![[’84-]カワサキ KR250/S:栄光のチャンピオンレプリカだったが…【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/02/Re_080-01.jpg?v=1676270532)
“4ストロークこそ上級”。そんな時代にRZが待ったをかけた。軽量な車体にピーキーな2ストロークユニットを抱き、大排気量車を追い回す快感。’80年代はレーサーレプリカ熱が沸騰した時代だ。本記事では、当時のレーサーモデルKR350/250を強く意識したマシン、カワサキKR250/Sを取り上げる。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
「ガンマ」由来のレプリカ戦線にカワサキも参入〈カワサキ KR250/S〉
’84年に投入されたKR250は、異彩を放つタンデムツインを搭載。シリンダーを前後に配置し、並列2気筒を縦置きとしたようなエンジンレイアウトは、’78~’81年のWGP250、’78~’82年の同350で連続タイトルを勝ち取ったKRから継承。市販バイクでの採用例は後にも先にもKRのみである。
さらに、低回転域ではロータリーバルブが作動し、高回転域では吸気ポート両側に設けられたリードバルブからも吸入するRRIS(ロータリーリードバルブインテークシステム)もGPレーサーのKR譲り。シャーシも最新技術が凝縮されており、軽量で高剛性なアルミフレーム、フロント16インチ、車体下部に水平配置されたリンク式のモノショックなどを採用。GPZ系の流れを汲む角型スタイルも独創的だった。
しかし、初期型は低中速域の扱いにくさがよく指摘された。これを受けて’85年には排気デバイスのKVSSを追加したKR250Sが登場。しかしシェアを拡大するには至らず、’88年にはタンデムツインから一般的な並列2気筒に変更したKR-1を打ち出したが、またも不発に終わった。カワサキは’82年でGP活動を休止しており、イメージリーダーが不在だったことも不振の要因に挙げられる。
技術としては革新的だったものの、短命に終わったKR。レプリカのジャンルにおけるカワサキの逆襲は、’89年のZXRまで待たねばならない。
【’84 KAWASAKI KR250/S|独特のスタイルが人気を分けた】レーサーのKRとは全く異なる、GPZ系の角張ったスタイルを採用。フルカウルながらエンジンを露出したデザインも独特だった。レプリカ然としたマシンを熱望していたライダーには支持されず、短命に終わることとなる。■水冷2スト縦置き並列2気筒 ロータリーリードバルブ 249cc 45ps/10000rpm 3.7kg-m/8000rpm ■133kg ■タイヤサイズF=100/90-16 R=110/80-18 ●価格:49万8000円
前後のシリンダーごとにクランクシャフトを設置。これをギヤでつないで駆動力に変えている。シリンダーの振動を抑制するカムダンパーを市販車で初採用したほか、サブフレーム付きのアルミ製リヤアーム、水平に配置されたリヤショックなど先進メカをふんだんに投入。しかし、機構の複雑化や整備性に課題を残した。
武骨なサイレンサーを上下に配置。真円テールランプとともにKR特有のリヤビューを形成する。
リヤショックの減衰力調整ダイヤルをアンダーカウルに設置。工具不要で4段階に調整できる親切設計だ。プリロードもダイヤルで調整可。
いかにもレプリカらしい独立式メーターだが、この手のモデルとしては珍しく燃料計を装備。初期型のみ独特なハンドルマウントのミラーを備える。
低速トルクは薄いが、7000rpmから豹変。実力は一線級で、ゼロヨンでは驚愕の12秒台を叩き出した。
カワサキ KR250/Sの系譜
’85 カワサキ KR250S
【’85 KAWASAKI KR250S】排気デバイスKVSSを搭載し、ミラーをカウルに移設した2代目。これがラストモデルに。
’88 カワサキ KR-1
【’88 KAWASAKI KR-1】フルカウルに排気デバイスKIPS付きのパラツインを搭載。F3レース参戦を前提に開発。
’89 カワサキ KR-1S
【’89 KAWASAKI KR-1S】1年でフルチェンジし、フレームほか大部分が新作に。同社最後の2ストレプリカとなる。
’89 カワサキ KR-1R
【’89 KAWASAKI KR-1R】Sと同時発売されたSP仕様。φ35mm大径キャブやクロスミッションを備える
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