ホンダはEICMA 2024で、電動二輪車のコンセプトモデル×2車を世界初公開した。「EV Fun Concept(イーヴィー ファン コンセプト)」、「EV Urban Concept(イーヴィー アーバン コンセプト)」の2モデルは、2025年以降にホンダが電動二輪車のバリエーションを増やしていくための尖兵となりそうだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ホンダ
新エンジン、電動スポーツ、電動都市型バイク、全部やる!
ホンダは新しい内燃機関と電動パワーユニットの両方で行く! そう高らかに宣言するかのような発表がミラノショー(EICMA 2024)で行われた。ひとつは既報の『電動過給機付きV型3気筒エンジン』のコンセプトモデルで、ホンダが電動バイクの方向へ舵を切ったと思っていたファンに絶大なるインパクトを与えたに違いない。
その一方で、ホンダは2050年までに企業活動全体のカーボンニュートラルを実現することを目指し、2040年代にはすべての二輪製品でのカーボンニュートラル達成を目標としている。これを改めて宣言するためのコンセプトモデル×2車が、同じくミラノショーで世界初公開された。
スポーツバイク然とした1台「EV Fun Concept」は、2023年11月29日に開催した「2023 Honda電動二輪事業説明会」において発信された、ファン用途を想定したモーターサイクル型電動モデル。ホンダ二輪車初の固定式バッテリーを搭載した中型排気量帯相当のネイキッドタイプのスポーツモデルで、2025年の投入を予定しているという。
今年のホンダは、全日本モトクロスや全日本トライアルで電動コンペマシンの参戦&開発を進めており、固定式バッテリーの搭載や、スロットル操作に対するフィーリングの作り込みなど、それらの参戦で得た知見が活かされることもありそうだ。
そしてもうひとつの「EV Urban Concept」は、ホンダが考える都市型モビリティを、機能を研ぎ澄ましたデザインやコネクテッド技術、自社開発のバッテリーパックを搭載することで具現化した電動モデルとしている。
ホンダは2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付け、電動二輪車市場への参入を本格化。2026までを市場参入期、2026年以降を事業拡大期と位置付け、戦略的に電動二輪車の市場投入を推進する。このまま「2030年までにグローバルで電動モデルを30機種投入」する計画に対し、確実に歩を進めていく構えだ。
EV Fun Concept
EV Fun Conceptはホンダ初の電動スポーツモデル。次世代の電動モーターサイクルならではの静かに走り抜ける感覚と、電動ならではのエモーショナルなライディングフィールの実現を目指し開発を進めている。
バイクメーカーとして長く世界の頂点に君臨しているホンダならではの「走る・曲がる・止まる」の作り込みに加え、固定式バッテリーによる搭載スペースの自由度や大出力への対応などからスポーツバイクとしてのバランスのよさが期待できそうだ。
ちなみにバッテリーは四輪車と同じ規格の急速充電器CCS2(Combined Charging System Type 2)に対応し、軽さとのバランスを最適化しながら航続距離100km以上を想定して開発しているという。
EV Urban Concept
EV Urban Conceptは、ホンダが考える都市型電動モビリティとしてゼロから再構築したコンセプトモデル。機能を研ぎ澄ますことで生まれる機能美や直感的なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)、ソフトとハードの融合が生み出す新しい体験を生み出していく。
水平基調のデザインやリムマウントの大径ディスクブレーキ、ベルトドライブなどのコンセプトモデルならではのディテールも含め見所は多そうだ。
【動画】New 2025 EV Concepts | Honda Motorcycles
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(新型EV/電動バイク)
123年以上の歴史で迎える大きな節目として電動バイクの新ブランドを構築 250~750ccのミドルクラスバイクで世界的に存在感を放っているロイヤルエンフィールドが、新しい電動バイクブランド「FLYIN[…]
タイトル争いを制したのはエンジン車の「RTL301RR」 11月3日、全日本トライアル選手権(JTR)の最終第8戦、City Trial Japan 2024 in OSAKA 大会が大阪市中央公会堂[…]
