
イタルジェット(伊)は、68馬力を発揮する2気筒エンジンを搭載したスクーター「ドラッグスター700ツイン(DRAGSTER 700 Twin)」の姿とスペックを公開した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:Italjet
2022-2023年に発表したドラッグスター500GP/ドラッグスター559ツインのコンセプトを692ccツインで市販化へ
イタルジェットがとんでもないスクーターを市販しそうだ。見出しの通り692ccの並列2気筒エンジンを搭載し、フレームにはスチール製トレリス部分とアルミ製のステアリングヘッド部分を組み合わせたハイブリッドを採用。同社の得意とするI.S.S.(インディペンデントステアリングシステム)は封印し、マルゾッキ製倒立フロントフォーク、オーリンズ製のステアリングダンパーとリヤシングルショックを装備する。
そんな「ドラッグスター700ツイン(DRAGSTER 700 Twin)」は、EICMA 2022で公開されたドラッグスター500GP、EICMA 2023で公開されたドラッグスター559ツインという歴代コンセプトモデルを下敷きにしており、さらなるパワーが与えられたというメガスクーターだ。
今回のオンライン発表では外観とスペックが明らかにされたので解説していきたい。
まず水冷4ストローク並列2気筒のエンジンだが、スクータースタイルながらトランスミッションはマニュアルの6速で、クラッチも通常の湿式多板とされ、フレームに直接搭載することともにモーターサイクルと同様のチェーンドライブを採用。イグニッションシステムはデルファイ(Delphi)製のEFIだ。
前後15インチホイールには前120/後160mm幅のラジアルタイヤを装着し、ブレンボ製ブレーキシステムはフロントにφ270mmのダブルディスク、リヤにφ230mmディスクを採用した。もちろんABSは標準装備だ。一般的な“スクーター”という言葉から連想するようなメットインスペースやフットボードは存在せず、左手のクラッチレバーを含めマニュアルトランスミッションのモーターサイクルと同じ操作系とされている。
マフラーはシート下に2本のサイレンサーを持つアップタイプとするほか、スクーターとしては多段ウイング、同じくウイング状のデザイン性を持たせたグラブバーなどを採用する。
イタルジェット社のCEOであるマッシモ・タルタリーニ氏は、「私たちは再び内燃機関への情熱を表現するモデルを作り上げました。ドラッグスター700ツインはスクーターというよりはモーターサイクルに近く、全く新しいカテゴリーを生み出しバイク界に新しい時代をもたらすでしょう」と語っている。
マシンの初お披露目はEICMA 2024、そして発売は2025年の春から夏にかけてとされているが、世界限定700台生産のファクトリーエディションについてはすでに2024年7月12日16時(イタリア時間)より予約注文を受け付けている。
このファクトリーエディションは、ブラック×ゴールドのカラーリングやアクラポヴィッチ製マフラー、オーリンズ製ステアリングダンパー&リヤショック、限定の赤いブレンボ製キャリパー、ドゥカバイク製クラッチカバーを装備するスペシャルモデルで、欧州価格は1万4900ユーロ(日本円換算約257万円)。上記の特別装備を排除した標準モデルは1万2900ユーロ前後(約222万円)になる予定だという。
ITALJET DRAGSTER 700 Twin
車名 | DRAGSTER 700 Twin |
全長×全幅×全高 | 2120×──×1230mm |
軸距 | 未発表 |
最低地上高 | 80mm |
シート高 | 815mm |
キャスター/トレール | 未発表 |
車重 | 190kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 592cc |
内径×行程 | 未発表 |
圧縮比 | 未発表 |
最高出力 | 68ps/8500rpm |
最大トルク | 7.14kg-m/──rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 6段リターン |
燃料タンク容量 | 16L |
燃費 | 65MPG(約27.6km/L) |
タイヤサイズ前 | 120/70R15 |
タイヤサイズ後 | 160/60R15 |
ブレーキ前 | φ270mmダブルディスク+4ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ230mmディスク+2ポットキャリパー |
価格 | 1万4900ユーロ(限定ファクトリーエディション) /1万2900ユーロ(標準仕様) |
色 | 黒×金(限定ファクトリーエディション) |
発売日 | 2025年春~夏 |
DRAGSTER 700 Twin
DRAGSTER 700 Twin
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