
カワサキはジャパンモビリティショー2023にてワールドプレミア×5車を公開した。なかでも注目は「メグロS1(MEGURO S1)」。エンジンはKLX230系を使用しながら最新の令和2年排出ガス規制に適合。車体は新規で設計されたもののようだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
クロームメッキと黒塗装の燃料タンクが眩しい! メグロS1ここに見参!
カワサキはジャパンモビリティショー2023でワールドプレミア=世界初公開車を5モデル用意するとしていたが、さっそくプレスカンファレンスで一挙公開。なかでも注目は、やはり軽二輪(126~250cc)クラスのメグロS1だろう。
詳細は一部しか明かされていないが、空冷単気筒エンジンはKLX230系を令和2年排出ガス規制に適合したものと見られ、それを搭載するのはエストレヤ系を彷彿とさせる車体だが、エンジンが異なるので当然新設計だ。前後にワイヤースポークホイールを履き、ディスクブレーキ&ABSを備えている。
メグロらしいディテールとして、エンジンのケースカバーは丸みを帯びたものとされ、キャブトンタイプのマフラーやシリンダー部を黒塗装とするなどディテールにもこだわっている正立フロントフォークとツインショックは想定の範囲内か。
メーターはツインタイプ。ダブルシートには白いパイピング処理がなされ、ティアドロップ型燃料タンクは黒×クロームメッキ仕上げだ。前後フェンダーはスチール製。タイヤサイズはフロント90/90-18、リヤは110/90-17だった。
MEGURO S1
MEGURO S1
MEGURO S1
MEGURO S1 & Meguro SG
MEGURO S1 Art とされるが、カタログ表紙のようにも見えますね。
MEGURO S1 のディテール
白いパイピングが入ったシート、その下にあるサイドカバーには片仮名で“メグロ”の文字。燃料タンクはメグロK3のような銀鏡塗装ではなく、クロームメッキ仕上げとされる。歴史を感じるメグロのロゴがカワイイ。
エンジンはシリンダーが軽く前傾しており、見た感じではKLX230のものとベースを共有している模様。燃料供給はFIで行い、エキゾーストフランジ近くには2次エアシステムが見て取れる。
こちらはJMS2023で展示されているカワサキ250メグロSG。メグロ初の250cc車は1950年のジュニアJ1で、最終型はカワサキと合併後の1964年に登場したこのマシン。これが初代エストレヤのモチーフにもなった。
Kawasaki 250 Meguro SG[1964]
Kawasaki 250 Meguro SG[1964]
ええのう……。
“メグロ”って何?
日本で戦前の1924年(大正13年)に設立された目黒製作所(当初の名は鈴木鉄工所)は、自動車修理やバイクの部品製作を経て1937年に「メグロ Z97」という、500cc単気筒を搭載したバイクを初めて発売。その後、並列2気筒の500ccや650ccのエンジンを搭載したモデルも製造するようになり、同時期に250cc~350cc単気筒エンジンのバイクも展開していった。1950年には最初の250ccバイク・J1を販売し、のちにこれが今回のメグロS1のモチーフとなるカワサキ250メグロSGへと繋がっていく。
その歴史の終盤になって製造されたメグロK「スタミナ」やメグロKS「スタミナスポーツ」は500ccの並列2気筒エンジンを搭載しており、さらには1965年に川崎重工業への吸収合併後に発売されたカワサキ500/メグロK2へと繋がっていった。これがのちにカワサキ・W1の元となり、カワサキの4ストロークビッグバイクの歴史の礎になったのだ。ひと足先に復活のメグロを名乗ったメグロK3は、このビッグバイクの流れに沿ったものだった。
2023年9月22日に発売された、メグロK3の2024年モデル。2021年2月1日の発売から、2022年にエンジンが最新排出ガス規制に適合したほかは変わらずに販売されている。
W230
こちらは基本を同じくする兄弟車で、カワサキWシリーズの血統を受け継ぐレトロスポーツモデル。味わい深さを追求したという空冷単気筒エンジンはKLX230系と見られ、車体はオーソドックスなスチール製セミダブルクレードルフレーム、丸目1灯ヘッドライト、ティアドロップ型燃料タンク、2連メーター、ワイヤースポークホイールやスチールフェンダーを装備する。低いシート高や軽量な車重による扱いやすさでフレンドリーな1台になっている。
なお、カワサキモータースジャパンは2車ともに国内導入を明言した!!
こちらは会場で発表されたW230だっ!
