デビュー以来、5年連続でトップセラー街道をばく進中のホンダ・レブル250/Sエディションが、一部仕様を変更して令和2年排出ガス規制に適合するとともに、カラーバリエーションを一新した。車両価格はSTD、Sとも1万1000円アップに抑えられており、良心的な仕様変更だ。
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:柴田直行 ●外部リンク:ホンダ
ホンダ レブル250 概要
[◯] クルーザーらしさ不変。この低さが快感の源だ
レブル250の年間販売計画台数を調べてみると、初年度の’17年はわずか1500台だったのに、今年は何と11倍の1万7000台に。それだけこの軽二輪クルーザーは爆発的に売れているのだ。’23年モデルは新排ガス規制適合のため仕様を一部変更し、車体色を3種類とも一新。諸元については、最大トルクの発生回転数が7750→6500rpmへと下がり、WMTCモードの燃費が微減。車重は1kg増えた程度だ。
1490mmという軸距の長い車体に、ファットな前後16インチタイヤを組み合わせるレブル250。この特異な構成からは想像できないほどハンドリングはニュートラルで、Uターンのような小回りから高速道路でのレーンチェンジまで、極めてナチュラルに舵角が付く。また、一般的なクルーザーよりもバンク角が深いことから、峠道でスポーティな快走を楽しむことも可能だ。なお、’20年モデルで前後サスペンションの仕様変更が実施されており、それ以前よりも明らかに作動性は向上したのだが、体重の大部分がシートに乗る乗車姿勢のため、ギャップ通過時のリヤからの突き上げは相変わらず大きめだ。
26psを発生する249cc水冷単気筒エンジンは、スロットルを大きく開けずとも力強く発進することができ、着座位置が低い=視点が路面に近いこともあって、体感加速は1〜2割増しという楽しさがある。規制前後の違いについて、タコメーターが付いていないので試乗後に計算したところ、3000rpm以下のトルクが若干薄くなっているような印象を受けたが、新旧を直接比較していないので断言は避けたい。レブル専用の1次バランサーと排気系により、力量感を伴いながら高回転域まで吹け上がり、100km/h巡航も余裕でこなせる。’20年型からアシストスリッパークラッチが採用されているのでクラッチレバーの操作力が軽く、シフトフィールも良好だ。
ブレーキについては、クルーザーなのでリヤがコントローラブルなことが好印象だ。フロントはシングルだが握り込めば十分以上の制動力を発揮し、ABSの介入も適切だ。
[△] 高速の長時間走行で振動がやや気になる
あくまでも記憶の中での新旧比較となるが、若干のスペック変更の影響だろうか、高速巡航時のパルスフィールが振動過多のように感じられた。それと、リヤからの突き上げは長時間受け続けると腰への負担が大きく、試乗後はやや疲れ気味に。
[こんな人におすすめ] 眺めて良し、走って良しの傑作クルーザー
今回の試乗中、平日にもかかわらず4台のレブルとすれ違った。爆売れなのは肌感覚で分かるほどで、エリミネーター登場後も勢いは衰えないだろう。’20年モデル以来の試乗であり、すぐに肌に馴染む感覚は最新型も不変だった。
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