“遊び心”を解放させる不思議なキャラクター

「遊びたくなる」「テキトーに流して走るのが楽しい!」ホンダ モンキー125試乗インプレッション

ホンダ|モンキー125

原付二種スクーターだけでなく、ギヤ付きモデルまで125ccクラスに幅広いラインナップを持つホンダ。今回は“オールドウイング”シリーズからモンキー125をピックアップ!


●文:ヤングマシン編集部(谷田貝洋暁) ●写真:富樫秀明 ●外部リンク:ホンダ

グロムとは違うのだよ、このモンキー125は!

2018年7月、オールドウイングシリーズ第1弾として、スーパーカブC125よりも2か月だけ早く発表&発売されたモンキー125。思えばこのモンキー125とスーパーカブC125の成功が、のちのCT125ハンターカブやダックス125といったオールドウイングシリーズの続編を生み出す礎となったわけだ。

これらオールドウイングシリーズの面白いところは、日本国内主導の企画発案でないところ。……と言うのもタイをはじめとする東南アジア地域では、趣味性の高い乗り物としてモンキーやスーパーカブがカスタムベースとして持て囃されており、そんな需要を見込んで生まれたのがモンキー125やスーパーカブC125であり、現在のオールドウイングシリーズというわけだ。

【GROM】MT仕様のエンジン、車体の一部はモンキー125と共用するも、牧歌的なモンキーのキャラに対し、スポーツバイクとして作り込まれているのがグロムだ。スポーティなポジション&モノショックに加え、最高出力で0.6㎰ほどパワフルなエンジン特性が与えられている。またモンキーにはできない2人乗りも可能だ。

そんな出自もあり、所有欲を満たす贅を尽くした細部への作り込みもオールドウイングシリーズの特徴。モンキー125は、小ぶりのヘッドライトにクロームメッキが施された前後スチールフェンダーといった部分に格別のこだわりを感じられる。

車体に関しても、ベースであるグロムからかなり手が入れられている。ツインショック化とともに軸間距離を55mm(2018年の登場時は45mm)も短縮。一人乗り専用シートに割り切ることで、モンキーらしい台形のシルエットを作り出した。

エンジンに関しても、グロムはあくまでスポーツバイクとして作り込まれているのに対し、モンキー125は吸排気系やエンジンのFIセッティングが異なる。最高出力&最大トルクの発生回転域は500rpmほど引き下げて中低速域のトルクを増強。アップライトで牧歌的なライディングポジションとこの中低速重視のエンジンキャラクターのおかげで、トコトコと気楽にお散歩するくらいのペースで走ると一番モンキーらしさが味わえる。

776mmの低シート高&コンパクトな車体で膝をかなり余らせた状態で踵までべったり。ポジションはコンパクトだが意外に窮屈感はない。分厚いシートがフカフカで座り心地Good!!【身長:172cm/体重75kg】

またモンキー125で面白いのは、乗ると“ついつい余計なことをしたくなる”ところ。おそらくモンキー125の軽量コンパクトさがそうさせるのだろうが、走っているうちに、リヤをブレーキロックしたらうまくブレーキターンできるんじゃないの? とか、コイツとならもしかしてフロントアップできるんじゃないの? なんて気分になってくる。

遊び心がくすぐられるというかなんというか……、ついつい余計なことをしたくなる(笑)。でも、これこそがモンキーというバイクのキャラクターの核心だ。

【TESTER 谷田貝洋暁】初心者向けバイク雑誌の編集長を経てフリーランス化したライター。“無理/無茶/無謀”の3無い運動を信条としており、毎度「読者はソコが知りたい!」をキラーワードに際どい企画をYM編集部に迫る。

オールドウイングシリーズとは?

ホンダが1960年代に使っていた“旧タイプのウイングマーク”を模したエンブレムを備えるのがオールドウイングシリーズ。2024年現在、オールドウイングシリーズはモンキー125、スーパーカブC125、CT125・ハンターカブ、ダックス125の4台がある。

モンキー125はオールドウイングシリーズの中で唯一クラッチレバーを備えたMT仕様。他のモデルは自動遠心クラッチ仕様でAT限定免許で運転可能だ。

Monkey 125

スーパーカブC125は初代スーパーカブ・C100の意匠をオマージュ。スマートキーにステンレスマフラー、切削ホイールなどを装備する“史上最も豪華なスーパーカブ”。

CT125ハンターカブは、カブお得意のユニットステアではなく、トップブリッジを備える車体からくる走行性能の高さがポイント。見た目通りきっちりオフロード走行もこなす。

プレスフレームを引っ提げ、ダックスが125ccで復活。タンデム性能にこだわり、各種快適装備に加え、車体の2人乗り時の走行バランスがとてもいい。

Honda Monkey125

主要諸元■全長1710 全幅755 全高1030 軸距1145 シート高776(各mm) 車重104kg(装備)■空冷4ストロークSOHC単気筒 123cc 9.4ps/6750rpm 1.1kg-m/5500rpm 変速機5段リターン 燃料タンク容量5.6L(レギュラー指定) ブレーキF=ディスク R=ディスク タイヤサイズF=120/80-12 R=130/80-12 ●価格:45万1000円 ●色:赤、黒、白/灰

Honda Monkey125

Honda Monkey125

Honda Monkey125

車格に合わせた小ぶりなヘッドライトやフレーム塗装、クロームメッキフェンダーなど。こだわりがこれでもかと詰め込まれている。

全幅は755mm。しっかりハンドル幅があり、見た目の割にポジションはゆったり。最小回転半径は1. 9mで小回りも利く。

デジタルメーターの表示内容は、速度、燃料計、オド、トリップ×2とシンプル。燃料計が警告点滅した時の燃料残量は約1.8L。

ごろっとしたファニーなスタイリングを作り出す12インチファットタイヤ。倒立フォークにディスクブレーキと装備は本格的。

2021年のモデルチェンジでロングストロークエンジンに換装となり、合わせてギヤが4速から5速化…したものの最高速は伸びなくなった!?

他のオールドウイングシリーズとは違いクラッチレバー操作があり、ギヤも一般的な下1速、上4速シフトの5速リターン式となっている。

燃料タンク容量は5.6Lと少なめ(グロムは6.0L)だが、WMTCモード値燃費は68.7km/Lで計算上の航続距離はなんと385kmだ!

一人乗りに割り切ったことでこのサイズ感を実現。シート下とサイドカバー内部は書類&工具入れで、メットホルダーも備える。

前後ディスクブレーキでABSはフロントのみの1チャンネル。赤いスプリングのツインショックにプリロード調整機構はない。

兄弟モデル同様、細部の作り込みまで手抜かりなし。光源はヘッドライト、ウインカーから、ナンバー灯までフルLED。

【とにかく小さくコンパクト!】一人乗りに割り切った車体はとにかく軽い104kg! 全長も1710mmとコンパクトで置き場所にも困らない。

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