
50回目を迎えた読者投票「マシンオブザイヤー」(MOTY)。これを記念し、50年を通したベストバイクを選ぶ特別企画「マシン・オブ・ザ・50イヤーズ」を敢行した。結果、1980年代のNSR250Rに栄冠。半世紀にわたる全バイクの人気トップに立った!
●まとめ:沼尾宏明 ●写真:YMアーカイブス
’22だけじゃなく過去すべてのバイクの“イチバン”も決めるのだ
本誌が創刊された1973年から毎年開催されてきたMOTYは、現在も続く2輪4輪のプライズとしては世界最長&最古を誇る伝統のイベントだ。その年に発売されたモデルの中からジャンル別の1台を選ぶ部門賞のほか、国内外、排気量など全ての垣根を超えた「総合部門」がある。数100台の中から選ばれた総合トップは、まさにその年の顔。中でも50年の歴史でトップを決める「マシンオブ・ザ50イヤーズ」総合部門の上位入賞車は歴史に名を残す1台と言える。
膨大な車種ゆえ票が分散! NSRが超接近戦を制した
投票フォームでは、主要モデルや実際に過去のMOTYで上位にランクしたモデルをあらかじめ一覧にしていた。しかし、あまりにモデル数が膨大のため、集計結果を見るとかなり票が分散。わずか数票で決着がつく大接戦になった印象だ。
それでも見事、栄冠を勝ち取ったマシンこそ1980年代のホンダNSR250Rだった。2ストロークの心臓とアルミフレームによって軽量ハイパワーを極めたNSRは、現代のバイクでは考えられないほどレーシー。特に’88年型MC18の「ハチハチ」は公称45psながら小変更で実質60psを叩き出すパワーを誇った。この時代にリッター換算で180ps、60psなら240ps。しかも装備重量は144kg(’88SP)に過ぎない。
もはや同様のマシンが出る可能性はほぼゼロ。読者からも「再現不能」「青春時代の憧れ」の声が多かった。
そして意外にも2位にZ900RSシリーズ、4位にCT125ハンターカブという現行モデルがランクイン(次ページ参照)。数ある名車を押し退けての上位入賞は、愛車である読者が多いことに加え、2台の人気が本物であることの証だろう。なおZ900RSは’22年型から選ぶ通常のMOTYで栄冠を獲得しており、2冠の可能性もあったのだ。
3位はCB750フォア。実質的に世界初の直4モデルであり、2輪の歴史を大きく変えた名車中の名車だけに順当と言える結果だ。
5位はCBX400Fで、これまた根強い人気を誇る名車。中古車市場が高騰したことによる憧れのほか、昔を懐かしむ声も多い。
ちなみにベスト5にはホンダが4車入り、さすがの強さを見せつけた。
歴代総合1位 HONDA NSR250Rシリーズ(’80s) 30票/981票
【’88 HONDA NSR250R SP】■全長1985 全幅640 全高1105 軸距1355 最低地上高135 シート高770(各mm)車重144kg ■水冷2ストV型2気筒ケースリードバルブ 249cc 45ps/9500rpm 3.8kg-m/8000rpm 変速機6段 燃料タンク容量16L ■タイヤサイズF=110/70-17 R=140/60R18 全国標準現金価格66万円(当時消費税はなし)
時代の寵児、名実ともにナンバー1レプリカ!
’86年にデビューした2ストレーサーレプリカのNSRは圧倒的な戦闘力で話題に。初代からわずか1年後にフルチェンジし、人気、実力ともレプリカナンバー1の座を盤石にした。時はまさにバイクブームの最中で、あの頃を懐かしむ読者と、伝説を憧れる世代から高い支持を受けた。
【MOTY ’87では250ccクラスで優勝。デビュー時にはガードナーの試乗記も!】初代MC16はデビューイヤーで総合8位、250クラスでは優勝。’88は総合2位、ついに’89で1位に輝く。初登場時には後のWGP王者、ワイン・ガードナーが試乗を敢行した!
