ドゥカティは、『ドゥカティワールドプレミア2025』の第3弾として「Scrambler Icon Dark(スクランブラーアイコンダーク)」と「Scrambler Full Throttle(スクランブラーフルスロットル)」、第4弾として「Scrambler Ducati 10° Anniversario Rizoma Edition(スクランブラー10°アニバーサリオ リゾマエディション)」を発表。スクランブラーシリーズをさらに拡充した。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●写真/外部リンク:ドゥカティジャパン
スクランブラー誕生10周年。スタンダードモデルと特別仕様車を発表
ドゥカティ スクランブラーは、2014年に登場したネオクラシックシリーズで、1960~1970年代に人気を博したモデルをモチーフとしたスポーツバイクだ。搭載するエンジンは、ドゥカティの伝統ともいえる空冷L型2気筒で、アップライトな乗車姿勢がもたらす気軽なライディングフィールを特徴としている。
2023年にモデルチェンジが行われて第2世代となったスクランブラーは、空冷エンジン単体で2.5kgを軽量化。ライドバイワイヤを採用するとともにエンジンマッピングも最適化し、「スポーツ」と「ロード」のライディングモードを採用した。さらに電子制御デバイスも進化し、ABSはコーナリング対応となったほか、トラクションコントロールは介入度を4段階に設定可能となった。また、クイックシフターに対応可能となっている(一部モデルは標準装備)。
メーターは4.3インチフルカラー液晶ディスプレイとなり、コネクテッド機能を装備。スマートフォンと連携することも可能。また、灯火類はフルLEDとなり、DRL(デイタイムランニングライト)も装備。さらに、シート下にはUSBソケットを備えている。
フレームなどをはじめとするシャーシの改良により、全体で4.5kgの軽量化を達成したスクランブラーは、795mmという低いシート高と相まってさらにフレンドリーでエキサイティングな走行特性を得た。
そして、スクランブラー誕生10周年を迎えた2024年、ドゥカティは3台の2025モデルを発表した。1台ずつその特徴を見ていこう。
スクランブラー アイコンダーク
「スクランブラー アイコンダーク」は、シリーズのスタンダードとなるアイコンの外装パーツ(フロントフェンダー/燃料タンクカバー/ヘッドライトカバー/ラジエーターサイドカバー/アンダーシートサイドカバーなど)をブラックアウトすることで、スクランブラーが本来的に持つスタイルとディテールを引き立てる。
前後ホイールはアルミキャストで、デザインはシャープなY字7本スポーク。未舗装路も安心して走れるブロックパターンのタイヤ・ピレリ製MT60RSを装着する。車体色はマットブラック(つや消し黒)のみ。
スクランブラー フルスロットル
『スクランブラー フルスロットル』は、フラットトラックスタイルを強調するエクステリアが特徴だ。車体色はブラックをベースとして、前後ホイールや燃料タンクカバーにブロンズを使い、深みのあるカラーリング(ヘリテイジライブリー)とした。また、サイドカバーにあしらった「62」のゼッケンプレートは、ドゥカティのレーシングスピリッツを表している。ちなみにこの数字は、初代スクランブラーが登場した1962年にちなんだものだ。
クロスセクションハンドルバーを装備したことで、ハンドルグリップ位置はアイコンと比較するとやや低めとなる。クイックシフターを標準装備するほか、サイレンサーはテルミニョーニ製が装着される。また、エンジン下部にはサンプガード(スキッドプレート)を装備し、レーサームードを深めている。
スクランブラー10°アニヴェルサリオ リゾマエディション
「スクランブラー10°アニヴェルサリオ リゾマエディション」は、独創性と高品質なパーツを製作するリゾマとコラボレートした、スクランブラー10周年記念特別仕様車だ。
最大の特徴は、美しいメタルローズのアルミパーツをふんだんに盛り込んだことで、ホワイトとブラックのモノトーンボディをキャンバスとして強烈なアクセントと大胆なエレガントをもたらした(車体色名はストーンホワイト×メタルローズ)。
メタルローズのアルミパーツは、メーター媒材/エアクリーナーカバー/タイミングベルトカバー/左右のエンジンカバー/フットペグにあしらわれ、スクランブラードゥカティのディテールを彩る。
そのほか、ブラック塗装されたエキゾーストパイプ+ヒートガード/バーエンドミラー/やや低めのグリップ位置となる可変式ハンドルバーを装備。クイックシフターも備えている。10°アニバーサリオ リゾマエディションは、500台限定生産となる。
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