モト2選手権にエンジンを供給することでも知られるトライアンフが、同系エンジンのスポーツネイキッド「ストリートトリプル765R/RS」をアップデート。スペイン開催の国際試乗会から、原田哲也がレポートをお送りする。
●文:ヤングマシン編集部(高橋剛) ●外部リンク:トライアンフ
【テスター:原田哲也】世界GPデビューイヤーの’93年にタイトルを獲得。以後10年にわたりGPで活躍した。現在はオンロードから林道ツーリングまで幅広く楽しんでいる。
より上質に仕上げられたストトリならではの美点〈トライアンフ ストリートトリプルR/RS 試乗インプレッション〉
期待はあった。でも、それ以上に心配でもあった。
僕はもともとストリートトリプルRSが好きで、従来型にしばらく乗っていたことがある。本当によいバイクで、直列3気筒ならではのスムーズかつパワフルなエンジンフィーリングや、ニュートラルなハンドリングに惚れ込んでいた。
だから今回、スペインで行われた新型ストリートトリプルの試乗会に臨んで、期待と心配のふたつの気持ちがまぜこぜになっていた。あれ以上にいいバイクに仕上がっているのだろうか──。
新型は、標準モデル「R」と、上位モデル「RS」の2ラインナップだ。最初は公道でRに乗ったのだが、すぐに自分の心配は杞憂だったことが分かった。もともとスムーズだったエンジンの振動がさらに減っていて、回転上昇フィーリングがひときわ上質になっていたのだ。
十二分に楽しめる標準モデル「R」〈トライアンフ ストリートトリプルR/RS 試乗インプレッション〉
ユーロ5に対応したとの説明を聞き、低速トルクが薄くなっていないかも心配していたが、それもまったく無用。風を受けるネイキッドながらポジションは快適で、長く走っていても疲れにくい。
Rは標準モデルということで、上位のRSに対してサスペンションやタイヤなどに差が付けられている。しかし、ゆるやかなアップダウンとコーナーが続く郊外のワインディングロードを走っている分には、何の不満もなかった。
従来モデルの良さがさらに上乗せされているし、ハンドリングがマイルドなので、気疲れしない。さまざまなシチュエーションが訪れる公道には、Rが向いていると感じた。
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