
ヤマハは、1980年に発売した「RZ250」および1981年に発売した「RZ350」の車名を、2023年4月12日に商標登録を出願し、これが4月20日に日本国特許庁によって公開された。順調にいけば半年程度で登録に至ることになるが──。
●文:ヤングマシン編集部
YZF-R9やXSR GPに続くのはRZ250/RZ350か
ヤマハが「RZ250」「RZ350」の商標登録を出願していたことが明らかになった!
RZ250/350といえば、2ストロークエンジンの未来が憂慮されていた時代にヤマハが最後のチャレンジとして生み出したスポーツバイク。高性能な水冷2ストローク並列2気筒エンジンを搭載し、ロードスポーツモデルとしては初めてカンチレバータイプのモノショックを採用するなど当時の最先端技術を惜しげもなく投入していた。
これによって2ストロークエンジンの存在そのものが延命されたとも言われ、のちのRZ250R/RZ350R、TZR250シリーズの誕生の礎になっていった。みんな大好きNSR250Rも、RZの存在がなければ誕生していなかったかもしれないのだ。
RZは流麗なスタイリングでも知られ、後世にもさまざまなオマージュが生まれている。ヤマハがスポーツヘリテージと名付けるXSRシリーズにもRZの影響は見られるし、実際にワイズギア名義で初代RZ250のカラーリングを再現した外装キットも発売された。ヤマハのバイク史に燦然と輝くRZの名は今も色あせない。
そんなRZ250/RZ350の名がヤマハから商標登録出願されたというのだから興奮せずにはいられない。いずれも2023年4月12日に出願され、同4月20日に日本国特許庁によって公開されている。
では、実際にRZ250/350を名乗るニューモデルが登場するのかというと、それは早計というものだ。バイクメーカーに限らず、自社の伝統的なブランドネームを保護する目的で商標を継続的に登録しておくというのはよくある話。また、商標権の存続期間は10年だが、事業者が必要とすれば更新登録の申請によって何度でも更新できるという。今回のものは新たに商標出願されている模様なので、商標権の有効期間が過ぎていたものと思われるが、模倣対策として改めて出願された可能性が高いといえそうだ。
とはいうものの、それが2ストロークエンジンで登場するセンはないだろうが、“バイクらしいバイク”のスタイリング、すなわちネオクラシックとかネオレトロと呼ばれるモデルが一時期のブームではなく市民権を得ていることも忘れてはならない。RZシリーズを再現したようなスタイリングのニューモデルが歓迎される下地は出来ている。
折しも、2ストロークエンジンの終焉が叫ばれていた頃の状況と似て、今は内燃機関そのものが風前の灯火だ。この機に『最後のチャレンジ』が行われるとしたら……。何が起こっても不思議じゃない……!
ヤマハさん、我々に夢を見させてくださーい!
YAMAHA RZ250[1980 model]
YAMAHA RZ250[1980 model]
YAMAHA RZ350[1981 model]
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
スリムでダイナミックなデザイン 黒いラジエーターとエンジンが流線形の燃料タンクの下に細いパイプで吊り下げられている。ロードスポーツとしては初のモノクロス式サスペンション採用によってリヤショックが車体内[…]
あの頃の中型 青春名車録「2ストの台頭」(昭和55年) 1970年代(昭和45年~)、国内における250ccクラスの人気は低迷していた。車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400ccと共[…]
円安や物価の高騰を受け、価格は6万6000円上昇 ヤマハは、スポーツヘリテイジ「XSR」シリーズの2気筒モデル「XSR700 ABS」2023年モデルを発表。折からの為替変動や各種原材料等の高騰を受け[…]
XSRに新展開、ヘリテイジ系フルカウルスポーツ?! '22モデルでフルチェンジしたXSR900は、往年のロードレーサーからカウルを取り去ったようなフォルムが話題。2021年の登場時には’80年代のヤマ[…]
120ps+アルミフレームで本格スポーツ走行にも適合?! ヤマハYZF-Rシリーズは1000ccのR1を頂点に、700/320/250/155/125ccの全6シリーズが展開されているスーパースポーツ[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
マニア好みのボルドールカラーが映える! アクティブが手掛けるCB1000Fカスタムだが、まずはカラーリングがインパクト大! CB-Fといえば、純正カラーでも用意されるシルバーにブルーのグラフィックの、[…]
