
カワサキは、スポーツツアラー・ニンジャ1000SXを排気量アップした「ニンジャ1100SX」へとフルモデルチェンジし、2025年モデルとして3月29日に発売する。ブレンボ製フロントブレーキコンポーネントとオーリンズ製リヤショックを追加装備するSEも新たに登場したほか、日本仕様はETC2.0車載器やGPS機能付き前後ドライブレコーダーを標準する。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:カワサキ
人気のスポーツツアラーに排気量アップでさらなる余裕、ドラレコなど新装備も
カワサキは、ニンジャ1000SXから排気量アップでフルモデルチェンジした「ニンジャ1100SX(Ninja 1100SX)」を発表した。エンジンは同時発表のヴェルシス1100と同様に排気量を1043cc→1098ccへ。装備も最新トレンドへアップデートし、さらにブレンボ&オーリンズで武装した上級仕様のニンジャ1000SX SEを新たにラインナップする。
最高回転域のみ従来が上回るが、ほぼ全域でトルク&パワーアップしていることがわかる。
エンジンは排気量を増したことで全回転域でトルクアップを果たし、5速/6速のロング化によってクルージング時の回転上昇を抑えることが可能に。このほか吸気ポートの縮小による流速向上やカムプロフィールの変更、φ38mmスロットルボディの採用などが前作からの違いになる。
最高出力のみを見れば、従来の141ps/10000rpmから136ps/9000rpmとなっているが、これはヴェルシス1100との共通化やトルク重視のキャラクターがニンジャ1100SXにはふさわしいという判断だろう。ちなみにWMTCモード燃費は17.5km/Lから18.6km/Lへと改善されている。
欧州発表時のリリースでは、従来2500rpm以上で作動したカワサキクイックシフター(KQS)は1500rpmから働くようになったとされ、これらにより低回転域での扱いやすさとシームレスなギヤチェンジを手に入れている。
SE(左)とスタンダードモデル(右)。パニアケースは純正アクセサリーだ。
ハンドルバーにはUSBタイプC充電ソケットが新設され、タイヤは最新のブリヂストン・バトラックスハイパースポーツS23を標準装備。外観のデザインはこれまでを踏襲するものの、リヤブレーキはディスク径がφ250mm→260mmに大径化、ハンドルバーウェイトの追加など細部までリファインされた。
さらに、新グレードとしてブレンボ製ブレーキコンポ―ネント(M4.32 フロントブレーキキャリパー/マスターシリンダー/ディスクローター/金属メッシュホース)とオーリンズ製S46リヤショック、グリップヒーターを標準装備したSEモデルが追加された。
スマートフォン連携機能を有したアプリ「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」は新バージョンになり、音声コマンドが可能になった。
これまで通り、手動で高さ調整可能なスクリーン、2段階のパワーモード、インテグレーテッドライディングモード、カワサキトラクションコントロール(KTRC)、クルーズコントロールといった先進機能も備えている。
日本仕様の目玉になりそうなのは、エリミネーターSEで日本メーカーとして量産車初採用した前後ドライブレコーダーが標準グレード/SEともに標準装備されること。GPS機能付きなので、緊急時の映像をとらえるほかにツーリングムービーの作成などさまざまな活用ができそうだ。このほかETC2.0車載器やUCB-Cポート、グリップヒーターも標準装備。
なお、このモデルはカワサキケアモデルに指定されており、1か月目点検に加え、3年間の定期点検とオイル交換(オイルフィルター含む)を無償で受けることができる。
ニンジャ1100SX/ニンジャ1100SX SE のカラーバリエーションとスペック
KAWASAKI Ninja 1100SX[2025 model]メタリックカーボングレー×メタリックディアブロブラック(GY1)
KAWASAKI Ninja 1100SX[2025 model]パールブリザードホワイト×パールメテオグレー(WT1)
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 model]エメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラック(GN1)
車名 | Ninja 1100SX / Ninja 1100SX SE |
型式 | 8BL-ZXT10H |
全長×全幅×全高 | 2100×805×1190-1225mm |
軸距 | 1440mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 820mm |
キャスター/トレール | 24.7°/110mm |
装備重量 | 236kg【235kg】 |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 1098cc |
内径×行程 | 77.0×59.0mm |
圧縮比 | 11.8:1 |
最高出力 | 136ps/9000rpm |
最大トルク | 11.5kg-m/7600rpm |
始動方式 | セルフ式 |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 19L |
WMTCモード燃費 | 18.6km/L |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
タイヤサイズ後 | 190/50ZR17 |