W230
W230
こちらもカタログ表紙っぽいW230アート。
基本的な構成はメグロS1と同じもののようで、大きな変化をつけているのが塗装とシート表皮の処理。白×黒のツートーンで、シートは表面がツルッとしたメグロS1に対しW230は溝付きタイプとなる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
カワサキモータース/モータースポーツ/Tokyo Future Tour の3ブース展開 カワサキは、2023年10月28日から一般公開されるジャパンモビリティショー2023の出展概要を発表した。展示[…]
「ちょっと乗るだけ」の車名に込められた清々しい割り切りを電動バイクにも スズキが発表したジャパンモビリティショー2023(JMS2023)の出展概要に、2003年2月に5万9800円で発売された伝説的[…]
セニアカー技術をベースとしながら、誰もが楽しめる乗り物へ スズキがジャパンモビリティショー2023(JMS2023)の出品概要を発表した。注目はいくつかあるが、16歳の高校生からセニアカーに抵抗のある[…]
折りたたみ式の電動アシスト自転車をベースに原付へ 見た目はほとんど電動アシスト自転車、なのに原動機付自転車扱いになるという「e-PO」がジャパンモビリティショー2023(JMS2023)に展示される。[…]
ヤマハブース(東5ホール)に来たれ! ヤマハブースでは世界初公開のワールドプレミア×6モデルを含むモーターサイクルや電動コミューター、eBike(電動アシスト自転車)などを出展する。また、楽器のヤマハ[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
一線から退くことすらファンが許さなかった「革新モデル」 世界最速を目指したZ1発売から10年余り、ついにカワサキは水冷4気筒エンジンを搭載するGPz900Rを1984年に発売。北米モデルはNinja([…]
20年ものロングランは、ライバルに気をとられない孤高を貫く開発があったからこそ! カワサキは1972年、DOHCで900ccと先行する初の量産4気筒のCB750フォアを上回るハイクオリティなZ1を投入[…]
400cc4気筒ブームの立役者、第3世代の直4を実現したカワサキの戦略 Z1/Z2系からZ650のザッパー系に続くカワサキ直4の第3弾がZ400FX。1980年代初頭に日本で巻き起こった空前のバイクブ[…]
ミドル直4“ザッパー”見参! 次世代を見据えた新技術を余さず投入 1970年代中頃はZ1がすでにビッグバイク界を席巻していたが、カワサキはその名を不動とするため「Z1ジュニア」のコンセプトのもと、40[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
イタリア魂が込められたフルサイズ125ccネイキッド 2018年デビュー以来、その美しいスタイリングと俊敏なハンドリングで世界を魅了してきたキャバレロは、今回の2025年モデルで「クオーレ・イタリアー[…]
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
新型CL500の進化が! 気がつけば長距離を走っているスクランブラー「CL500」がマイナーチェンジを果たして新登場します! ご存じかと思いますが、CLシリーズには250ccの「CL250」も存在しま[…]
世界の二輪市場にBSA復活を知らせる2台の新型車 BSAブランドが再び動き出したのは2016年。自動車や二輪車、物流や不動産など多角的に事業を展開するインド/マヒンドラ・グループが、新たに起ち上げたク[…]
3色すべてホイールカラーも異なる カワサキは欧州でZ650RSのニューカラーを発表。カラーバリエーションの全てが新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリックブルー[…]
人気記事ランキング(全体)
“グローバルカラー”をうたうマットパールホワイト インディアヤマハモーター(IYM)は、水冷単気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツ「R15 V4(V4=第4世代の意 ※日本名YZF-R15)」の新[…]
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
20年ものロングランは、ライバルに気をとられない孤高を貫く開発があったからこそ! カワサキは1972年、DOHCで900ccと先行する初の量産4気筒のCB750フォアを上回るハイクオリティなZ1を投入[…]
9月上旬~中旬発売:アライ「RAPIDE-NEO HAVE A BIKE DAY」 旧車やネオクラシックバイクにマッチするアライのラパイドネオに、新たなグラフィックモデルが登場した。グラフィックデザイ[…]
イタリア魂が込められたフルサイズ125ccネイキッド 2018年デビュー以来、その美しいスタイリングと俊敏なハンドリングで世界を魅了してきたキャバレロは、今回の2025年モデルで「クオーレ・イタリアー[…]
最新の投稿記事(全体)
どうする? スクーターのエンジンがかからない ※これはまさに、筆者が直面した実話です。我が家のスクーター(TODAY)に乗ろうと思って、車庫から引っ張り出しました。ちょっと久しぶりですね。エンジンをか[…]
FLHXU ストリートグライドウルトラ:ストリートグライドを名乗る、伝統のウルトラモデルがついにデビュー! ハーレーダビッドソンのフラッグシップモデルが、フルモデルチェンジを果たした。その名は「FLH[…]
急速充電に対応する出力性能 KaedearのクランプUSB KDR-M3Dは、タイプAとタイプCの2ポート構成で、タイプCはPD 30W、タイプAはQC3.0 最大18Wに対応。スマホ/アクションカメ[…]
片手でサッと装着できるクイックホールドII KaedearのクイックホールドIIは、スマホを押し付けるだけで瞬時に固定できる操作性が最大の特長です。解除は両側のリリースレバーを握るだけで簡単、片手での[…]
軽さと装着感/充電対応で普段使いに最適 HVUYALのPloom AURAケースは高品質TPU素材を採用し、手に馴染む柔らかな触感とスリムな外観を両立しています。装着による余分な重さを感じにくく、デバ[…]
- 1
- 2