
ヘルメットには、ライダーの命を守る重要な役割があります。そのため定期的な手入れは必要不可欠ですが、どのように行うのが適切なのでしょうか?
●文:ヤングマシン編集部(ピーコックブルー)
汚れたら/臭くなったら洗うのではなく、手入れは定期的に
近年は地球温暖化の影響もあり、真夏は35度以上の猛暑日が続くことも珍しくありません。とくにライダーは日光を直接体に受け続けることになるので、こまめな水分補給/冷却グッズを持参するなど、熱中症対策が必要不可欠です。
またライディング中に大量の汗をかくので、ヘルメット/プロテクターは定期的に手入れをしないと、ニオイの原因になります。プロテクターの場合は、手洗いで簡単に洗浄可能ですが、ヘルメットはひと手間かかります。ではどのように洗うのが正しいのでしょうか?
まず、ヘルメットは大きく分けて内装/外装/シールドの3つを洗う必要があります。
内装:汗とニオイをやっつける
まず内装に関しては、脱着式内装タイプであれば取り外して、手洗いをするかネットに入れて洗濯機にかけることも可能です。なるべく内装を傷めたくない人は、少し手間ですが手洗いで丁寧に行うのがオススメです。
固定式内装タイプの場合は、中性洗剤を含ませた布/タオルで、叩くように拭きます。それでも取れないこびりついた汚れは、ブラシ等でこするのが効果的です。外装も同様に中性洗剤/ヘルメットクリーナーを利用して、大まかな汚れを拭き取っていきます。
なお、内装の手入れを少しでも楽にしたいライダーは、インナーキャップを被るのがオススメです。インナーキャップとは、ヘルメットの下に着用する水泳帽のような帽子で、内装のスポンジ部分に汗を染み込ませない/髪型が崩れにくいなどのメリットがあります。
シールド:視界に影響するのでこまめな手入れを
シールドについては、汚れを放置してしまうとライディング中の視界が悪くなる可能性もあるので、こまめに手入れする必要があります。基本的には柔らかい布に中性洗剤を水で薄めたものを含ませて汚れを拭き取っていくのですが、汚れが溜まりやすい細かい部分は綿棒などを利用すると良いでしょう。
なお石油系有機用剤/家庭用洗剤(酸性やアルカリ性のもの)は浸透性があり、素材を劣化させてシールドが割れたり溶けたりする可能性があるので、かならず中性洗剤を使用しましょう。
また、地面に落としてしまった/走行中に小石が飛んできたなどが原因で、シールドに大きな傷がついてしまった場合は、研磨剤を使用します。研磨剤での傷消しは、粗いものから細かいものを使って仕上げていくのが一般的ですが、はじめから粗いものを使用すると、不要な傷をつけてしまう可能性もあります。そのため、なるべく細かいものから試していき、傷が消えないのであれば粗いものを試していくのが無難です。
傷のついているシールドは、雨天/夜間時にライトの反射で視界が奪われることもあるので、研磨剤を使用しても大きな傷が残る場合は、いさぎよく新品に交換しましょう。
研磨剤で磨いたあとは、薬液を拭き取りコーティング剤を使って磨いていきます。仕上げにコーティング剤で磨いておけば、数日間効果が持続するので、軽くタオル/布で表面を拭くだけでも、きれいな状態を保つことができます。
定期的にメンテナンスする習慣を
ヘルメットはライダーの安全を守る重要な役割があるので、汚れてきたから洗うのではなく、定期的に洗う習慣をつけることが大切です。雨で濡れたヘルメットを放置しておくと、カビが発生することもあるので、注意しましょう。
※本記事は2023年8月日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(夏の暑さ対策)
Paceプロジャケット 豊富な安全装備と快適な着心地を高次元でバランスした、ワインディングやロングツーリングに最適なライディングジャケット。腕と肩のトリムには、スチールとプラスチックを組み合わせたコン[…]
電子の力で瞬時に冷却する「ペルチェ素子」を採用 このベスト最大の売りは、その冷却システムに「ペルチェ素子」を採用していること。これは、半導体の一種で、電気を流すと素子の片面が熱を吸収(冷却)、もう片面[…]
夏も活発に過ごしたいライダーに役立つ機能満載 この「バグクリア アームカバー」には、夏の活動を快適にするための複数の機能が備わっている。 蚊を寄せつけない防蚊機能 生地の染色段階で、天然の殺虫成分「ピ[…]
