
●まとめ:ヤングマシン編集部(田中淳磨)
8割弱の生徒が交通安全教育に関心
三ない運動をやめ、乗せて教える交通安全教育に転換した埼玉県が主催する「令和4年度高校生の自動二輪車等の交通安全講習」の受講者アンケートから、気になった箇所について紹介する。
アンケートでの質問内容は前年度とほぼ同じもの。n数(回答者数)は前年度に比べて少なかったが回答の傾向は大きく変わっていない。
受講生徒に講習会の印象を聞いたものでは、実技講習/講義/救急救命法のすべてのカリキュラムで「大変良かった」が減少していたが、「良かった」「普通」は軒並み増加しており、全体としては前年度同様に好評価を受けている。
なお、本講習会の受講者は、7割弱が初めての受講、3割強が2回目以上の受講であり、2年生が4割強、3年生が5割強となっている。16歳を迎える誕生日の関係もあるだろうが1年生の受講は6人に留まっている。
Q2:受講した講習の印象について(n=231人)※前年度のn数は331人
講習会の内容が受講生に浸透
特に興味深かった回答を紹介しよう。本講習の受講生徒は平日/休日を問わず、5〜7割ほどが1日平均で30分から1時間ほどもバイクに乗るそうだ。「バイクの運転中に危険を感じたことはありますか?」に対する回答によれば、乗車中に危ないと感じることも多いようで、それもあってか交通安全への意識がかなり高いことが見て取れる。
「交通安全教育に対して、関心がありますか?」という質問に対しては、8割弱の生徒は交通安全教育に関心があると答えた。また、バイクに乗る際に普段から実践していること、考えていることへの質問については、違反や事故を防ぐために重要なポイントが挙げられていた。
近年、取り締まりの重点ポイントでもある横断歩道の歩行者優先や飛び出し等の予測、停止位置での一時停止はかなり浸透しているようだ。バイクの運転操作や装備品についても雨天時のブレーキングやプロテクターの着用、空気圧の点検など本講習で継続的に伝えている内容が見て取れる。本講習会は’23年度で5年目を迎えるが、今後も期待して見守りたい。
Q6:バイクの運転中に危険を感じたことはありますか? への回答
Q7:交通安全教育に対して、関心がありますか? への回答
Q15:「交通安全について、日頃から実践していること、思っていることなど何でも自由に記入してください」への回答
Q15として設問した「交通安全について、日頃から実践していること、思っていることなど何でも自由に記入してください」という質問への回答を、テキストマイニングで解析してみた。
この図はスコア別の結果で、日常的に使われる言葉の点数は低く、特殊な言葉ほど点数が高くなっている。点数が高いほど大きな文字で表示され、文字色は品詞により分けられている。
これを見ると、埼玉県でバイクに乗る高校生は、普段から「歩行者」「標識」「一時停止」「厳守」と、横断歩道での歩行者優先について注意していることがわかる。また、雨天でのブレーキングのほかプロテクターへの意識も高そうだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事([連載] 2輪車利用環境改善部会)
バイク駐車場の拡充に取り組む千葉市 千葉市内には6区で50の鉄道駅がある。中でも千葉駅は千葉県の中心駅として、JR東日本の在来線6線と京成電鉄、さらに千葉都市モノレールが乗り入れている。 都心や成田空[…]
EVは脱炭素社会実現と移動課題の改善に寄与するか 「バイクラブフォーラムin南国みやざき」で実施されたパネルディスカッション、「電動二輪車利活用による社会課題(脆弱な二次交通)解決」において、次のトー[…]
100万都市・千葉市のバイク駐車場問題 上総台地の平坦地に位置する千葉市は、人口98万人強の大きな自治体で、現在も増加中であることから「最後の100万都市」とも呼ばれている。 高度経済成長期には大規模[…]
原付バイク安全運転スキルアップ講習会について 本講習会は原付バイクに特化した安全運転講習会で、原付利用者の交通安全意識と安全運転技能の向上を図り、交通事故を防止しようという狙いで2024年から開始され[…]
熊本市繁華街、バイク駐車場の実態 熊本一の繁華街である下通(しもとおり)商店街の周辺を歩いたが、目につくのは自転車駐輪場への125cc以下の受け入れが進んでいること。とくにアーケードから1本入った路地[…]
最新の関連記事(三ない運動)
※特定原付:’23年7月に施行された新しい車両区分「特定小型原動機付自転車」について国交省が定めた略称。特定小型原付とも呼称される。 学校に戻ってから内容を伝える“伝達講習会” この取り組みは、高校生[…]
自分と他人の命を守ること コロナ禍開けの2023年は県内の二輪車交通事故が2331件と微増したが、そのような状況でも県内高校生の二輪車事故は減少傾向にあり、2023年は2022年に続いて死亡事故が発生[…]
スクールバス運行の経済的な限界 廃校や学区の統合により、児童や生徒の通学環境は年を追うごとに悪化している。菅政権下のこども庁(現こども家庭庁)では、スクールバスの全国的な展開も期待されたが、2023年[…]
*4+1ない運動:1980年、神奈川県高等学校交通安全運動推進会議が提唱した「免許を取らない/車をもたない/車を運転しない/車に乗せてもらわない」プラス「子供の要求に負けない」という運動。 駅から学校[…]
バイクだけでなく、すべての通学手段がフラット ――バイク通学以外の安全教育、とくに交通安全に関する考え方と具体的な取り組みについて教えてください。 熊坂:バイク通学以外で言うと、自転車通学の生徒も50[…]
人気記事ランキング(全体)
オートマ・AMT&ベルトドライブ採用の250ccクルーザー! 自社製エンジンを製造し、ベネリなどのブランドを傘下に収めることでも知られる、中国・QJMOTOR。その輸入元であるQJMOTORジャパンが[…]
懐かしのスタイルに最新技術をフル投入! 2025年3月の東京モーターサイクルショーで詳細が発表されたヨシムラヘリテージパーツプロジェクト。対象機種は油冷GSX-R750とカワサキZ1となっており、GS[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」[…]
K-2439 フルメッシュロングジャケット:スタイルと機能を両立するツーリングジャケット 腰までしっかりと覆う安心感のあるロング丈でありながら、後襟から袖口へ流れるように入ったラインデザインと、ウエス[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
最新の投稿記事(全体)
簡単取り付けで、強い日差しから愛車を強力ガード 「MotoBrella」の最大の特徴は、保護カバーとしての機能性と、気軽に持ち歩くことができる携帯性のバランスが優れていること。 シートの生地は、UVカ[…]
スタイルだけでなく中身も”スペチアーレ” とかく値段が取りざたされがちなGT-R50ですが、パフォーマンスも値段相応の素晴らしさです。GT-Rマニアにはお馴染みのNISMOパッケージ、すなわち600p[…]
ファイヤープレイスやカフェカウンターなど、ゆとりある店内でそれぞれの時間を楽しむ 広々とした店内は320m2というゆとりの空間だ。ダークブラウンとブラックを中心とした落ち着いたトーンで、従来のショール[…]
シリーズ第7回は「パイロンスラローム」。リズミカルな連係操作を身に付けよう! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材な[…]
4Gで安心を提供する最新スマートモニター 「AIO-6シリーズ」は、従来のバイク用ナビゲーションシステムが「道案内」や「車載モニター」に限定されていたのに対し、4G通信技術を搭載している点が最大の特長[…]
- 1
- 2