
ホンダは、2023年に欧州でベストセラースクーターになった「PCX125」をモデルチェンジ。より流麗なスタイリングにするとともにデラックスバージョンのDXを追加。Honda RoadSync対応の5インチTFTディスプレイなどを採用した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
スマホ連携TFTやスマートキー装備のDX
ホンダがミラノショーで新型PCX125(日本名:PCX)を発表した。2023年には欧州のスクーターセグメントでベストセラーになったPCX125だが、日本でも原付二種クラスでCT125ハンターカブと人気を二分し、軽二輪(~250cc)クラスの兄弟車PCX160も、断トツのレブル250を除けば兄弟車のADV160とともに最上位に君臨。またアジアでも人気機種として各地域にラインナップされている。
そんなPCX125だけに、さらなる堅固な地位を築くべく王道を行くようなモデルチェンジ内容だ。
まずエンジンはユーロ5+に適合するためECU設定と触媒位置が新しくなり、O2センサーを追加。外装デザインはボディワークが更新され、スポーツバイクのような眼光とシャープな面構成になった。
大きなトピックになるのは、上位モデルのデラックス仕様=DXグレードの追加だろう。DXには新たに5インチTFTディスプレイが追加され、ホンダロードシンクによるスマートフォン連携機能を獲得。さらにスマートキーも採用し、リヤショックはリザーバータンク付きに。リヤブレーキはドラム式からディスクブレーキにアップグレードされる。
ダッシュボードに違和感なく収まる5インチTFTディスプレイ。右のほうにある緑の矢印がターンバイターンナビゲーションだ。
この5インチTFTディスプレイは、ホンダロードシンクのシームレスなiOS/Androidスマートフォン接続が可能であり、左ハンドルバーの新しいバックライト付き4方向トグルスイッチで画面上のターンバイターンナビゲーションを簡単に操作できるほか、別途Bluetooth接続したヘッドセットなどで電話をかけたり音楽を聴いたりすることもできる。
さて、ここまでで日本仕様のPCXを知る方ならお気づきかもしれないが、日本仕様PCXの現行モデルはスマートキーやリヤディスクブレーキを標準装備しており、言ってみれば欧州のスタンダード仕様とDX仕様の中間的な装備となっている。ということで、日本仕様が新型に更新される際には、グレードを2つに分けるよりも欧州DXに近い1グレードのみで発売される可能性もあるだろう。
このほか、シート下の容量30.4LスペースやUSB-Cソケット内蔵のグローブボックス、電子制御のホンダセレクタブルトルクコントロール(いわゆるトラコンに相当)、容量8.1Lの燃料タンク×47.6km/LのWMTCモード燃費=航続距離約385kmなど魅力的なスペックはほぼそのまま継承している。
HONDA PCX125 / DX[2025 EU model]
HONDA PCX125 DX[2025 EU model]Pearl Snowflake White
HONDA PCX125 DX[2025 EU model]Mat Dim Gray Metallic
HONDA PCX125 DX[2025 EU model]Pearl Dark Ash Blue
HONDA PCX125 DX[2025 EU model]Mat Galaxy Black Metallic
HONDA PCX125 DX[2025 EU model]欧州ホンダの公式リリースにないDXレッドもなぜかオフィシャル画像に入っていたのでいちおう掲載。仕向け地によってラインナップされるのだろうか。
HONDA PCX125[2025 EU model]Pearl Snowflake White
車名 | PCX 125 | PCX 125 ‘DX’ |
全長×全幅×全高 | 1935×740×1125mm | ← |
軸距 | 1315mm | ← |
最低地上高 | 135mm | ← |
シート高 | 763mm | ← |
キャスター/トレール | 26.5°/80mm | ← |
装備重量 | 133kg | 134kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク単気筒 SOHC4バルブ | ← |
総排気量 | 125cc | ← |
内径×行程 | 53.5×55.5mm | ← |
圧縮比 | 11.5:1 | ← |
最高出力 | 12.5ps/8750rpm | ← |
最大トルク | 1.19kg-m/6500rpm | ← |
始動方式 | セルフスターター | ← |
変速機 | Vベルト無段変速 | ← |
燃料タンク容量 | 8.1L | ← |
WMTCモード燃費 | 47.6km/L | ← |
ブレーキ前 | φ220mmディスク +2ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | ドラム | φ220mmディスク +1ポットキャリパー |
