BMWモトラッドは2024年10月30日、並列4気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッドモデル『S1000R』と『M1000R』の2025年モデルを発表した。国内導入時期や車両価格は未定だが、そのアップデート内容をお伝えしよう。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●写真/外部リンク:BMW Motorrad
RR同様に熟成したスポーツネイキッド
BMW S1000Rのおもなスペックとアップデート
S1000Rは、WSBK参戦を視野に入れてBMWが開発したスーパースポーツ・S1000RRのストリートバージョンで、2014年に登場した。フェアリングを軽快なものとし、アップライトなライディングポジションとデチューンされた扱いやすいエンジン特性で市街地走行を快適に楽しめるスポーツネイキッドだ。2025年式のおもなアップデート内容は、下記のとおり。
- 新排ガス規制対応と出力アップ
- 2次減速比のショート化
- Mショートストロークスロットル採用
- 電子制御デバイスのアップデート
- ヘッドライトの改良
- USB-Cソケットの装備
- ナンバープレートホルダーの改良
- 緊急通話機能の追加
999cc並列4気筒エンジンは、ユーロ5+に適応しつつ、吸気ポートの形状変更とマッピング変更によって最高出力を従来型よりも5psアップとなる170psとした。さらに2次減速比を従来型の17/45=2.647から17/46=2.706とショート化したことで加速力を高め、ストリートファイターとしての俊敏性を高めている。
また、S1000RR同様に『Mショートストロークスロットル』を新採用した。これはいわゆるハイスロ化で、スロットル全閉から全開までの回転角を従来型の72度から58度へと小さくした。全開にするためにスロットルを持ち替えたり、手首を大きくひねる必要がなくなり、エンジンとギア比の改良と相まって素早い加速を実現している。
電子制御デバイスでは、トラクションコントロール(DTC)に改良が加えられてパフォーマンスアップしたほか、ドラッグトルクコントロール(MSR)とエンジンブレーキ機能が標準装備となった。MSRはスロットル全開から全閉、あるいは急激なシフトダウンによるリヤタイヤのスリップを防ぐ機能だ。
S1000Rにはアンチホッピングクラッチが採用しているが、濡れた路面などでリヤタイヤのグリップが低下している際にMSRが介入し、スリップを防ぐ。
MSRとエンジンブレーキ機能はライディングモードと連動し、レインとロードでは最大、ダイナミックでは中程度、ダイナミックプロも中程度だがいずれも最小に設定することが可能となっている。
ヘッドライトはRRの流れをくむデュアルフローLEDヘッドライトとなり、夜間走行の安全性を高めるとともに特徴的なフロントフェイスを形成している。また、ナンバープレートホルダーがコンパクトになり車体のシルエットがよりシャープとなった。
シート下にはUSB-Cの充電ソケットを備えたほか、インテリジェントエマージェンシーコール『E-CALL』が標準装備となった。これは転倒などの緊急事態が発生した際、自動的にBMWコールセンターへ連絡する機能だ。
車体色は、ブラックストームメタリック(黒)のほかにブルーファイア×ムジェロイエロー(青×黄)、ライトホワイトユニ×Mモータースポーツ(白)の3色展開となる。
BMW M1000Rのおもなスペックとアップデート
M1000RもS1000R同様、RRモデルのストリートバージョンで、Mだからこそのスポーツ性能をBMWならではのロードスターとしてまとめたスポーツバイクだ。2025年式の性能面でのアップデート内容はS1000Rとほぼ同じだが、エンジンカバーやシャーシなどのカラー変更が行われた。
- 新排ガス規制対応
- Mショートストロークスロットル採用
- ヘッドライトの改良
- ウイングレットの色変更
- クラッチ/ジェネレーターカバーの色変更
- リヤフレームとスイングアームの色変更
エンジンは最高出力と最大トルクの数値をそのままにユーロ5+に適応。S1000R同様にトラクションコントロール(DTC)のパフォーマンスアップが図られたほか、スロットル開度を72度から58度にしたMショートストロークスロットル、デュアルフローLEDヘッドライトが採用された。
車体では各部の色変更が行われた。ウイングレットはブラックテクスチャーペイントされたほか、クラッチとジェネレーターカバーもブラックに変更。さらに従来型ではブラックだったスイングアームとリヤフレームはプラチナムグレーとなった。
車体色はライトホワイトユニ×Mモータースポーツ(白)のほか、ホワイトアルミニウムメタリックマット(銀)、ブラックストームメタリック×Mモータースポーツ(黒)の3色展開となる。
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