
●文/写真:ヤングマシン編集部(佐藤寿宏)
YOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの亀井雄大を早く見たい!
年が明けたと思ったらあっという間に1月も半分が過ぎてしまいましたね。遅ればせながら2023年もよろしくお願いいたします。年末から1月にかけて、全日本ロードレース選手権でも多くのチームがチーム体制発表を行っています。中でもセンセーショナルだったのがYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの亀井雄大の起用でしょう。
昨年、ヨシムラとTeam KAGAYAMAがタッグを組んで登場したYOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN。チーム運営はTeam KAGAYAMAが行い、ヨシムラチューンのSUZUKI GSX-R1000Rを走らせ、それまでヨシムラのテストライダーを担当していた渡辺一樹が実戦に復帰。JSB1000クラスでトップ争いを繰り広げランキング2位という結果を残しました。鈴鹿で見せた絶対王者・中須賀とのバトルは印象深かったですよね。その渡辺との契約が2022年いっぱいで切れることが決まり、チームマネージャーの加賀山就臣は、他のライダーを探すことになったときに亀井を指名しました。
当の亀井は、鈴鹿レーシング(以下:鈴レー)の部長を務めておりチームの中心的存在でした。計画では、2023年シーズンまでJSB1000クラスを鈴レーで走り、2024年は後輩にシートを譲ることになっていました。加賀山からのオファーがあったときは、半分以上断る気持ちだったと言います。
亀井は神奈川県伊勢原市出身で、全日本J-GP3クラスを走っていましたがレース活動を中断。ホンダ鈴鹿製作所に入社し、部活動である鈴鹿レーシングでレース活動を再開します。ST600で速さを磨き、2019年からJSB1000にスイッチ。2021年には鈴レーの部長としてチームを牽引してきました。その一方で、フルタイムで働いており、限られた時間の中で、マシン造りを行いJSB1000クラスでトップを争っていました。
加賀山は、そんな亀井とマシン造りや電子制御のことを話す機会があり、かなり深いところま掘り下げても通じる部分があったそうです。「なかなか亀井の若さで、そこまで分かっているライダーは他にはいないでしょう。もっとレースに集中できる環境を用意してあげれば、勝機が見えてくる」と亀井を口説いていきます。その熱意に亀井も加賀山を信頼していきYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINへの移籍を決めました。
「オファーをいただくことができたのは、二度とないタイミングでしたし、もし断って、他のライダーが走っているのを見たら後悔すると思いました。鈴レーでは、自分で考えてチーム員に指示をしていましたが、先日ライドウィンのワークショップで加賀山さんやメカニックの皆さんと話しをしていると、自分の知らない情報がサラッと出て来ました。周りは、ボクよりレース経験が豊富な方しかいないので、本当に楽しみです」と亀井。
亀井は昨年結婚したばかりでしたが、鈴鹿製作所を辞めてもレーシングライダーとして挑戦してみたい思いが勝りました。加賀山も移籍を実現させるために、関係各所に筋を通し、亀井が生活できるように仕事先も用意。さすが“2輪レース界のハマの番長”なかなかできることではありません。
今回の亀井の移籍を聞いて“安定した環境を捨ててまで選ぶのは理解できない。まして新婚で”ということを言う人も何人かいました。まぁ、立場は全く違いますが、ボクもフリーランスでほぼレースのみの仕事で生活させてもらっています。会社員でいる方が保証はあるかもしれませんが、こんな世の中、いつ何があるなんて分かりませんからね。夢を追いかけるのは、すばらしいことですし、応援したいですよね。YOSHIMURA SUZUKI RIDEWINのマシンをライディングする亀井を見るのが待ち遠しいところです。
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