ブレーキ前 | φ300mmダブルディスク 【ブレンボ製φ300mmダブルディスク】 |
ブレーキ後 | φ260mmディスク |
乗車定員 | 2名 |
価格 | 177万1000円【198万円】 |
車体色 | 灰×黒、白×灰【緑×黒】 |
発売日 | 2025年3月29日 |
ニンジャ1100SX/ニンジャ1100SX SE のディテール
純正アクセサリー
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 model]
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 model]
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 model]
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 model]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型スポーツ&ツーリング)
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
ダーク系カラーに異なる差し色 カワサキモータースジャパンは、ニンジャ250と共通の車体に398ccの並列2気筒エンジンを搭載し、タイヤをラジアルに換装したフルカウルスポーツ「ニンジャ400」の2025[…]
ボッシュ製ARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)を備える最高峰ツアラー カワサキは「ニンジャH2 SX SE」の2025年モデルを3月1日に発売すると発表。カラー&グラフィックの変[…]
ニンジャ400/Z400から排気量を451ccに拡大、2023年秋に初登場 カワサキは欧州で「ニンジャ500」および「Z500」の2025年モデルを発表した。日本でも販売中のニンジャ400/Z400の[…]
人気のスポーツツアラーに排気量アップでさらなる余裕を カワサキは欧州と北米で、ニンジャ1000SXから排気量アップでモデルチェンジした「ニンジャ1100SX(Ninja 1100SX)」を発表した。エ[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
零戦と同じサムライ魂が成し遂げた「究極」の直4 時代を決定的に「それ以前」と「以降」に画してしまうエポックメイキングなモデルはいくつか存在する。中でもZ1は紛れもない革命児である。 量産車として世界初[…]
海外の名車を規範とした1960年代初頭以前の日本車 W1シリーズの原点はメグロのスタミナK1で、K1の規範はBSAが1946~1960年代初頭に販売したA7である。ではそもそも、なぜ1923年に創設さ[…]
硬派なライダー向けに180°クランクの高回転ツインを搭載! カワサキがZ750FX系列の末弟としてZ250FTをリリースしたのは1979年2月。 1970年代のはじめから、250ccのスポーツバイクは[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
実質年利2.69%のスペシャルクレジットキャンペーン カワサキモータースジャパンでは、2025年7月1日(火)よりカワサキモーターサイクル新車(国内全モデル、年式排気量不問)/オフロードコンペティショ[…]
人気記事ランキング(全体)
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
カバーじゃない! 鉄製12Lタンクを搭載 おぉっ! モンキー125をベースにした「ゴリラ125」って多くのユーザーが欲しがってたヤツじゃん! タイの特派員より送られてきた画像には、まごうことなきゴリラ[…]
ヤフオクで入手したバイクのフレーム。ネジ穴に折れたボルトが詰まってた!? ヤフーオークションでとあるバイクのフレームを買ったところから話が始まります。 フレーム曲がりや大きな傷もなく、塗装面も小傷があ[…]
“次”が存在するのは確実! それが何かが問題だ 2018年に発売されたモンキー125以来、スーパーカブC125、CT125ハンターカブ、そしてダックス125と、立て続けにスマッシュヒットを飛ばしている[…]
原付スクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があ[…]
最新の投稿記事(全体)
零戦と同じサムライ魂が成し遂げた「究極」の直4 時代を決定的に「それ以前」と「以降」に画してしまうエポックメイキングなモデルはいくつか存在する。中でもZ1は紛れもない革命児である。 量産車として世界初[…]
ある日チョークが折れてた エンジン始動でチョークを引っ張ったらいきなり「スポッ」と抜けた。何事かと思ったら・・・折れてたんですよ、チョークケーブルのアウターが。 アクセルやクラッチ、スロットルやチョー[…]
パフォーマンスマシン:レース環境から生まれた究極の操作性 ハイパフォーマンスを追求するのが、ハーレーの最新トレンド。優れた機能性とカスタムルックを高い次元で両立するアルミニウムビレット製のラジアルハン[…]
嬉しい、楽しい、大好きダックス! ちょっとHondaのバイクに詳しい人なら知っていることかもしれませんが、じつは「ダックス」のペットネームを持ったバイクがはじめて誕生したのは、半世紀以上も前の1969[…]
BSAにニッチな2ストロークマシンがあったとは…… BSAモーターサイクルは7月16日(日本時間同日19時過ぎ)にSNSを更新し、『We’re going back to the future on […]