
ホンダは、大型アドベンチャーモデル「CRF1100Lアフリカツイン」シリーズにさらなる利便性とパフォーマンスを与え、外環デザインも一部変更して2024年3月21日に発売すると発表した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
アドベンチャースポーツESは前輪19インチでオンロードに軸足
ホンダは、2024年版で進化した「CRF1100Lアフリカツイン」および「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツES」を発表。エンジンのパフォーマンスを向上するとともにアドベンチャースポーツ(AS)はフロントに19インチホイール(無印モデルは21インチ)を採用し、オフロード志向の無印モデル/オンロード主体のロングツアラー・ASという棲み分けはより鮮明になった。
まずエンジンは、圧縮比を従来の『10.1』から『10.5』とし、バルブタイミングの変更やインテークダクトの大径化(φ29mm→φ35mm)、ECUセッティングの変更により、ピークパワーは112ps/7500rpmのままとしながら最大トルクを10.7kg-mから11.4kg-mへと約6.5%増強。発生回転数は6250rpmから5500rpmへと低くなり、低中回転域の力強さや、ツーリングやオフロードでギヤチェンジの頻度を減らすなどの効果が期待できる。
デュアルクラッチトランスミッション(DCT)搭載モデルでは、発進特性と極低速域のコントロール性を向上する制御のアップデートが実施された。より自然な発進や、低速ターンでの不用意な加速などを解消したものと思われる。
また、バイオ由来で環境に優しいバイオエンジニアリングプラスチック『DURABIO』を二輪車用透明フロントスクリーンに世界で初めて採用したという。
そして、従来は全8仕様ものバリエーションを展開していたが、2024年モデルではこれを整理し、無印アフリカツインは本来の車高(シート高870mm)である〈s〉バージョン+DCTの2仕様、そしてアドベンチャースポーツにはローダウン版(シート高840mm)+DCTという2仕様で、全4仕様のラインナップに。
アフリカツインとアドベンチャースポーツ(AS)の2車をシルエットで比較。ホイールサイズやサスペンションストロークの違いによる車高の差などがわかる。
オフロード志向のライダーには素のままのアフリカツインを提供し、ツーリング派ライダーには使い勝手とオンロードでの走りを向上したASを提供するという、わかりやすい棲み分けとなったわけだ。
なお、カラーリングは両車とも従来と同じ色名ながら、ロゴあしらいやツートーンカラーの配置などグラフィックが変更されている。
それぞれの主な特徴と変更点
CRF1100Lアフリカツイン
- [新]前後ホイールにチューブレスタイヤ用スポークホイールを採用(前21/後18インチ)
- [新]新形状カウル
- [新]5段階に調整可能なスクリーン
- 2段階調整式シート(870mm/850mm)
- 18L燃料タンク
- コンパクトなスキッドプレート
オン、オフ、ツーリング、普段使いなどをバランスさせたライディングポジション。
CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツES
- [新]19インチフロントホイール(後輪は18インチを継承)
- [新]アッパーミドルカウル形状変更でエアロダイナミクス向上
- 2段階調整式シート(840mm/820mm)
- 5段階に調整可能な大型スクリーン
- 24Lの大型燃料タンク
- 3段階の自動切換え式コーナリングライト
- 大型スキッドプレート
よりアップライトなライディングポジションになり、長距離移動が快適に。もちろんアクティブなライディングも得意だ。
その他共通装備
- 6.5インチタッチパネルの液晶メーター
- オプションのトップボックスにも対応したアルミ製リヤキャリア
- 昼間の存在感と被視認性を高めるデイタイムランニングライト
- 長距離を快適に移動できるクルーズコントロール
- オートキャンセルウインカー、エマージェンシーストップシグナル*1
- 寒冷地での走行も快適なグリップヒーター
- 旅先で必要な電源を確保できるアクセサリーソケット
- 軽量コンパクトなリチウムイオンバッテリー
- 高速道路などの通行に便利なETC2.0車載器
ホンダ CRF1100Lアフリカツイン/AS-ES のカラーバリエーションとスペック
HONDA CRF1100L Africa Twin Dual Clutch Transmission<s>[2024 model]グランプリレッド ●174万9000円
HONDA CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission<s>[2024 model]パールグレアホワイト ●194万7000円
HONDA CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES<s>[2024 model]パールグレアホワイト ●205万7000円
車名 | CRF1100Lアフリカツイン<s>/DCT<s> | CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ/DCT |
車名・型式 | ホンダ・8BL-SD15 | ← |
全長×全幅×全高 | 2330×960mm×1485mm (スクリーン最上位置1540mm) | 2305×960mm×1475mm (スクリーン最上位置1530mm) |
軸距 | 1575mm | 1570mm |
最低地上高 | 250mm | 220mm |
シート高 | 870/850mm | 840/820mm |
キャスター/トレール | 27°30′/113mm | 27°30′/106mm |
装備重量 | MT: 231kg/DCT: 242kg | MT: 243kg/DCT: 253kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ | ← |
総排気量 | 1082cc | ← |
内径×行程 | 92×81.4mm | ← |
圧縮比 | 10.5:1 | ← |
最高出力 | 102ps/7500rpm | ← |