タイヤサイズ前 | 110/70-14 | ← |
タイヤサイズ後 | 130/70-13 | ← |
価格 | 未発表 | ← |
車体色 | 黒、灰、白、青 | ← |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 新型スクーター)
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
コスパも高い! 新型「CUV e:」が“シティコミューターの新常識”になる可能性 最初にぶっちゃけて言わせてもらうと、筆者(北岡)は“EV”全般に対して懐疑的なところがある者です。カーボンニュートラル[…]
スマホ連携TFTやスマートキー装備のDX ホンダがミラノショーで発表した2025年モデルのPCX125(日本名:PCX)。2023年には欧州のスクーターセグメントでベストセラーになった同車だが、日本で[…]
125ccスクーターよりも力強い発進加速、街中で光る静けさ ホンダがパーソナルユース向けに国内リリースした電動スクーターの第2弾「CUV e:」は、第1段の「EM1 e:」が50cc相当の原付一種だっ[…]
バイクに憧れて免許取得 初めてのスクーター体験 最初に乗ったのは「リード125」。 高い燃費性能と動力性能を兼ね備えた人気のスクーターです。 実はミクさん、公道でスクーターに乗るのは今回が初めて。試乗[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
RVF400参戦でV4パフォーマンスに優れたハンドリングと闘えるトラクションが加味され最強に! ホンダのV型4気筒戦略がスタートしたのは1982年。 VF750系に続いてVF400系も加わり、当初は高[…]
「走る」を変える次世代の相棒 一般的なガソリンバイクが燃料を燃焼させてエンジンを駆動するのに対し、電動バイクはバッテリーに充電した電気でモーターを回して走行する。そのため、排気ガスを一切排出しない、環[…]
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
メーカーメイドのカフェレーサー ’74年末から発売が始まったCB400フォア、通称ヨンフォアは、’60~’70年代に世界中でブームとなった、カフェレーサーを抜きにして語れないモデルである。カフェレーサ[…]
コスパも高い! 新型「CUV e:」が“シティコミューターの新常識”になる可能性 最初にぶっちゃけて言わせてもらうと、筆者(北岡)は“EV”全般に対して懐疑的なところがある者です。カーボンニュートラル[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒の「ニンジャZX-R」、2気筒「ニンジャ」計6モデルに10色を新設定 カワサキは欧州でフルカウルスポーツ「ニンジャ」ファミリーのうち、4気筒モデル「Ninja ZX-6R」「Ninja ZX-4[…]
ミニカーとは何かがわかると登録変更のハードルもわかる まず「ミニカー」とは、法律上どのような乗り物として扱われるのか、基本的な定義から押さえておく必要がある。実はこれ、道路交通法上では「普通自動車」扱[…]
ヤマハFZR400:極太アルミフレームがレーサーの趣 ライバルがアルミフレームで先鋭化する中、ついにヤマハもFZの発展進化形をリリースする。 1986年5月に発売されたFZRは、前年に発売されたFZ7[…]
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
50ccでも実用カブとは別系統のOHCスポーツ専用エンジンを開発! ホンダは1971年に、50ccではじめてCBの称号がつくベンリイCB50を発売した。 それまで50ccにもスポーツモデルは存在したが[…]
最新の投稿記事(全体)
ガレージで眠っているマシンを引っ張りだそう! 今後の展開も期待されるポテンシャルの高さが魅力 コンストラクターの手によるオリジナルフレームを用いたシングル&ツインレースが流行した1990年代、オーヴァ[…]
FXBRブレイクアウト:ロー&ロングスタイルでグラマラスなライン描く 2025モデルのブレイクアウトは、低く長い流麗でグラマラスなラインを描く車体に、新型ツーリングインテークをセットしたミルウォーキー[…]
歩行者が消える?超危険な「蒸発現象」による事故を防ぐ方法 2024年10月、岡山県内の道路である現象が原因となる交通事故が起きました。横断歩道を渡っていた高齢の女性をクルマがはねた、という事故です。ク[…]
2025年6月16日に83歳になったアゴスティーニのスペシャル仕様 MVアグスタは欧州で、同ブランドが2025年で創立80周年を迎えるとともに、Agoことジャコモ・アゴスティーニ氏が83歳の誕生日を迎[…]
今年の夏〜秋に走りたい、日本全国のおすすめ「ツーリングロード100」 今回、新たにヤングマシン”D”(電子版)に新規で掲載(追加)された特別ページとは、「TOURING ROAD by YMD 100[…]
- 1
- 2