
2023年11月にイタリアで開催されたEICMA(ミラノショー)にて、カワサキは「Ninja 40th Anniversary Edition」の未発表モデルを公開した。1984年に登場したGPZ900Rのトリビュートカラーをまとったニンジャ1000SXとニンジャ650の2機種で、ジャパンモビリティショーで発表済みのZX-10RとZX-4RRに続く、ニンジャ誕生40周年記念カラーの第2弾となる。
●文:ヤングマシン編集部(マツ)
GPZ900RのA2? それとも750RのG1カラー?
カワサキはイタリア・ミラノで開催中のEICMAにて、1984年に登場した“初代ニンジャ”GPZ900Rの誕生40周年を祝うスペシャルカラーのニンジャ1000SXとニンジャ650を初公開した。ジャパンモビリティショーで発表された、ライムグリーントリコロールのZX-10R/4RRに続く第2弾となる。
「Ninja1000SX 40th Anniversary Edition」「Ninja650 40th Anniversary Edition」と名付けられたこの2台は、カワサキいわくGPZ900Rからインスピレーションを得たカラーであり、ファイヤークラッカーレッド&エボニーとシルバーのストライプは、ニンジャという名から歴史的モデルを想起するときに思い浮かぶカラースキームとのこと。
KAWASAKI Ninja 1000SX 40th Anniversary Edition(2024model)
KAWASAKI Ninja 650 40th Anniversary Edition(2024model)
…ハイ。ここで全国2000万人のGPZ900Rファンは「ファイヤークラッカーレッド✕エボニーは1985年のA2じゃん。1984年の初代A1カラーじゃないじゃん!」とツッコミを入れたハズ。そうなんです。40周年記念の2台がまとうのは、来年になってもまだ生誕39年なカラーなんです。
実は当のカワサキも40周年を謳いつつ「1985年のGPZ900Rから想起したツートーン」とネタバラししており、つまりこれは映画トップガンでトム・クルーズが駆った、世界一有名なGPZ900Rに寄せたカラーなのだろう。歴代900Rでトップガン号にもっとも近いカラーリングを持つのが1985年のA2なのだ(トップガン号は1984年型GPZ750R・G1とする説もありますが)。
KAWASAKI GPZ900R(映画『トップガン・マーヴェリック』劇中車) (撮影:箱崎太輔)
あの“離陸予告”がこの2台なのか?
そんなイチャモンはさておき、タンク上の40thステッカーに始まり、GPZ900Rのオリジナルを再現した“Ninja”やカウルサイドの“Liquid Cooled”ロゴが泣かせるし(袋文字の「Kawasaki」もいい雰囲気)、1980年代の切削ホイールを意識したというリムテープなど、40周年車は細部までなかなかに凝っている。カラーリングのまとまり具合もとてもいい。
しかし、ここでヤングマシンとして触れねばならぬのが、2022年のEICMAでカワサキがトップガン劇中車のGPZ900Rとともに掲示した「PREPARE FOR TAKE-OFF(離陸に備えよ)」というメッセージである。これを真に受けて「GPZ900Rが40周年で離陸(復活)、あり得るぞ!」と早合点した我々はさんざん妄想を繰り返して来たのだが…。
離陸したのはこの特別仕様、というオチなのだろうか? 今回の40周年車がA1ではなく、あえてA2カラーを採用してきたのは「本当の本物のニンジャ40周年モデル、実は他にあるんだぜぇ〜」ってことなんじゃないんですか?! カワサキさん!