NSR250R ’80年代の変遷
【’86 HONDA NSR250R MC16】ヤマハTZR250に対抗すべく、レーサーのRS250Rと同時開発。RSとの共通部品も多く、排気デバイスのRCバルブ、目の字断面アルミフレーム、フロント17インチなどの革新メカが揃う。※MC16は金色のホイール、MC18(’89)はSP用のホイールを装着するなど、写真の一部は個人所有車のためノーマルと仕様が異なります。
投票者の声【青春、衝撃、伝説…アツい思い入れが多数!】
- 今では考えられない豪華な開発。バイク人気最高潮の時代(愛知S・T)
- やはりいちばんの青春時代のバイクなので(大阪D・S)
- この時代のバイクのデザインは尖ってるものが多すぎて美術館できるよ、美術館。この奇想天外なバイクが生まれるのが当たり前のようなそんなメーカーが挑戦的な時代がいつかまた来ないかなと、こっそり待ってる(埼玉Y・H)
- レースで使ったので思い入れが多いバイクです(大阪K・N)
- 軽くて速い! スポーツバイクの理想形! 最新技術でぜひ復活させてほしいです!(岡山T・O)
- 2ストの匂い、音がやはり好き(大阪Y・T)
- やはり、自身の青春時代の思い出のバイクです(福岡S・Y)
- まだ生まれてすらいなかった時代のバイクだが、伝説は色々聞いており、今も根強い人気があるということで選んだ(東京N・F)
- エンジンがかかったときの音、におい…一番ドキドキした(東京H・O)
- 速さ、カッコよさ、乗りやすさ、を追求しようと各社がしのぎを削ってたためか色々、特色あるバイクがあった良い時代(石川T・Y)
- バイク乗りというのはガソリン臭く、音がうるさいバイクが好きに決まっている。第一次バイクブーム等納得の最高の年代でした(新潟K・H)
- 当時の世界GPの技術をフィードバックさせた素晴らしいバイクが多かった(福岡Y・I)
- バイクブーム真っ只中を過ごしました世代なので(滋賀K・U)
- 10代の時に乗っていた’88年式のNSR250Rが今でもまた乗りたいバイクです! 衝撃を受けました! (神奈川D・S)
- この時代がなかったらバイクへの興味はなかったと思う(鹿児島K・A)
歴代総合2位 KAWASAKI Z900RSシリーズ(’10s〜) 26票/981票
現実的に買えるこれが支持の大きな理由
1970年代の伝説的な名車Z1をイメージしつつ、現代の技術とスタイルを与えたZ900RSが歴代総合2位に!元祖Z1が上位入賞するかと思いきや、現代版に票が集まった格好だ。投票コメントによると「現実的に今買えるバイクの中で一番欲しいから」という声が多く聞かれた。手の届かない名車より票を集めたのはこれが理由だろう。
【’22 KAWASAKI Z900RS 50th Anniversary】■全長2100全幅865 全高1150 軸距1470 最低地上高130シート高800(各mm) 車重217kg ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 948 cc 111ps/8500rpm 10.0kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17
投票者の声【トータルでの評価が高い!】
- 好きなんです。スタイリングが(山梨K・A)
- 自分がバイク免許を取るキッカケになった! おかげで楽しいバイクライフを過ごしてます!(岐阜M・I)
- 今1番欲しいバイクだから(熊本K・K)
- デザイン性や性能が熟成されています(新潟M・N)
- 現実に長く所有することが出来て、電動化の流れの中、最後のガソリンエンジン車となりそうだから(神奈川J・H)
- 免許取得のきっかけになった。いつかは絶対に乗りたいバイクです(千葉I・M)
- その年代ごとの良さも有りますがやはり現代のエンジン特性の乗りやすさなどトータルな面で(東京T・O)
歴代総合3位 HONDA CB750Four 24票/981票
やっぱり強い永遠の名車、次世代機にも期待したい
2気筒が全盛だった’69年、並列4気筒736ccでデビュー。世界に日本製バイクの存在を知らしめ、ナナハンブームを巻き起こした名車が本作だ。現在もその風格に魅せられたファンが多数いることを証明した。なお宿敵のZは現代版のZ900RSが存在するのに対し、CBのリバイバル版は現在なし。ホンダさん、ぜひ何とか!
【’69 HONDA CB750Four】■空冷4スト並列4気筒SOHC2バルブ 736cc 67ps/8000rpm 6.1kg-m/7000rpm ■218kg(乾燥) 19L F=3.25-19 R=4.00-18
投票者の声【偉大、レジェンドと讃える声多数】
- 今の日本車の、まさに土台。これが全てを作ったと思います(北海道M・I)
- カッコ良い。今にないバイク(大阪K・Y)
- レジェンド(新潟T・K)
- CB750を超えるバイクは私の中では、まだ、出てません(東京F・W)
- 伝説的カッコ良さ(三重H・N)
- 手が届きませんが、未だに魅力に溢れてます! (愛知T・W)
- 昔のデザインが素晴らしい(兵庫T・Y)
- グローバルでの日本のバイク産業を作り上げた存在(埼玉A・I)
歴代総合4位 HONDA CT125 HUNTER CUB(’10s〜) 23票/981票
大健闘、超人気の現代版ハンター
名車に混じって上位入賞を果たした現行モデルのCT125。既に購入し満足している人や欲しい人が投票し、この順位をゲットした。スーパーカブC125をベースに、数々の専用装備で往年のCT110スタイルと性能を再現し、’20年の発売以来、大ヒット中だ。
【’20 HONDA CT125 HUNTER CUB】■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 124cc 8.8ps/1.1kg-m ■120kg シート高800mm 5.3L
【伝説の“水没テスト”】ハイマウント吸気口とアップマフラーを備えた本作だけに渡河性能も高いハズ。実際に谷田貝テスターがテストし、話題沸騰した!
投票者の声【手が届いて今一番素敵、欲しい!】
- 今一番素敵なバイクだと思う(徳島A・S)
- 今のバイクで一番手が届きそうだから!(三重H・U)
- ほしいと思えるバイクなので(神奈川M・T)
- 憧れの往年のCT110が現代の最新技術で蘇ったから(和歌山T・S)
- 老若男女に愛されるカブシリーズだから(福島S・M)
歴代総合5位 HONDA CBX400F(’80s) 21票/981票
やっぱり強い’80年代400の雄
’81年に衝撃デビューし、今なお絶版旧車市場でプレミア値がつく人気車が5位入賞。青春時代に乗っていた、憧れていた読者の票を集めた結果だ。流れるようなフォルムは今なおカッコよく、X字を描くマフラーやコムスターホイールなどの装備も特徴的だ。
【’81 HONDA CBX400F】■空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 48ps/3.4kg-m ■189kg シート高775mm 17L
投票者の声【デザイン、存在感は今なお輝きを放つ】
- クロスしたエキパイは今見ても美しさを感じる(富山Y・H)
- やっぱり初めて買った自動二輪。思い出が(京都H・Y)
- バイクブームのまっただ中で存在感を示せたバイクです。忘れ去られることなくむしろ今も強烈な印象を残すバイクだと思う(兵庫Y・O)
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