最新ペルチェ素子搭載の冷暖両用ベスト ライダーの体温管理に革命をもたらすかもしれない画期的な新商品が、おたふく手袋が手がけるBODY TOUGHNESSブランドから登場。それが、「BT アビリティ ペ[…]
2層構造ポリエステル生地が生み出すドライ性能 「ドラスティックドライ」シリーズの最大の特徴は、独自に開発された2層構造のポリエステル生地にある。この特殊な生地構造は、肌に接する内側の層と、外側の層で異[…]
最新の関連記事(ヘルメット)
【受注期間限定】SHOEI「EX-ZERO」新色モスグリーン 「EX-ZERO」は、クラシカルな帽体デザインにインナーバイザーを装備し利便性に優れる一方で、着脱式内装システムや、万一の際にヘルメットを[…]
SHOEIは、2025年5月9日に東本昌平のイラストをSNSで公開。このとき「WYVERN(ワイバーン)」を被っているライダーが唐突に現れたことから、もしや復活ではとの噂が立ったが、2025年6月2日[…]
ビヨンド・ザ・タイム(時を超えて) 「かわす性能」でライダーの頭を護り続けるアライヘルメットが、オールラウンドフルフェイス「アストロGX」の新グラフィックモデル「アストロGXビヨンド」を発売する。 ア[…]
高品質な『ラメ感』を演出する特殊塗装を用いたデラックス仕様 『CLASSIC AIR』は、フェイスガードを持たないオープンフェイスヘルメットで、帽体部にベンチレーションホールやスポイラーをいっさい装備[…]
イギリスやヨーロッパのレースファンが待望するIOMTT 2025年モデルが登場 アライヘルメットはマン島TT(IOMTT)を40年にわたってスポンサードしており、ライダーの安全を守り続けてきた。そのた[…]
人気記事ランキング(全体)
コーデュラ(R)ユーロ3Dメッシュジャケット:プロテクションと通気性を両立 ライダーの安全と快適を追求した一着。腕部分には耐摩耗性に優れたコーデュラ(R)素材を採用。万が一の転倒時にもダメージを軽減す[…]
運を味方につけたザルコの勝利 天候に翻弄されまくったMotoGP第6戦フランスGP。ややこしいスタートになったのでざっくり説明しておくと、決勝スタート直前のウォームアップ走行がウエット路面になり、全員[…]
ホンダ GB350S カスタムコンテストが欧州で開催 ホンダが欧州で開催した正規ディーラー向けカスタムコンテスト「Honda Garage Dreams Contest」で、スペインのHONDA MO[…]
SHOEIは、2025年5月9日に東本昌平のイラストをSNSで公開。このとき「WYVERN(ワイバーン)」を被っているライダーが唐突に現れたことから、もしや復活ではとの噂が立ったが、2025年6月2日[…]
25SJ-1 レザージャケット:普段使いもスマートに決まる、大人のレザージャケット ふだん使いにも最適な、シンプルでスタイリッシュなレザージャケット。バイクに乗る際はもちろん、街着としてもコーディネー[…]
最新の投稿記事(全体)
“主婦向けスクーター”がゴールドラッシュに バイクが売れに売れた1980年代の日本。近年の2輪車販売台数が年間約40万台前後で推移しているのに対し、当時はその数300万台以上。俗に言う日本の「バブル期[…]
スズキは、8月1日(金)から3日(日)に三重県鈴鹿サーキットで開催される「2025 FIM 世界耐久選手権“コカ·コーラ” 鈴鹿8 時間耐久ロードレース 第46回大会」に参戦する「チームスズキCNチャ[…]
免許制度は基本、ヨーロッパで共通 イタリアのバイク事情を現地からお届けするコラム「Vento Italiano」(イタリアの風)第2回。今回はイタリアの自動車運転免許制度について紹介していきます。 と[…]
3種のグレードそれぞれに専用カラー カワサキモータースジャパンは、前18/後16インチホイールを履くロー&ロングフォルムなミドルクラスクルーザー「エリミネーター」シリーズの2025年モデルを発表した。[…]
イベントが盛りだくさん! ドゥカティオーナーであるドゥカティストや、ドゥカティファンを対象としたお祭り『DUCATI DAY』が2025年も開催された。 会場である千葉県木更津市にあるポルシェ・エクス[…]