グローバル展開はMPP搭載車だけでなく専用バッテリー搭載車も ホンダは2030年までに30モデル以上の電動モビリティ投入を目標としているが、その10機種目、11機種目にあたる電動二輪パーソナルコミュー[…]
新種のジョグだとすれば電動と考えるのが妥当か ホンダは2023年に初のパーソナルユース向け電動スクーター「EM1 e:(イーエムワン イー)」をリリースし、「BENLY e: Ⅰ(ベンリィ イー ワン[…]
カワサキが電動バイクの耐久レースを開催決定! 「ニンジャグリーンカップEV」で最多周回数を競う カワサキモータースジャパンは、2024年1月に発売した「ニンジャe-1」および「Z e-1」を用いた耐久[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
プロアームはかつてのVFRを思わせるが……? ホンダが全く新しい内燃機関のコンセプトモデルとして世界初公開したのは、『new ICE concept』と名付けられたV3エンジンだった。電動過給機付きと[…]
タイトル争いを制したのはエンジン車の「RTL301RR」 11月3日、全日本トライアル選手権(JTR)の最終第8戦、City Trial Japan 2024 in OSAKA 大会が大阪市中央公会堂[…]
金属加工で培ったワンオフパーツ製作や溶接技術を生かし、マニアも納得の“サンキュッパフレーム”を製作 初期型/前期モノと呼ばれるモデルが尊重される多くの絶版車と異なり、後期型が好まれているのがホンダCB[…]
オーバーホール完了後の初期型用純正キャブレターを車体に装着。初期シリーズはツインキャブ!! 不動状態で近所のバイク屋から引き上げてきたGB250クラブマンですが、走行距離の少なさとその素性の良さを信じ[…]
海外向けのNT1100白バイ仕様だっ!! ホンダが2輪メディア向けの編集長ミーティングで白バイ仕様のNT1100海外向けモデル、「NT1100 POLICE」を世界初公開したぞ! ホンダはこれまでにも[…]
人気記事ランキング(全体)
1980年代の“ミッドナイトスペシャル”を黒ボディと金ホイールで再現?! ヤマハは欧州と北米で、ミラノショーを前に2025年モデルを発表。まずは新色“ミッドナイトブラック”をまとったXSR900だ。 […]
じつはベテランも毎回同じにできていない 半クラッチはブレーキやギヤチェンジに次いでリクエストの多い課題。その半クラ発進、じつはベテランでもその都度少し違ったクラッチミートになっていて、毎回ピッタリ同じ[…]
インドネシアで発表済みの「NMAXターボ」のグローバル版! ヤマハは欧州で新型125ccスクーターの「NMAX125」「NMAX125テックマックス(Tech MAX)」を発表した。欧州ではこれまでT[…]
金属加工で培ったワンオフパーツ製作や溶接技術を生かし、マニアも納得の“サンキュッパフレーム”を製作 初期型/前期モノと呼ばれるモデルが尊重される多くの絶版車と異なり、後期型が好まれているのがホンダCB[…]
4タイプの特徴/メリット/デメリット フルフェイス型 ジェット型 システム型 アドベンチャー(ADV)型 用途にベストなヘルメットはコレ! サイズ選びとアゴ紐の締め具合もしっかりと 各ヘルメットが持つ[…]
最新の投稿記事(全体)
面倒でもプロテクター着用はゼッタイ大事! バイク走行中の事故は、ライダーなら誰にでも起こり得ます。とくに高速走行時の転倒や事故は大きな衝撃を伴い、最悪は命に関わることもあります。そんなときライダーを守[…]
スーパーバイクが2気筒なら1000ccまでOKとなり、ホンダVTR1000Fとともに新チャレンジが始まる スズキは、知る人ぞ知るVツインスポーツにチャレンジしていたメーカー。いまもSV650系をはじめ[…]
大型トラックの渦=乱流と負圧域でバイクを吸い寄せる 大型トラックでもバイクでも、空気の塊を突き破るように走っています。そのとき空気がキレイに車体に沿って流れてくれればいいのですが、そううまくは行かず、[…]
新エンジン、電動スポーツ、電動都市型バイク、全部やる! ホンダは新しい内燃機関と電動パワーユニットの両方で行く! そう高らかに宣言するかのような発表がミラノショー(EICMA 2024)で行われた。ひ[…]
プロアームはかつてのVFRを思わせるが……? ホンダが全く新しい内燃機関のコンセプトモデルとして世界初公開したのは、『new ICE concept』と名付けられたV3エンジンだった。電動過給機付きと[…]
- 1
- 2