
登場から7年目に突入したカワサキZ900RS。Z1モチーフの外装色もほぼ一巡したところでささやかれているのが、往年のZ1000Mk.2やZ1-Rのような“角Z”にモデルチェンジするのでは?という噂だ。しかし、ここに正面切って挑んだのがドレミコレクション。同社が東京MCショーに展示した“Z900RS Mk.2スタイル”は、カワサキに“角Z計画は存在しない”ことをリサーチの上で製作されたというのだッ!
●文と写真:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ドレミコレクション
Mk.2が欲しければ、もう選択肢はこれだけだ!!
「各方面へリサーチした結果、カワサキさんにZ900RSをベースとしたMk.2仕様を開発する意向はないらしい…という結論に至りました。ならば我々が外装キットを作って販売しようと。やるならば本気で取り組むべく、金型から起こしてスチール製の燃料タンクも新規開発しています。完成したのは本当にギリギリ、MCショー当日の朝でしたよ」
そう語るのは高年式車をベースに往年の名車を再現する、着せ替えタイプの外装セットを多数開発してきたドレミコレクションの武 浩社長だ。2022年の東京MCショーではホンダCB400SFを見事にCBX400Fルックに変身させ、大反響を呼んだのは記憶に新しい。その最新作が2024東京MCショーでお披露目された”Z900RS Mk.2スタイル”というわけだ。
Z900RSといえばZ1をモチーフとするボディカラーも一巡し「そろそろ”角Z ”にモデルチェンジでは?」なんて噂されているが、そこは2017年の東京モーターショーで、カワサキに依頼されてZ900RSのカスタム車を製作するなど各方面へ太いパイプを持つドレミコレクション。独自調査の末にMk.2仕様の開発を決断した…というわけなのだろう。
その仕上がりは見ての通り。Z900RS(展示車両はSEグレードがベース)の外装を一新することで見事にZ1000Mk.2ルックを再現している。もちろんMk.2の外装をそのまま使ったのではなく、RSに合わせて形状変更やデフォルメは経ているが、全くそうは感じさせない”Mk.2感”こそドレミの真骨頂だ。
【ドレミコレクション Z900RS Mk.2スタイル】オリジナル燃料タンクを核に、外装の刷新でZ900RSが往年の名車・Z1000Mk.2に変身。ドレミの大ヒット商品「フェイクツインショック」で一見2本サスのように見えるのも楽しい。
ドレミ十八番の燃料タンク製作技術が光る
ドレミが2018年の東京MCショーに出品したZ900RS・Mk.2仕様。スーパーチャージャーを装備し、そのパイピングやタンクを収めるためにタンク天面が盛り上がるなど、あくまでもショーアップ重視の作りだった。
ドレミでは2018年の東京MCショー時にもZ900RSベースのMk.2仕様を製作しているが、この際はあくまでもショーモデルとして展示前提での製作であり、燃料タンクもインナー式+樹脂製カバーという構成だった。
しかし今回はドレミが得意とする燃料タンク製造技術を駆使し、新規にスチール製タンクを起こしたのが最大のポイント。言ってしまうのは簡単だが、金型を起こすと大量生産が可能な反面、投資額が一挙に増え、償却にはかなりの個数を販売する必要がある。このタンクの製造方法ひとつで、ドレミのMk.2スタイルに賭けるスタンスが分かるというわけだ。
Z900RSはエンジン上にエアクリーナーボックスを持つが、これを避けつつMk.2らしいルックスを再現している点がまずはお見事。武さんいわく、本物のMk.2タンクはフレームのヘッドパイプを逃げる部分が大きくえぐれ、天面ももっと丸みを帯びているそうだが、その天面からサイドへカクッと落ちる部分のエッジなど、Mk.2のポイントは確実に押さえているのだそう。RSのノーマルと同じ17Lの容量を確保しているのもさすがだ。
天面からサイドへ落ちる部分のエッジやニーグリップ部のエグリなど、Mk.2のポイントを確実に抑えるセンスはドレミコレクションの真髄。ヘッドパイプの逃げは凹みで雰囲気を演出。裏面はエアクリーナーボックスを逃げるためMk.2とは全く形状が異なる。ピッと張りのある面の質感も樹脂には出せない、スチールタンクならではのもの。
サイドカバーやテールカウルなどはショーに間に合わせるためのプロトタイプで、市販版はさらにブラッシュアップし、さらにMk.2感を増した仕上がりになる…と武さんの鼻息は荒い。本物のZ1000Mk.2は価格が高騰し、おいそれと手の届く存在ではなくなってしまったが、このドレミMk.2スタイルならもう少し気軽に名車のスタイルを楽しめるはずだ。
自慢の燃料タンクを核に、サイドカバー/シート/テールカウルなどから構成されるMK.2スタイル外装キットは7月頃の発売を予定しているという。気になる価格は未塗装状態で「CB400タイプX(の未塗装)と同じくらい」というから30万円前半くらい? いずれにしても楽しみに待ちたい!
フルキットにはテールランプやウインカー(Mk.2スタイルのために新造したLED)、シートなども含まれる。ヘッドライトやメーターはZ900RSのノーマルだが、取り付け位置をやや上方に移動させて旧車感を演出する。このへんの小技もさすが!
