
バイク専門の旅行会社・モトツアーズジャパンは4月26日、屋内アクティビティ施設の「ASAMA PEAKs(アサマピークス)」を群馬県吾妻郡の長野原町にオープンさせる。まずは電動バイクを楽しめる「e-TRAIL PARK浅間」から稼働を開始するが、今後はボルダリングやスケートボードなどのアクティビティを誘致し、天候に左右されず楽しめる、総合的なインドア施設に育てていくという。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真:キズキホールディングス/編集部 ●外部リンク:e-TRAIL PARK浅間
コロナで閉館の博物館をインドア施設に転用
このASAMA PEAKsは、2021年にコロナ禍で閉館した旧浅間火山博物館を、運営母体だった自治体の群馬県長野原町から借り受け、その建物を改装してオープンする屋内アクティビティ施設。レンタルバイクサービスの「レンタル819」などを展開するキズキホールディングス内のバイク専門旅行会社・モトツアーズジャパンが企画したもので、施設の運営はキズキが行う。
長野原町周辺は鬼押出し園や浅間高原など、観光名所や豊かな自然が多く存在するエリア。ASAMA PEAKsはこれらと共生できる施設として、ボルダリングやスケートボードなど、さまざまなアトラクションを集めた複合施設を目指していく予定。その第一弾としてキズキグループが展開中の電動バイクアトラクション施設「e-TRAIL PARK浅間」が4月26日にオープンすることとなった。
旧浅間火山博物館の建物を転用して誕生したASAMA PEAKs。建屋内は約1500m2の広大なスペースを有する。
これは館内に整備された約800mのコースを、電動オフロードバイク「SURRON(サーロン)」をレンタルして走らせるというアトラクションで、屋内なので天候に左右されず、手ぶらでも訪問OK(装具類はすべてレンタル可能)、さらには二輪免許がなくても走行可能(年齢や身長の制限はあり)という、バイクに乗る敷居をグググッと下げてくれる施設となっている。
このe-TRAIL PARKはすでに静岡県の「南箱根」と神奈川県の「海老名」の2箇所がオープンしているが、浅間は旧博物館の備品を走行コースに再利用したり、館内の電力はバイクの充電も含めてすべて太陽光で賄うなど、自然豊かな地にオープンする電動バイクのアトラクションらしく、環境負荷の低減にも配慮しているのも特徴となる。
コース長は約800mで、木材を使ったセクションや障害物、バンクなどが配される。レンタルに供されるのは中国製の電動オフロードバイク・サーロンで、125ccに相当する「Light Bee X(写真)」と、50cc相当で足着きに優れた「Light Bee S」が選択できる。
筆者もサーロンに(ちょっとだけ)乗ってみた
オープン前のお披露目会ではサーロンの体験試乗も開催。少しゴツめのマウンテンバイク(実際に使用パーツはMTB用らしい)といった風情の軽量車体にストロークの長いサスペンション、レスポンスの鋭いモーターが組み合わされ、走りはけっこうな元気印。試乗したのは125cc相当のLight Bee Xだが、二輪経験が少ない人なら50cc相当のLight Bee Sがオススメかも。
群馬県長野原町とのジョイントベンチャー
モトツアーズジャパンの原田美和社長。日本の誇る産業であるバイクや、それを使うツアーをもっと楽しめる世の中にしたいと語る。
このASAMA PEAKsはモトツアーズジャパンと長野原町のジョイントベンチャーとなるが、この異色とも言えるタッグが実現できたのは、キズキが2021年に長野原町の北軽井沢にオープンさせたレンタルやバイクツアーの拠点「kitakaru BASE(キタカルベース)」で得た地元の信頼があったから…なのだという。
モトツアーズジャパン代表の原田美和氏は「お借りした施設を魅力的なものに育て、バイクを介して長野原町の方々に恩返しをしていきたい。日本全国はもちろん、インバウンドの方々にもASAMA PEAKsを含む長野原町の魅力を発信し、観光客を誘致していきたい」と語る。
オープンに先立っては関係者向けのお披露目会も開催され、冒険家の風間深志氏やMFJの鈴木哲夫会長が挨拶。さらにホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博社長のビデオメッセージも流されたほか、長野原町の萩原睦男町長とキズキホールディングスの松崎一成社長との間で、電動モビリティを活用した移動手段の確保や整備を目指す包括連携協定も締結された。
オールドファンにとって“アサマ”といえば2輪レース発祥の地。日本のバイク史に欠かせない土地から、電動バイクによる新たなアクティビティが発信されるのも何かの縁だろう。e-TRAIL PARK浅間の利用方法や料金は下記リンクをご参照いただきたい。
■e-TRAIL PARK浅間(ASAMA PEAKs内)
■群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢(カーナビなどで向かう場合は「吾妻郡嬬恋村鎌原付一種053-26」で検索)
■営業時間:1000〜1700
■定休日:月/火
