2021年に公開されたカスタムマシンを振り返る。ホンダ欧州イタリアは、サルディーニャ島カリャリのMAAN Motocicli Audaciとコラボレーションしたカスタムマシン「スーパーカブ125X」を2021年8月に世界春公開した。2022年モデルとして発表した新エンジンのスーパーカブC125をベースとしており、欧州でも横型エンジン系カスタムを盛り上げようという機運を感じさせた。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
生産モデルから大幅に逸脱しない設計……だけど雰囲気は一変!
日本でも好評販売中のスーパーカブC125。2021年にはアジアの一部や欧州を皮切りに新エンジンを搭載した新型へと切り替わり、日本にも導入されている。エンジンは50×63.1mmのロングストローク設定として高効率化が図られ、欧州仕様ではユーロ5に適合しつつ馬力&トルクアップなどパフォーマンスも向上。赤いライダー&パッセンジャーシートや黒いボディカラー(日本にも導入)が新鮮に映ったものだった。
このとき、新型スーパーカブC125をベースモデルとしたカスタムプロジェクトが行われ、ホンダ欧州イタリアと、サルディーニャ島カリャリ(Cagliari)のMAAN Motocicli Audaciによるコラボレーションで誕生したカスタムマシンがスーパーカブ125Xだ。
作業に要したのは2か月。カスタムパーツは生産モデルから大きく逸脱しないように設計され、ノーマル車両のLEDヘッドライトやフレームなどを活かす形で仕上げられた。注力されたのはデザイン部分とサスペンション。前後が繋がったダブルシートは革とアルカンターラで制作され、フェンダーやフォークカバーの形状は大きく変更された。
リヤフェンダーは金属製になり、ウインカーはテールランプと一体型に。樹脂製のレッグシールドやフロントのブレーキディスクカバーはCADで設計されたものだ。オーリンズ製リヤサスペンションはアンドレアーニグループからの提供で、ストロークは4cm延長されている。
右2本出しのエキゾーストは、純正のプラスチック製のデザインを活かしつつカーボン製としたサイドカバーを貫通するデザインだ。ホイールは純正をベースにブラック塗装。ブロックタイヤでヘビーデューティな雰囲気を演出する。
このマシンはほぼ完全にサルディーニャで造られた製品であり、「Dust’n’Sardinia」というイベントで500kmを超えるダートロードを走破できるように設計されているという。スーパーカブ125Xの実車は、2021年9月17日~19日の Dust’n’Sardinia 2021 でお披露目された後、11月のEICMA(ミラノショー)に展示され話題を振りまいた。
今見ても新鮮なスタイリングのスーパ125Xは、CT125ハンターカブとはまた違った雰囲気のヘビーデューティを思わせる。アーミーテイストのカスタムのお手本になりそうな1台だ。
詳細画像は次ページ↓↓で紹介しよう。
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