欧州を中心に盛り上がりを見せ始めているMiniGP(ミニGP)シリーズが、いよいよ日本にも上陸する! マシンはイタリアのオバーレによる「GP-O 160」で、専用のピレリ製10インチスリックタイヤ、モチュールのオイルを使用。安価に基礎を学べて、世界のレースへとつながるこのシリーズ、日本にも根付くか?!
●文/写真: 佐藤寿宏
FIM&ドルナスポーツのフォーマットに則り、年間全5戦10レースを開催
いよいよMiniGPが日本でも始まる。ヨーロッパ、北米、マレーシアなど10カ所で開催され、2022年は日本、オーストラリア、インドネシア、カタール、オーストリアが加わった。
2月10日(木)に日本シリーズを主催する株式会社P-UP Worldが記者会見を行った。携帯電話販売のテルルを始め、Honda Dreamを2店舗、NSR250Rを得意とするMotoUPなどのバイクショップを始め、飲食も手がける会社だ。全日本ロードレース、鈴鹿8耐などレース活動や、世界で活躍するライダーのサポートも行って来た。
FIM MiniGPジャパンシリーズは、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)とMotoGPプロモーターのドルナスポーツが設定したフォーマットに則り、全5戦10レースで争われる。マネジメントはHRCのテストライダーも務める長島哲太が行い、世界を戦ってきた経験をアドバイスしながら若いライダーに伝えていきたいと語る。
バイクはイタリアのOHVALE(オバーレ)のGP-O 160に専用に用意されたピレリの10インチスリックタイヤにオイルはMotulを使用する。バイクは主催者が全て管理し、専属のメカニックが3台につき一人付く体制を確保。ヘルメットはアライ、レーシングスーツはRSタイチが指定されておりサポート価格で購入できる。ブーツはアルパインスターズ推奨だ。レーシングスーツは下取りサービスを行う予定で参加者の負担を少しでも減らす方向だと言う。
マシンは すでに長島が桶川で走らせており「しっかり止めて、曲げてという基礎を学べるマシンですね。パワーもあるので雑に扱えばハイサイドするので、タイヤのグリップだけでは速く走れないところがライダー育成に向いています」と評価している。
2022年シーズンのカレンダーは、4月16日(土)に筑波コース1000で開幕し、5月15日(日)に第2戦もてぎ北ショートコース、6月19日(日)に第3戦もてぎ北ショートコース、8月21日(日)に第4戦テルル桶川スポーツランド、9月4日(日)に第5戦筑波コース1000という全5戦10レースのスケジュールでシリーズが争われる。いずれもワンデイ開催となっており、フリー走行、予選、決勝2レースが行われる。開催コースでの練習はレースの1カ月前より禁止されるレギュレーションもあり、より本番に、どれだけ力を出せるか試されるところだ。
シリーズランキングの上位3名は、11月にバレンシアで開かれる予定の世界一決定戦とも言えるワールドシリーズに出場でき、ここで優勝するとアジアタレントカップやルーキーズカップなどドルナ管轄のシリーズにステップアップできる。
最も気になる応募資格だが、10歳(4月1日時点で満10歳)から14歳(12月末日時点で満14歳)でレース経験者であること。2月16日(水)から下記URLの応募フォームからエントリー受付を開始する。年間エントリー募集は15名。3月11日(金)まで受付予定で先着ではないが、それ以前に選考で募集人数に達した場合、締め切ることもあるので、希望される方はお早めに! 参加費はフル参戦の場合、1戦あたり通常11万円(税込み)のところ6万6,000円(税込み)となっており、33万(税込み)でシリーズを戦えることになる。マシンは全て用意してくれるので、ポケバイからステップアップ、ミニバイクの別シリーズを戦うライダーにも魅力的ではなかろうか。
スポット参戦枠も3台あり、こちらはレーシングスーツのレンタル込みで通常15万円(税込み)のところ8万8,000円(税込み)となっており、これから参戦を考えている人にオススメだ。
日本モーターサイクル協会(MFJ)の承認レースとしても開催されるMiniGP。世界を目指す若いライダーの夢を乗せたシリーズが始まる。まずは2022年シーズンが成功し、5年、10年と続いていって欲しいものだ。
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