サイドカバー周辺の作りやテールカウルの角度(もう少し下げたいとのこと)、シート形状などはさらにブラッシュアップ予定。「本物のZ1000Mk.2と並んでもおかしくない完成度にします。ご期待下さい!(武さん)」
GPZ900Rタンクには”チタン製”が登場!
アフターマーケットの燃料タンクでは世界初?! ドレミのブースにはGPZ900R用のチタン製燃料タンクも展示されていた。重量はドレミ製スチールタンク(写真左。14万8500円で販売中)の40%減。今年はGPZ900R生誕40周年とタイミングもばっちり。価格は近日発表予定とのこと。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(Z900RSシリーズ)
機能美を実現したナップス限定ビレットパーツが登場 カワサキZ900RSは、最高出力111ps/8500rpmを発揮する水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ、948ccエンジンを搭載したネオクラシ[…]
色褪せないヘリテイジ、進化する「Z」の系譜 2017年秋の東京モーターショーで世界初公開されて以来、Z900RSは常にライダーの注目の的であり続けている。その最大の魅力は、往年の名車Z1/Z2への敬意[…]
新型Z900RS発表を記念した火の玉グラフィック! 「かわす性能」をさらに高めるためのフォルムを生み出す、世界初のシールドシステム〈VAS-VCシステム〉を搭載したアライヘルメット「RAPIDE-NE[…]
Z900RS CAFE歴代カラー系統譜 Z900RS CAFEは、Z900RSがデビューした翌2018年3月に登場し、独自のビキニカウル、ローハンドル、専用シートによってカフェレーサースタイルを確立し[…]
伝統の「火の玉/玉虫」系統 Z900RSのアイコンとも言える、Z1/Z2(900 SUPER 4 / 750RS)をオマージュしたキャンディ系カラーリングの系統だ。 キャンディトーンブラウン×キャン[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ)
機能美を実現したナップス限定ビレットパーツが登場 カワサキZ900RSは、最高出力111ps/8500rpmを発揮する水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ、948ccエンジンを搭載したネオクラシ[…]
戦闘力を高めるヘッドギア「ダインギア ヘッドアーマー」 クロスカブ110の個性をさらに際立たせ、カスタムの方向性を決定づけるほどの高いデザイン性を持つパーツが登場した。それがダイバディプロダクションが[…]
ベースはスピード400、コンセプトは伝説の継承 バイパー400は、モダンクラシックロードスターであるスピード400の技術的基盤を出発点としつつ、新しくダイナミックでアグレッシブな方向性で再構築したとい[…]
ザ・キングスマン (Kingston Custom)──全長4メートルのストリームライナーに変身したショットガン650 キングスマンは2014年に作られたスパイ映画で、ドイツのビルダーのキングストン・[…]
色褪せないヘリテイジ、進化する「Z」の系譜 2017年秋の東京モーターショーで世界初公開されて以来、Z900RSは常にライダーの注目の的であり続けている。その最大の魅力は、往年の名車Z1/Z2への敬意[…]
人気記事ランキング(全体)
250cc水冷90°V型2気筒でDOHC8バルブが、たった2年でいとも容易くパワーアップ! ホンダが1982年5月、V型エンジン・レボリューションのVF750Fに次ぐ第2弾としてVT250Fをリリース[…]
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
悪質な交通違反の一つ、「無免許運転」 今回は無免許運転をして捕まってしまったときに、軽微な違反とはどのような違いがあるのか紹介していきます。 ■違反内容により異なる処理無免許運転の人が違反で捕まった場[…]
6/30:スズキの謎ティーザー、正体判明! スズキが公開した謎のティーザー、その正体が遂に判明したことを報じたのは6月30日のこと。ビリヤードの8番玉を写した予告画像は、やはりヤングマシンが以前からス[…]
RZ250の歴代モデル 1980 RZ250(4L3):白と黒の2色で登場 ’80年8月から日本での発売が始まった初代RZ250のカラーは、ニューヤマハブラックとニューパールホワイトの2色。発売前から[…]
最新の投稿記事(全体)
500km/hの速度の鉛玉も防ぐ! SHOEIがキャリーケース事業をスタートする。これまでに培ってきたヘルメット製造技術を活かした新規事業で、GFRPを用いた質感と堅牢性、強固なフレーム構造による防犯[…]
機能美を実現したナップス限定ビレットパーツが登場 カワサキZ900RSは、最高出力111ps/8500rpmを発揮する水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ、948ccエンジンを搭載したネオクラシ[…]
バッテリーで発熱する「着るコタツ」で冬を快適に ワークマンの「ヒーターウエア」シリーズは、ウエア内に電熱ヒーターを内蔵した防寒アイテム。スイッチひとつで温まることから「着るコタツ」として人気が拡大し、[…]
知られざる黎明期の物語 最初の完成車は1903年に誕生した。シングルループのフレームに搭載する409cc単気筒エンジンは、ペダルを漕いで勢いをつけてから始動させる。出力3psを発揮し、トランスミッショ[…]
充実してきた普通二輪クラスの輸入モデル この記事で取り上げるのは、日本に本格上陸を果たす注目の輸入ネオクラシックモデルばかりだ。それが、中国のVツインクルーザー「ベンダ ナポレオンボブ250」、英国老[…]
- 1
- 2















































