8専用は1個1280円)。今なら定価2万9980円のところ日本導入記念で2000円割引きの2万7980円で販売となっている。
取付は付属のマウントを介してワンタッチ。追加マウントも別売で用意されている。
カラバリはホワイトとブラックで、多彩なヘルメットとも良好にマッチングしていた。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(キジマ)
車種別専用パーツのラインナップも豊富なキジマ バイクメーカーが開発するニューモデルは、ビギナーからベテランに至る幅広いニーズに応えるべく仕様を決定しているが、それでもすべてのライダーの希望を叶えられる[…]
多彩なアダプターによる高い汎用性と車載できるコンパクトさが魅力 買い物用の原付スクーターでもサーキットを走行するレーサーでも、タイヤの空気圧管理は重要。空気圧は徐々に低下するため、気がついたら標準値よ[…]
使用目的に合わせて作られた、大小さまざまな容量別のシートバッグ〈PLOT〉 ハーレーダビッドソンX350『WITH HARLEY』号担当のミヤシは、キャンプツーリングが大好きだ。愛車のスポーツスターや[…]
長いガラス繊維をシート状に編み込むことで飛散を防ぐ ガラス繊維を重ね合わせたグラスウールは、吸音性が高いものの、経年変化で繊維が飛散すると消音性能が低下するため、定期的なウール交換が必要。また一般的な[…]
ユーザーのニーズを聞いてオリジナル商品を開発してきた 荒川区の花農家の次男に生まれたキジマ創業者の木嶋孝行は、エンジン付きの耕運機がスピーディに効率よく田畑を耕すのを見たときに、「自分のアイデアで素晴[…]
最新の関連記事(バイク用品)
HJCハイパフォーマンスの結晶、RPHA 12 まずは、ベースモデル「RPHA 12」について振り返っておこう。RPHA 12は、HJCが安全性、快適性、そして空力特性を極限まで追求したという、まさに[…]
インパクト大の「ミニオン」になりきれるグラフィック 「V10 ミニオンズ スチュアート」最大の特徴は、ヘルメット全体でミニオンになりきれる、遊び心あふれるデザインにある。とくにヘルメットの天頂部に大き[…]
人気のネオクラシックモデルに、グラフィックデザイナー・加藤ノブキ氏の第3弾 アライの「RAPIDE-NEO(ラパイドネオ)」は、かわす性能を追求した安全性と快適性をクラシカルなデザインでまとめたフルフ[…]
ヘルメット装着で手軽に使えるバイク専用ドラレコ 「MiVue MP30Gps」は、バイクヘルメットに直接取り付けられるドライブレコーダー。これまでの車体取り付け型と違い、視界や操作性を損なわずに取り付[…]
数秒でスマホを着脱! 走行中もズレずに快適 SP CONNECT「バークランプマウントプロ SPC+」は、バイクのハンドルバーに数秒でスマホを取り付けられる便利なマウントです。スマホの着脱がワンタッチ[…]
人気記事ランキング(全体)
みんながCBを待っている! CB1000Fに続く400ccはあるのかないのか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「[…]
乗ったのはサーキット、でもストリートの皆さんにこそ魅力を届けたい! 今春の大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたCB1000Fコンセプト、その披露にともない、私、丸山浩はCBアンバサダーに任命さ[…]
レイザーラモンRGほかスペシャルゲストも多数参加 株式会社バイカーズパラダイスが、神奈川県南足柄市とタッグを組み、本格的にバイク乗りを歓迎する取り組みをスタートさせる。これは「バイク乗りによる地域創生[…]
フリーズテック史上最高の冷感「氷撃α」シリーズ フリーズテックから登場した「氷撃α」長袖クルーネック冷感シャツは、シリーズ史上最高の冷感性能を誇る最新モデルです。生地表面に特殊な冷感プリント加工を施す[…]
“モンスターマシン”と恐れられるTZ750 今でもモンスターマシンと恐れられるTZ750は、市販ロードレーサーだったTZ350の並列2気筒エンジンを横につないで4気筒化したエンジンを搭載したレーサー。[…]
最新の投稿記事(全体)
HJCハイパフォーマンスの結晶、RPHA 12 まずは、ベースモデル「RPHA 12」について振り返っておこう。RPHA 12は、HJCが安全性、快適性、そして空力特性を極限まで追求したという、まさに[…]
ニューカラーにスマートフォン接続機能が進化 2026年モデルでパッと目を引くのは、やはりカラー&グラフィックの変更だ。「Ninja ZX-4R SE」は、パールロボティックホワイト×メタリックスパーク[…]
5月まで数々の噂に揺れたKTMだったが── KTMの親会社であるピエラ・モビリティが戦略的経営再建計画を発表したのは、昨年11月26日のことだった。そして今年5月22日、KTMはインドのバジャジ(Ba[…]
バイク王公式アンバサダーに就任した紅色侍の“ずま” 今年2025年4月から始まったバイク王の新CMで、ハイテンポで歌い上げる「バイクを売るならGO〜バイク王〜」のフレーズに気づいたライダーも多いはず。[…]
ユニバーサルソケット:手が届かないボルトやナットもナットグリップ機構でホールド スチールボールによるフリクションでボルトやナットをホールドするコーケン独自のナットグリップソケットと、ユニバーサルジョイ[…]
- 1
- 2