2022年EICMAでの展示風景。離陸したのか、していないのか…。(撮影:小川 勤)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(EICMA(ミラノショー))
V型3気筒ってどんなエンジン? 並列エンジンとV型エンジンの違い 多気筒エンジンは、シリンダーの配置によってさまざまなバリエーションがあります。並列(バイクだと直列とも言いますが)、V型、水平対向とい[…]
発表から2年で早くも外観デザインを変更! ホンダは欧州ミラノショーで新型「CB750ホーネット」を発表した。変更点は主に3つで、まずデュアルLEDプロジェクターヘッドライトの採用によりストリートファイ[…]
スマホ連携TFTやスマートキー装備のDX ホンダがミラノショーで新型PCX125(日本名:PCX)を発表した。2023年には欧州のスクーターセグメントでベストセラーになったPCX125だが、日本でも原[…]
400ccのDR-Zが帰ってきた! モトクロス競技の主導権を4ストロークが握り始めて間もない2000年、公道市販車として産声を上げたのは水冷398cc単気筒を搭載するハイスペックなデュアルパーパスモデ[…]
スポーツ性能を高めたBMWフラッグシップスポーツ BMW S1000RRのおもなスペックとアップデート S1000RRは並列4気筒エンジンを搭載するスーパースポーツで、BMWがWSBK参戦を視野に入れ[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
マイノリティ好きにはたまらない2スト250で3気筒、走りに刺激はなかったけれど海外でもファンが少なくなかった! カワサキが世界進出の勝負球として、500ccで2ストローク3気筒のマッハIIIをリリース[…]
空冷エンジンのノウハウを結集【カワサキ GPz1100[ZX1100A]】 航空機技術から生まれたハーフカウルとレース譲りのユニトラックサスを装備。デジタルフューエルインジェクション効果を高めるために[…]
11/1発売:カワサキ カワサキ ニンジャH2 SX SE カワサキの最高峰スポーツツアラー「ニンジャH2 SX SE」の2026年モデルが、11月1日に発売された。スーパーチャージャー搭載のバランス[…]
11/1発売:カワサキ W800 カワサキが50年以上にわたり培ってきた「W」ブランドの最新進化系「W800」の2026年モデルが11月1日に発売される。この国産クラシック系の旗艦モデルは、美しいベベ[…]
人気記事ランキング(全体)
プロテクター標準装備の冬用ライディングジャケット 一見するとカジュアルなパーカスタイルだが、中身は本格的なウインタージャケットである。本商品は、胸/肩/ひじ/背中の4部位にプロテクターを標準装備してお[…]
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
Eクラッチと電子制御スロットルが初めて連携する750シリーズ ホンダが欧州2026年モデルの5車にEクラッチを新搭載。これまでにミドル4気筒の「CBR650R」「CB650R」、250cc単気筒の「レ[…]
着る季節を選ばない設計と、高速走行を意識したディテール 春から冬まで対応できる点が、このモデルの大きな魅力だ。表地には防風性とストレッチ性を備えたソフトシェル素材を使用しており、ライディング時の冷たい[…]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。FXに遅れること約1年、1980年6月に発売された[…]
最新の投稿記事(全体)
ライダー前提の立体パターンと保温設計 パッディングジャケットは、乗車姿勢を取りやすい立体パターンを採用し、上半身の可動域を確保。中綿は化繊タイプで、雨や汗で濡れても保温性の低下が小さいのが利点だ。 冬[…]
エアで簡単、新!お掃除スタイル 洗車や掃除、水滴やホコリは「拭くから吹く」へ オートバイ用インカム「B+COM」でお馴染みのサイン・ハウスが、新たなライフスタイルブランド「SPICERR(スパイサー)[…]
ライダー姿勢に最適化された発熱構造 RSタイチが展開するe-HEATシリーズの中でも、本商品はライディング中の姿勢を徹底的に考慮した設計が特徴だ。発熱ユニットは、風を最も受けやすい背中と両肩に配置。ハ[…]
アルプスと砂漠、過酷なフィールドをテーマにした2つの個性 タイガーファミリーは、トライアンフのアドベンチャー性能を純粋に表現するモデルだ。俊敏なミドルクラスの900から威風堂々としたリッター超クラスの[…]
バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」 今回はHarley-Davidson(ハーレーダビッドソン)「LOW RIDER(ローライダー)ST」を[…]
- 1
- 2
















































