バイクの雪道走行は違反になる? 走るための条件は? 教習指導員が解説してみた

バイクの雪道走行は違反になる? 走るための条件は? 関連法令について教習指導員が解説してみた

郵便局の配達員やバイク便のライダー等、雪道であろうと走らなければならない場合も多いですが、こうした場合の走行って法的に問題ない? そんな知っているようで知らない、この疑問。マッスルバイクちゃんねるを運営するYoutuberにして、教習指導員のゆっちさんが解説する。


●文:ヤングマシン編集部(ゆっち:マッスルバイクちゃんねる)

答えは違反になる場合あり!

結論から言うと、バイクでの雪道走行は違反になる場合があります。違反点数が加算されることはないものの、反則金を支払う必要があるので、冬でもバイクに乗る方は、違反の対象になる条件をきちんと知っておきましょう。

ちなみに雪道だけではなく、凍結路面を走行した場合も違反の対象になる場合があります。あまり雪が降らない地域に住んでいる方も無関係ではないのです。

各都道府県ごとに基準あり

違反の基準は道路交通法に基づいていること自体は共通なものの、施工細則という形で各都道府県ごとに異なる記載がなされています。

たとえば京都の場合。「積雪または凍結している道路において、自動車(2輪のものを除く。)を運転するときは、滑り止めの措置としてタイヤ・チェーン・スノータイヤ(凍結している道路を除く。)等を使用すること」となっており、ノーマルタイヤのバイクで積雪路面を走行しても違反の対象にはなりません。

しかし大阪となると、お隣にもかかわらず違反基準が異なります。「積雪または凍結のため滑るおそれのある道路において自動車を運転するときは、タイヤチェーンを取り付ける等の措置を講ずること。」となっており、(二輪のものを除く)と記載がないので、ノーマルタイヤのバイクで積雪路面や凍結路面を走行してしまうと、違反になってしまうのです。

それ以外にも原動機付自転車も違反の対象となっていたり、「タイヤの突出部が50%以上摩耗していないものに限る」など、都道府県によって条件に大きな差がある場合もあります。

そのため最低限、自分が住んでいる地域やツーリング先の地域ではどのような基準になっているのかを確認しておくと安心です。日本自動車タイヤ協会のホームページにある「都道府県道路交通法施行細則または道路交通規則における積雪、凍結時の防滑措置」によくまとまっているので、一度読んでおきましょう。

バイクにもチェーンやスタッドレスがある

このように地域によってはバイクもクルマと同じようにノーマルタイヤで積雪路面や凍結路面を走行すると違反になる可能性があります。

もしバイクで雪道を走行する場合には、クルマでいうところのスタッドレスタイヤ(スノータイヤ)やタイヤチェーンが必要になってきます。ところが「そもそもバイク用なんてあるの?」と思う方が多いぐらいで、残念ながらあまり流通していません。

スパイクタイヤという選択肢もありますが、日本では125cc以下のバイクでの利用しか認められていない上にラインナップも少数派。

現状では適合するスタッドレスタイヤやスパイクタイヤ、タイヤチェーンがないバイクに乗っている人は、残念ながら現時点では諦めるしかないのが実情です。

ひとつの方法として、滑り止め措置として認められるかは現場の警察官の判断に委ねられるようですが、どのようなタイヤにも使用することのできるスプレー式のタイヤチェーンもあります。どうしても積雪路面・凍結路面を走行しないといけないという方は検討の価値ありです。

いずれにせよ違反云々と言わずとも、積雪路面・凍結路面の走行は危険な上に、他人を事故に巻き込んでしまう可能性すらあります。よほどの理由がない限りはやめておくのがベストです。

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