最大トルク | 11.4kg-m/5500rpm | ← |
始動方式 | セルフスターター | ← |
変速機 | 常時噛合式6段リターン/DCT | ← |
燃料タンク容量 | 18L | 24L |
WMTCモード燃費 | 19.6km/L(クラス3-2、1名乗車) | ← |
サスペンション前 | SHOWA製φ45mm倒立フォーク (ホイールトラベル230mm) | SHOWA製φEERA 45mm倒立フォーク (ホイールトラベル210mm) |
サスペンション後 | SHOWA製モノショック (ホイールトラベル220mm) | SHOWA製EERA モノショック (ホイールトラベル200mm) |
ブレーキ前 | φ310mmダブルディスク +4ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | φ256mmダブルディスク +1ポットキャリパー | ← |
タイヤサイズ前 | 90/90-21 | 110/80R19 |
タイヤサイズ後 | 150/70R18 | ← |
価格 | MT: 163万9000円/DCT: 174万9000円 | MT: 194万7000円/DCT: 205万7000円 |
車体色 | グランプリレッド(赤) | パールグレアホワイト(トリコロール) |
発売日 | 2024年3月21日 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ホンダCRF1100Lアフリカツインを購入したい! 車両販売情報はこちら
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
2025年モデルの登場から間もないニューカラー設定 2024~2025年の年末年始に発売されたKLX230シリーズがマイナーチェンジ。既報のKLX230シェルパSおよびKLX230 DFは車体まわりに[…]
早くもモデルチェンジで“S”版に! ベーシックな空冷トレールモデル カワサキの新トレッキングマシンとして2024年12月25日に発売されたばかりのKLS230シェルパが早くもモデルチェンジ。2026年[…]
まるで自衛隊用?! アースカラーのボディにブラックアウトしたエンジン&フレームまわり 北米などで先行発表されていたカワサキのブランニューモデル「KLX230 DF」が国内導入されると正式発表された。車[…]
新型ムルティストラーダV4Sはダート性能もアップ! ムルティストラーダとは、英語にすれば“ マルチな道”、つまり“全路面対応型バイク”という意味だ。実際、ムルティストラーダのコンセプトは4in1バイク[…]
本格派に大変身! これはガチンコのオフロードバイクだ 従来のアーバンG/Sは往年の雰囲気を楽しむ色合いが強く、オフ走行にはあまり向かなかったが、新しい「R12G/S」は、ホイールトラベル前210/後2[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
メーカーメイドのカフェレーサー ’74年末から発売が始まったCB400フォア、通称ヨンフォアは、’60~’70年代に世界中でブームとなった、カフェレーサーを抜きにして語れないモデルである。カフェレーサ[…]
コスパも高い! 新型「CUV e:」が“シティコミューターの新常識”になる可能性 最初にぶっちゃけて言わせてもらうと、筆者(北岡)は“EV”全般に対して懐疑的なところがある者です。カーボンニュートラル[…]
ホンダCB1000Fコンセプト、カワサキZ900RSへの「負けん気」を胸に登場か? 鈴鹿8耐でデモ走行を披露したホンダの「CB1000Fコンセプト」は、生産終了したCB1300シリーズの後継として期待[…]
50ccでも実用カブとは別系統のOHCスポーツ専用エンジンを開発! ホンダは1971年に、50ccではじめてCBの称号がつくベンリイCB50を発売した。 それまで50ccにもスポーツモデルは存在したが[…]
人気記事ランキング(全体)
50ccでも実用カブとは別系統のOHCスポーツ専用エンジンを開発! ホンダは1971年に、50ccではじめてCBの称号がつくベンリイCB50を発売した。 それまで50ccにもスポーツモデルは存在したが[…]
ミニカーとは何かがわかると登録変更のハードルもわかる まず「ミニカー」とは、法律上どのような乗り物として扱われるのか、基本的な定義から押さえておく必要がある。実はこれ、道路交通法上では「普通自動車」扱[…]
熱膨張率の均一化によって様々なアドバンテージがある 2ストローク/4ストロークエンジンを問わず、エンジン性能を向上するためには様々な課題や問題がある。特に大きな課題は、“熱膨張率”に関わる問題だ。 「[…]
LEDのメリット「長寿命、省電力、コンパクト化が可能」 バイクやクルマといったモビリティに限らず、家庭で利用する照明器具や信号機といった身近な電気製品まで、光を発する機能部分にはLEDを使うのが当たり[…]
発売当初のデザインをそのままに、素材などは現在のものを使用 1975年に大阪で創業したモンベル。最初の商品は、なんとスーパーマーケットのショッピングバックだった。翌年にスリーピングバッグを開発し、モン[…]
最新の投稿記事(全体)
4気筒の「ニンジャZX-R」、2気筒「ニンジャ」計6モデルに10色を新設定 カワサキは欧州でフルカウルスポーツ「ニンジャ」ファミリーのうち、4気筒モデル「Ninja ZX-6R」「Ninja ZX-4[…]
1980~90年代を代表するイタリアンライダー、ルカ・カダローラのレプリカを復刻! ルカ・カダローラはイタリア出身のレーシングライダーで、1984年に世界GP125にデビュー。’86年にチャンピオンを[…]
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
ミニカーとは何かがわかると登録変更のハードルもわかる まず「ミニカー」とは、法律上どのような乗り物として扱われるのか、基本的な定義から押さえておく必要がある。実はこれ、道路交通法上では「普通自動車」扱[…]
メーカーメイドのカフェレーサー ’74年末から発売が始まったCB400フォア、通称ヨンフォアは、’60~’70年代に世界中でブームとなった、カフェレーサーを抜きにして語れないモデルである。カフェレーサ[…]
- 1
- 2