グランプリレースの黄金時代が甦る! 1970年代~80年代にかけて伝説的なアメリカンライダーのケニー・ロバーツ氏が走らせたYZR500は、イエローのストロボライン(ヤマハは現在スピードブロックと呼称)[…]
火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場 ジャパンモビリティショー2025でカワサキが新型「Z900RS」シリーズを世界初公開した。主軸となる変更はエンジンまわり[…]
これぞCBだ! そう直感的に思えるライダーの視界 跨った瞬間に「CBだ!」と思えた。視界に入る燃料タンクの大きな面積や両腿の内側に感じる存在感、そして昔で言う“殿様乗り”が似合う大きくアップライトなラ[…]
それぞれホイール色も異なるカラー展開 カワサキがZ650RSの2026年モデルを発表した。カラーバリエーションは2色とも新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリッ[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
水素燃焼エンジンとは? ヤマハ発動機がJMS2025で世界初公開した「H2 Buddy Porter Concept(エイチツー バディ ポーター コンセプト)」は、気体水素を燃焼して走行する水素エン[…]
グランプリレースの黄金時代が甦る! 1970年代~80年代にかけて伝説的なアメリカンライダーのケニー・ロバーツ氏が走らせたYZR500は、イエローのストロボライン(ヤマハは現在スピードブロックと呼称)[…]
ヤマハ・ハンドリングの真骨頂、パイプ構成では得られないデルタ形状アルミ鋼板フレーム! 1980年に2スト復活を世界にアピールしたヤマハRZ250の衝撃的なデビューに続き、1983年にはRZ250Rで可[…]
RZ250を上回る新テクノロジー満載! 1979年にホンダがリリースした、まさかの2ストローク50ccスポーツのMB50(広告なでの名称はMB-5)。 250ccやビッグバイクのスケールダウン・デザイ[…]
ヤマハ・ハンドリングのこだわりを400レプリカ路線へ融合! 1980年にRZ250をリリース、レプリカの時代に先鞭をつけたヤマハも、4ストのスポーツバイクXJ400系ではツーリングユースを前提とした、[…]
人気記事ランキング(全体)
気鋭のクルーザー専業ブランドによるカスタムクルーザー 以前に試乗記事などをお届けしたBENDA(ベンダ)がいよいよ本格上陸する。日本での輸入販売を手掛けるウイングフットより取り扱い開始が発表されたのだ[…]
Z1100とZ1100 SEの国内販売を正式発表 先に欧州で発表されたスーパーネイキッド“Zシリーズ”の長兄たるZ1100 SEがジャパンモビリティショーで日本初公開され、国内販売画正式発表された。ス[…]
火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場 ジャパンモビリティショー2025でカワサキが新型「Z900RS」シリーズを世界初公開した。主軸となる変更はエンジンまわり[…]
KATANAというバイク 一昨年のこと、キリンと同じ年齢になったことをキッカケにKATANA乗りになったYです。 ノーマルでも十分乗り易いKATANAですが、各部をカスタムすることで、よりカタナ(GS[…]
RZ250を上回る新テクノロジー満載! 1979年にホンダがリリースした、まさかの2ストローク50ccスポーツのMB50(広告なでの名称はMB-5)。 250ccやビッグバイクのスケールダウン・デザイ[…]
最新の投稿記事(全体)
Zを知り尽くしたエンジニアならではの勘ドコロを押えた絶品設計! 1989年のゼファー(400)が巻き起こしたネイキッド・ブーム。 カワサキはこの勢いをビッグバイクでもと、1990年にゼファー750と1[…]
とにかく目立つサイケデリックなカラーを使った新たなグラフィック 新しいグラフィックは、風の流れあるいはゼブラ模様にも見える流線の組み合わせをカラフルに仕上げたモデルだ。アライヘルメットによれば「オフロ[…]
バイクファッションブランド『ロアーズオリジナル』とのコラボレーションモデル第2弾が登場 このたび発売される『TX-STRADA ROARS』は、2020年に発売された『RAPIDE-NEO ROARS[…]
原付免許で乗れる『新しい区分の原付バイク』にHondaが4モデルを投入! 新たな排ガス規制の適用に伴い2025年10月末をもってHondaの50cc車両は生産を終了しますが、2025年4月1日に行われ[…]
ヨーロッパの伝統建築や美術をモチーフとした新グラフィック かなり込み入ったグラフィックが描かれた新製品オルロイは、チェコの首都プラハの旧市庁舎の塔にある天文時計をモチーフとしている。時間を表示するだけ[…]
- 1
- 2








