■TEL:0279-86-3551 https://etrailpark.com/asama/
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
ホンダの誇る”アソビの達人”ファンバイク 惜しまれて生産終了となっていたホンダのファンバイク・モンキーが125ccとなって復活したのは、2018年のこと。50ccモデルだったモンキーの特徴である「シン[…]
ニッポン旧車烈伝 昭和のジャパン・ビンテージ・バイク 323選 1960年代から1990年代に発表された数々の銘車たち……そのうち300台以上を厳選、年式変遷や派生モデルを含め紹介。 大型やマルチはも[…]
1960~70年代を象徴する2つのCB 1974年に登場したホンダCB400FOUR、通称「ヨンフォア」は、日本のバイク史において今なお特別な輝きを放つ一台である。その流れるように美しいスタイルと当時[…]
スズキは、同社の直営店「スズキワールド」が提供するレンタルバイクサービスを、スズキワールド葛飾店に続きスズキワールド多摩店でも開始したことを発表した。このサービスは、話題のスズキのオートバイを試したい[…]
18時間耐久の優勝で「ヨシムラ」は全国区に 加えて、ホンダから市販車ベースのレース車両の開発依頼もあったものですから、ヨシムラは1965年に東京の福生に移転しました。私は高校1年生でしたので、卒業まで[…]
最新の関連記事(新型EV/電動バイク)
レンタルクーポンの利用者、先着500名に購入サポート 今回のキャンペーンは、Hondaのバイク関連サービス「HondaGO」の会員を対象としており、現在会員でない方も、新たに登録することで参加可能。キ[…]
ひと目でEVとわかる先進的なスタイリング こちらが今回発表された「CUV e:」! Hondaはこれまで、EVバイクとしてパーソナル向けに原付一種の「EM1 e:」を市販化していますが、CUV e:は[…]
【本田技研工業 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部 CUV e: LPL(開発責任者) 後藤香織さん】2006年入社。以来一貫して2輪車開発に従事し、おもに車体設計としてEV-[…]
パワフルで坂道も得意、実用的な原付二種EV 2023年のジャパンモビリティショーでコンセプトモデル「SC e: Concept」として参考出品されていたものが車名を「CUV e:」と改め、2025年6[…]
高まるペット移動ニーズに応える革新的モビリティ ガソリン価格の高騰と50ccクラス原付の製造終了という時代の転換期において、経済的かつ環境に優しい移動手段への需要が急速に高まっている。その一方で、近年[…]
人気記事ランキング(全体)
最新モデルはペルチェデバイスが3個から5個へ 電極の入れ替えによって冷却と温熱の両機能を有するペルチェ素子。これを利用した冷暖房アイテムが人気を博している。ワークマンは2023年に初代となる「ウィンド[…]
アウトローなムードが人気を呼んだフルフェイスがついに復活! 6月3日付けでお伝えしたSHOEIの新製品『WYVERN(ワイバーン)』の詳細と発売日が正式に発表された。 1997年に登場したワイバーンは[…]
バイクツーリングにおすすめの都道府県ティア表 バイクツーリングの魅力は、ただ目的地に行くだけでなく、そこへ至る道中のすべてを楽しめる点にある。雄大な自然が織りなす絶景、心地よいカーブが続くワインディン[…]
水冷Vツイン・ベルトドライブの385ccクルーザー! 自社製エンジンを製造し、ベネリなどのブランドを傘下に収める中国のバイクメーカー・QJMOTOR。その輸入元であるQJMOTORジャパンが、新種のオ[…]
東洋の文化を西洋風にアレンジした“オリガミ”のグラフィック第2弾登場 このたびZ-8に加わるグラフィックモデル『ORIGAMI 2』は、2023年1月に発売された『ORIGAMI』の第2世代だ。前作同[…]
最新の投稿記事(全体)
日本でも正式発表が待たれる400ccオフロード/スーパーモト スズキは、昨秋のEICMA(ミラノショー)にて、新型400ccデュアルパーパスモデル「DR-Z4S」およびスーパーモトモデル「DR-Z4S[…]
2003年モデル概要:MotoGP直系の先進技術を取り入れたSSとして登場 発売は2003年7月4日。2003年当時、最先端のMotoGPマシンだった「RC211V」で培った先進技術とスタイリングを随[…]
今年発表されたばかりの最新キャンパー。ホテル代を考えたら検討の価値あり トイファクトリーが運営しているキャンピングカーレンタルサービス「ShareCamper(シェアキャンパー)」は、フィアット・デュ[…]
現代の耐久レーサーはヘッドライト付きのスーパーバイクだが…… 近年の耐久レーサーは、パッと見ではスプリント用のスーパーバイクレーサーと同様である。もちろん細部に目を凝らせば、耐久ならではの機構が随処に[…]
高回転&高出力主義の権化 250クラスでも高性能な直4を望む声が高まっていた’80年代前半、スズキが世界初の250cc水冷直4エンジンを搭載した量産車、GS250FWを投入。以降、ヤマハ、ホンダが追随[…]
- 1
- 2