ハスクバーナから新型アドベンチャーモデル「ノーデン901エクスペディション」が登場。装備や走りのポテンシャルは従来型とどう違うのか、南アフリカで開催された国際メディア試乗会からレポートしたい。
●文:ヤングマシン編集部(ケニー佐川) ●写真:ハスクバーナモーターサイクルズ
【テスター:ケニー佐川】国内外の試乗会に参加しまくる2輪ジャーナリスト。今回はダカールラリー5勝、シリル・デプレ(右)の先導付きというサプライズも!
ハスクバーナ ノーデン901エクスペディション 概要
“アタリ”は柔らかめだが、オンもオフも走りは確実
オフロード界にその名を馳せる北欧スウェーデン発祥の2輪ブランド、ハスクバーナ初のアドベンチャーモデルとして2021年にデビューしたノーデン901。独特のネオレトロな雰囲気が新たなファン層を広げる中、早くも第2弾として「エクスペディション」が投入された。「遠征」を意味する名のとおり、より長く険しい道を快適に走破するために装備を強化した派生モデルである。STDのノーデンとの違いは大きく3つ。”旅力”を強化する大型スクリーンとサイドバッグを新たに装備し、加えて”オフロード走破力”を高めるため前後サスもハイグレード化。さらに電制やコネクティング機能も充実させている。
長い足にいかついアンダーガード、丸目にぽってりとしたシルエットは’80年代にダカールラリーで活躍した巨大ラリーマシンを思わせる。KTM890アドベンチャー由来の水冷並列2気筒エンジンはノーデンと共通スペックの最高出力105psを発揮。75度位相クランクの小気味よい鼓動感とともに弾けるトルクが特徴だが、一方で高回転までスムーズに回る出力特性はシルキーと言えるほど滑らか。アドベンチャーバイクとしては軽量コンパクトな車体のおかげで取り回しもさほど苦にならず、6速ミッションはクイックシフター付きで市街地からワインディングまで扱いやすく重宝。加えてライダーの全身を覆う大型スクリーンとボディカウルが走行風を受け流してくれるので高速クルーズも快適だ。
ハンドリングも軽快かつ安定感があり、前後21/18インチのスポークホイールならではの大らかさ。ノーマルに比べて20mm以上延長されたWP製サスペンションのしなやかな乗り味はオンもオフも快適で、加えてスコーピオンラリーSTRの豊富な接地感のおかげでスポーツモデル並みにコーナリングが楽しめてしまう。
とはいえ、本領を発揮するのはやはりダートだ。モードを「オフロード」に設定すればパワーは穏やかになり、ABSやトラクションコントロールも最適化されて軽くテールを滑らせる走りもお手のもの。さらにハードなガレ場などは「エクスプローラー」モードで刻々と変わる路面状況に合わせてトラクションコントロールレベルを瞬時に切り替えながら走破できる。まるで自分が上手くなったような気分だ。これらの電子制御プログラムは豊富なラリー参戦で得られたノウハウが注入されているという。当りは柔らかいが走りは確実。まさに遠征を楽しむための冒険マシンだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
見ても触っても質感が高まっている 2023年モデルで令和2年排出ガス規制に適合したGB350は、2021年発売の初代モデルよりもややマイルドな特性になり、スポーティな兄弟車のGB350Sとの棲み分けが[…]
前置き:その凄さをアクシデントで体感?! 徹底的に検証…と、息巻いてみたのはいいものの、テストを始める前からもう驚かされた。というのもワタクシ谷田貝洋暁、取材当日にすっかり寝坊してしまったのだ。ロケ隊[…]
雨でも走りを妥協しない「高級タイヤ」 まずは移動のために走った高速道路だが、前モデルのS22よりも剛性を上げているのに、乗り心地が非常に良い。文字で書くと簡単そうだが、剛性を上げれば乗り心地も硬めのフ[…]
CL250は『これ1台で良い』とポジティブに思えるバイク! 大パワーや豪華装備の大型バイクに乗り慣れると、250ccっていう排気量のバイクは感覚的に『メインバイク』だと思えなくなってしまいがちです。私[…]
違いますよね、分かってます。でも比べてみたんです。 原付二種・異種格闘技戦勃発?! 今回は人気の125ccの中から趣味性の高いマニュアルトランスミッションモデル、いわゆる“ギヤ付き”のヤマハXSR12[…]
人気記事ランキング(全体)
2気筒にもオートマチック『Y-AMT』を投入!! ヤマハは欧州で新型「MT-07」を発表した。先行して登場している最新MT-09と同様に、クラッチ操作とシフト操作を必要としない『Y-AMT』仕様をライ[…]
先代譲りの緻密さは最新電脳で究極化?! 旧CB400はハイパーVTECやABSこそあったものの、従来型(NC42)の登場は2007年だけに、近年の最新電脳デバイスは皆無だった。しかし新型CB400は電[…]
北米で新型4気筒Zと思われるティーザー動画が公開された カワサキが日米でティーザーを展開しはじめた。まず、10月30日に正式発表と予告している北米カワサキのYoutube動画では、『EVOLUTION[…]
ツインエンジンの大型レブル、1100と500がマイナーチェンジ ホンダは欧州と北米で新型「レブル1100」(欧州名:CMX1100レブル/北米名は日本と同じ)をマイナーチェンジし、2025年モデルとし[…]
レーシングイメージの“チームスズキ”グラフィックを採用 スズキイタリアは、GSX-8Sにスペシャルグラフィックと一部特別装備を与えた「GSX-8S Team Suzuki Edition」を発表した。[…]
最新の投稿記事(全体)
[ホンダ] ホットウィールとのコラボイベントを本社で開催(10/24) ホンダは、『ホットウィール体験展 at Hondaウエルカムプラザ青山』を開催すると発表した。 このイベントは、東京都港区青山に[…]
ダイレクトドライブレーシングディスク:過酷なレースの現場で開発 アドバンテージの製品はストリート向けだけではなく、この「ダイレクトドライブレーシングディスク」はモトGPのMoto2/3クラスや全日本モ[…]
1位:ヤマハが新フラッグシップ「YZF-R9」を正式発表 ヤマハは欧州と北米でYZF-R9を発表した。専用にセットアップされたサスペンションやブレンボ製キャリパーを標準装備。R6を上回る空力性能を有し[…]
ハーレーコンテスト/トークショー/愛車撮影会などの人気イベント 開催されたのは2024年5月19日。毎年、梅雨前の天気が安定している時期での開催なので、今年も絶好のツーリング日和となり、数多くのライダ[…]
幻想的な風景から仲間たちとの思い出まで 第67回は「秋は夕暮れマシン」がテーマ。あたりを橙色に染める夕日、街や山のシルエットなど、夜の直前に訪れる特別なひとときと、バイクを収めた写真を募集したぞ! T[…]